ブリランテは日産ピーズフィールドクラフトが製作する、日産キャラバン標準幅スーパーロングをベース車にしたバンコンキャンピングカー。
同社は東京都世田谷区を拠点にする、日産車をベースにしたモデルを主にラインアップするバンコンビルダー。キャラバンベースのジェニュイン、T-7、スペースキャンパーNB-COOLsといったキャラバンベースのバンコンの他、セレナなどのワンボックスカーをベースにしたモデルもラインアップしている。
ブリランテはジャパンキャンピングカーショー2025で発表されたニューモデルで、レクビィがOEM(相手先ブランド名製造)で製作している。内部を見て分かる通り、同社のイゾラがベースになっている。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
日産キャラバンの標準幅スーパーロングをベース車にしたバンコンキャンピングカー。レクビィが同社のイゾラをベースに製作するOEMモデルで、イゾラと似たレイアウトを持つが、イゾラのような温水シャワーはオプション設定されていない。
2列目に単座のマルチモードシートを配置し、前向きに3名が乗車できるほか、2名対座のダイネットとしても使える。
冷蔵庫、電子レンジ、家庭用エアコン、FFヒーター、300Ahリチウムイオンバッテリーなどが標準装備され、クルマ旅にも対応できる充実した装備となっている。
アピールポイント
・標準幅で比較的運転しやすいボディサイズ
・洗練された上質なインテリア
・3名が前向き乗車可能
・2名対座でも大勢でもテーブルを囲めるダイネット
・後部に広い多目的ルームを配置
・横開き式冷蔵庫と電子レンジを標準装備
・家庭用薄型エアコンを標準装備
・300Ahリチウムイオンバッテリーを標準装備
ベース車とエクステリア

ブリランテのエクステリア
ベース車は日産キャラバンの標準幅スーパーロング。このベース車は標準ボディ標準ルーフより全長が長いが、ワイドスーパーロングほど長くは無い。また車幅は標準ボディと同じで、ハイルーフのため、標準ルーフ車より圧迫感が少ない。
ガソリン2WD、ディーゼル2WDと4WDが選択でき、ミッションは7速ATで、4WDはパートタイムとなっている。
インテリア

ブリランテのインテリア
ホワイトオーク長の家具色とアイボリー系のシート色の組み合わせ。 イゾラに比べてホワイトに近いインテリア色だ。どちらも洗練されたインテリアだが、イゾラにインテリアカラーの選択肢ができたと考えると、ユーザーメリットだ。
レイアウト
前部に冷蔵庫と電子レンジが収納されたギャレー、中央にダイネット、最後部に多目的ルームのレイアウト。イゾラと似ているが、電子レンジの位置が異なっているなど、多少の違いがる。

前向きにもなる2列目シート
2列目に単剤のマルチモードシートを置いて、+1名の前向き乗車ができるようにしたのは、レクビィのプラスLV+1が有名だが、「通常は二人で使っているが、たまにもう1名乗せることがある」と言った場合に前向き乗車できるので便利だ。
ダイネット

ブリランテのダイネット
2列目シートを後ろ向きにすると、2名対座のダイネットになるが、ベンチシートに3~4名程度座れるので、大勢でテーブルを囲むこともできる。
2名対座ダイネットは、テーブルを跳ね上げてベッドモードにし、2列目シートの背もたれをリクライニングすると、足を投げ出して寛ぐことができる。
ベッド

フルベッドモード
ダイネットを展開すると、1,830x1,500mmのベッドになる。1500mmの幅は、家庭用ではクィーンサイズベッドの幅(1600mm)に多少届かないが、二人で就寝するには十分広いベッドだ。
ベッド展開は、単座シートの展開があるので多少面倒だが、単座なので比較的楽にできる。後は、ベンチシートの背もたれを中央に移動するとベッド展開が完成する。
ギャレー

後部の多目的ルーム内にあるギャレー
ギャレーは、後部の多目的ルーム内に設置されているが、このモデルの最大のミステリーだ。冷蔵庫と電子レンジが前部にあるのに、なぜシンクが離れた後部にあるのか分からない。
イゾラでは、ここがシャワールームになっているため、シンクとシャワーフォーセットをここに持って来る理由があるが、調理をする場合は非常に不便なので前部にもシンクとフォーセットが設置できるオプションが用意されている。
ブリランテの場合は、ここはシャワールームとしては機能しないので、ここにシャワーフォーセットを置いておく必要は全くない。むしろ、前部のギャレーを標準にするのが妥当だろう。

各19Lの給排水タンク
各19Lの給排水タンクがシンクの下に収納されている。リアゲートを開けて車外から直接出し入れできる。
冷蔵庫/電子レンジ

85L横開き式冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫はエンゲルの49L横開き式が標準装備される。冷凍室もあるので、製氷・冷凍と冷蔵が同時に可能。クルマ旅では冷凍食品を保冷しておくのに便利だ。

電子レンジも標準装備される
家庭用の100V仕様の電子レンジが標準装備される。2000Wインバーターも標準装備されるので、外部電源のないところでも電子レンジを使うことができる。イゾラと違い、電子レンジはエントランス横のキャビネットに収納されている。
電子レンジと冷蔵庫を収納する各キャビネット間にはテーブルがかけられているが、これを跳ね上げることにより、運転席、助手席と後部との行き来が楽になる。

前部の引き出し収納
両キャビネットの間には大きな引き出し収納が用意されている。写真ではカセットガスコンロが収納されているが、比較的大きな調理用具などを収納することができる。
多目的ルーム

最後部の多目的ルーム
最後部には扉で仕切られた広い多目的ルームがある。もちろんポータブルトイレやラップ式トイレを置いてトイレルームにするとができる。イゾラとの大きな違いがこのスペースで、イゾラはここが防水されたシャワールームの位置付けなのに対し、ブリランテでは、シャワールームの機能は無い。
収納

右側のオーバーヘッド収納
ハイルーフのおかげでダイネット両側にオーバーヘッド収納が設置されているが、右側の収納は3連の扉があり大きな収納力を持つ。

左側のオーバーヘッド収納
左側にはエアコンの室内機があるため、オーバーヘッド収納は限られているが、小ぶりのオーバーヘッド収納が設置されている。

ベンチシートの下の収納
ベンチシートの下も大きな収納になっている。ここはシートの前半分が収納になっており、奥には電装系が収納されている。

シューズボックス
電子レンジの下はシューズボックスになっている。もちろん、シューズボックス以外の使い方でも良い。この収納には走行中に中のものが飛び出さないようにスライド式の扉が付いている。
空調

家庭用エアコンを標準装備
家庭用セパレートクーラー(ダイキンのリソラ)が標準装備され、後部左側に設置されている。FFヒーターとマックスファンベンチレーターも標準装備される。
テレビ/ナビ

19型のテレビが標準装備される
19型のテレビも標準装備される。 冷蔵庫の入るキャビネットとダイネットを仕切るボードに、角度を変えられるテレビアームで取り付けられている。ナビは幾つかオプションリストに掲載されているが、他のブランドでも好みのものが取り付けられるだろう。
電装系
300Ahのリチウムイオンバッテリーが標準装備される。家庭用エアコンが標準装備されているが、300Ahあれば残容量を気にしながら使う必要はないだろう。
その他の電装系としては、走行充電、外部100V電源入力とチャージャー、2000Wインバーター、250Wソーラーシステムも標準装備される。電装系としてはフル装備だ。なお、イゾラのソーラーシステムは310Wとされている。
価格(2025年3月現在:千円台切り上げ:税込)
ガソリン2WDは889万円~、ディーゼル2WDは946万円~、ディーゼル4WDは976万円~となっている。価格表はこちら。標準装備が充実しているので、付けておきたい必需装備は特に無い。オプションリストはこちら。(ナビ関連は除く)
他モデル
ブリランテに最も近いモデルは、もちろんレクビィのイゾラ(909万円~:ガソリン2WD)だが、イゾラの方が20万円ほど高価だ。
その他にはOMCのバース(643万円~)が挙げられる。これも似たレイアウトを持ち、後部の多目的ルームで簡易的な温水シャワーを設置できる。価格的には安価だが、これにはクーラー、リチウムイオンバッテリー、インバーター、FFヒーター、ソーラーシステム等は含まれていない。
まとめ
ブリランテはレクビィが製作しているだけあって、しっかりした作りでかつ洗練されたインテリアが魅力的なモデルだ。イゾラのインテリアカラーバリエーション的な存在価値もあるだろう。
イゾラは気に入っているが、シャワー設備が不要というユーザーにはもちろん最有力のお勧めモデルだが、唯一の不満点はギャレーの位置だ。多目的ルームの中にシンクとフォーセットがある意味は無く、冷蔵庫や電子レンジの近くにある方がはるかに便利だ。
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