C's NEX Wideはアルフレックスが製作する、ハイエースワイドミドルバンをベース車にしたバンコンキャンピングカー。

同社は、ハイエースやNV350キャラバンをベース車に、洗練されたインテリアで架装したバンコンを製造している。

C’sNEXには、標準ボディ標準ルーフとワイドボディミドルルーフの2種類のボディサイズを選択できる。

（記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。）


コンセプト

ハイエースワイドミドルをベース車に使用することにより、街中でも取り回しがしやすい。また2列目にマルチモードシートを前向きにすることにより、3列目シートとともに8名が前向き乗車でき、一般のミニバンのように使用できる。

また、2列目シートを後ろ向きにすると対座ダイネットとなり、ベッドモードではファミリーで車中泊ができる。

上質感あるインテリアと、スーパーGLグレード標準装備で、上級グレード感のあるファーストカーとして使用できる。


アピールポイント

　・取り回しの良いサイズのボディ
　・日常使用に便利な2列目のマルチモードシート
　・高いデザイン性のインテリア
　・後部子供用上段ベッドでファミリーでも車中泊可能
　・3列目バタフライシートとスライドレールで広い荷室になる


エクステリア

　C's NEXのエクステリア

ベース車はハイエースワイドボディミドルルーフを使用。なお標準ボディ標準ルーフも選択できる。いずれもスーパーGLグレードが標準なので、外観や運転席周りは満足できるグレード感がある。更にダークプライムバージョンも選択できる。

ボディ外観には架装は無く、見た目は通常のハイエースと変わらない。従って、通勤や買い物などの日常仕様でも違和感なく使用できる。


インテリア

　洗練されたインテリア

C's NEXの洗練されたインテリアはこのモデルの特徴となっている。高級木材を使った家具とか、高級素材のシートと言うことではなく、高いデザイン性の高級感がある。

また、後部収納の扉がソフトクローズになっているなど、細かい点にもこだわりが見える。

なお、2列目シートはドライブ時は凹凸のある面でホールド感を得、就寝時は平坦な面で寝心地を良くしている。


レイアウト

2列目に1400mm幅のマルチモードシート、3列目に1200mm幅のバタフライシート（いずれもREVOシート）を配置し、7名が前向きに乗車できる。

また、2列目シートを後ろ向きにすると、テーブルを挟んで５名が対座できるダイネットとなる。

後部には両側に収納家具を配置し、右側の収納家具にはコンパクトなギャレーも備わる。更に収納家具の上にベッドボードを渡すと、子供用のベッドになる。ファミリーにも対応できるレイアウトとなっている。

　3列目はバタフライシート

また、フロアにはスライドレールが埋め込まれており、両方のシートを前後にスライドさせることができる。3列目シートはバタフライシートなので、畳んで前に移動させると、後部に大きなカーゴスペースができ、トランポとしても活用できる。

　後部に大きなカーゴスペースができる


ダイネット

　3列目シートを後ろ向きにした書斎モード

ダイネットは前出のように2列目シートを後ろ向きにすると対座ダイネットができるが、3列目シートを後ろ向きにすると、上の写真のようにちょっとした書斎モードになる。ギャレーにも近くなり、コーヒーを飲みながら読書と言った使い方に便利だ。


ベッド

　シートをフラットにしたベッドモード

2列目と3列目のシートをフラットにすると、2450x1400mm（足元は1200mm）のベッドができる。1400mmというのは家庭用ではダブルベッドの幅に匹敵するので、大人2名が就寝できる。

　後部の子供用ハイマウントベッド

後部のベッドは家具の上にベッドボードを渡すハイマウントベッドで、大きさは1720x1650mm。これは大人用ベッドの規定となっている1800mmに達していないため、子供用と位置付けられる。


ギャレー

　コンパクトなシンクとシャワーフォーセット

後部右側の収納家具には、コンパクトなシンクが埋め込まれている。シンクはベッドの下に隠れてしまうので、ギャレーの存在はあまり重視されてなく、むしろ8ナンバー取得用のように見える。もっとも、このモデルを選択するユーザーの多くもギャレーはあまり必要としないだろう。

　車外でシャワーが使える

シャワーフォーセットは、出水口にホースを接続する。出水口はホースを取り外して蓋ができるようになっており、必要に応じてシャワーフォーセットが取り外せるようになっている。

シンクの下には各13Lの給排水タンクが収納されている。リアゲートを開けると、車外から直接出し入れできそうだ。

車外でシャワーが使えるので、遊んだ後の手足を洗ったり、ペットの脚を洗ったりするのに便利だ。


冷蔵庫/電子レンジ

　12Lのポータブル冷蔵庫

冷蔵庫は12Lのポータブル冷蔵庫がオプション設定されている。これは、3列目シートの下に収まる高さでうまく収納でき、車内で邪魔になることは無い。この冷蔵庫は100Vと12Vの電源が使用できる。ただし100Vのコンセントはオプションで、左側収納家具の下に用意される。

電子レンジは想定されていない。ただし、インバーターは選択できるようなので1500W以上のインバーターを装備して、電子レンジを動作させることはできるだろう。ただ、電子レンジはC's NEXのコンセプトにはあっていないし、これを望むユーザーも多くはないだろう。


多目的ルーム

C's NEXに多目的ルームは無いが、ポータブルトイレを後部ベッド下に積んでおくことは十分可能だ。子供がいるファミリーなら、子供の急なトイレにすぐに対応できる。


収納

　後部左側の収納家具

後部の両側の収納家具に扉付きの収納スペースが設けられている。扉はソフトクローズになっている。

　ベッド下は大きな収納スペース

また、ベッド下は大きな収納スペースになる。キャンプ用具なども積み込むことができる。

　ギャレー前に床下収納も用意されている

更に、床下収納も用意されている。これは8ナンバー取得のためギャレー前に1600mmの高さを確保するための仕掛けだが、もちろん収納として利用できる。


空調

暖房はFFヒーターがオプション設定されているが、冷房のオプションは設定されていない。折角の洗練されたインテリアなので、夏場も快適に過ごしたいところだ。最近では小型の本格的なクーラーが発売されているので、将来装備されることを期待したい。


テレビ/ナビ

テレビはオプションでアルパイン製のフリップダウンモニターが運転席、助手席後部のルーフに装備できる。またナビは指定のものが用意されているかは不明だが、希望のものが取りつけられるだろう。


電装系

容量は不明だが、サブバッテリーシステムが標準装備される。外部電源入力とこれによるサブバッテリー充電機能はオプション。またインバーターもオプションとなるため、サブバッテリーで100Vの家電品を使いたい場合は、インバーターを装備する必要がある。

ソーラーシステムについてはオプション設定が無いが、設置することは可能だろう。しかしC's NEXの使い方から考えると、消費電力はそれほど多くないと思われるので、重量増やコストを考えると、ソーラーシステムの必要性は少ないだろう。


価格（2021年4月現在：千円台切り上げ：税込）

スーパーGLグレードが標準で、ガソリン2WD/6ATで514万円～。付けておきたいオプションは外部電源入力と充電機能、インバーター、FFヒーターを挙げておきたい。


他モデル

ハイエースワイドミドルを使用した8ナンバーで、子供がいるファミリー向けのモデルは、アネックスのファミリーワゴン（490万円～）、オーエムシーのツアーズワイドSGL（521万円～）、ティピーアウトドアデザインのHJ200WSナチュラルデザイン（471万円～）、フォーシーズのスマートキャンパー８（465万円～）等がある。

上記は全てスーパーGLグレード。


まとめ

C's NEXは日常使用でハイエースをお洒落に乗りこなし、インテリアにもこだわり、ファミリーで車中泊も楽しみたいユーザーに支持されるだろう。

このモデルは長期旅向けではなく、1～2泊の車中泊を伴う休日のお出かけに適しており、例えば遊園地やイベント会場へ前日から出かけ、車中泊して朝から楽しみ、渋滞を避けて早めに帰宅するといった使い方が考えられる。

標準ボディバージョンも含め、上質なファーストカー兼キャンピングカーとして使用できる。


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