ACSプルミエ M5.7は、RVビックフットが製作する、ハイエーススーパーロングをベース車にしたキャブコンキャンピングカー。
同社は埼玉県東松山市と北海道函館市の直営店を持つビルダーで、NV200 バネットベースのバンコンからセミフルコンまでラインアップしている。ACSプルミエ
M5.7は同社の中核を担うハイエースをベース車にしたキャブコン。
ACSはAC Systemの意味で、家電品をAC100V仕様で統一して、効率の良い電送システムとしているのがコンセプト。同時に、大容量ソーラーシステムと大容量リチウムイオンバッテリーで、強力かつクリーンな電源を目指している。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
ハイエーススーパーロングをベース車にした、キャブコンキャンピングカー。AC100Vで統一した家電製品と、大容量のソーラーシステムとリチウムイオンバッテリーで、クリーンで大容量の電源システムが特徴。
ACSシリーズで特有のホワイトでコーディネートされたインテリアは、豪華で非日常の空間を演出する。
リビングスタイルのダイネット、後部のダブルベッド、IHコンロが常設された広いギャレー、ポータブルトイレを設置できる多目的ルームなど二人旅に適したレイアウトになっている。
2025年モデルでは家庭用エアコンやリチウムイオンバッテリーが標準装備となっている。
アピールポイント
・トラックベースではないハイエースをベース車にしたキャブコン
・効率の良い100Vシステム
・大容量ソーラーシステムと大容量リチウムイオンバッテリー
・家庭用エアコンを標準装備
・ホワイトでコーディネートされた豪華なインテリア
・リビングスタイルのダイネットで二人旅に最適なレイアウト
ベース車とエクステリア
ACSプルミエ M5.7のエクステリア
ベース車はトヨタ ハイエーススーパーロング キャンパー特装車。特装車なので、ボディ同色バンパー、メッキグリルとサイドミラー、中央にコンソールボックスの付いたフロントシートなど、ハイグレードの装備が標準となる。
このベース車にFRP製のシェルを架装。全長が5700mmのフルサイズボディになっている。ハイエースワイドボディをベース車にしたキャブコンモデルは10モデルほど存在するが、スーパーロングを採用しているのは、セキソーボディのトムバロンとトムタンデム、そしてこのACSプルミエ
M5.7くらいだ。
最小回転半径などの取り回しはワイドミドルルーフには及ばないが、その余裕のある室内は大きな魅力だ。
インテリア
ACSプルミエ M5.7のインテリア
ACSシリーズ共通の、ホワイトでコーディネートされたインテリアが特徴。非日常な空間を演出している。無機材を使用した家具は高級感がある。
間接光とスポットライトで構成された照明。
照明は、間接光とスポットライトで構成。スポットライトは、曲線を使ったデザインボードに埋め込まれており、豪華な夜の室内を演出している。
レイアウト
ACSプルミエ M5.7のレイアウト
前部にダイネット、中央にギャレーと多目的ルーム、後部に横置きダブルベッドの構成。ダイネットがロングソファスタイルなので、前部から後部までの動線が通り車内を移動しやすい。運転席、助手席から後部への移動も容易だ。
ダイネットにも4名が乗車できるので、乗車定員は6名、就寝定員は、後部ダブルベッドに2名、ダイネットを展開したベッドに1名で、計3名となっている。
即ち、3名でのクルマ旅が可能だが、横座りでの長距離乗車は疲れるし、ダイネットをいちいち展開してベッドにする作業は理想的ではない。総合的に見ると、このレイアウトはやはり2名でのクルマ旅に向いているだろう。
ダイネット
リビングスタイルのダイネット
ACSプルミエ M5.7の特徴のひとつは、やはりこのリビングスタイルのダイネットだろう。対面には単座の横座りシートもあり、大勢でテーブルを囲むことができる。もちろん2名ならゆったり寛ぐことができ、「優雅な」という言葉通りの空間だ。
ベッド
後部のダブルベッド
後部のダブルベッドは、1830x1150mmの大きさ。これは家庭尾用では、ほぼセミダブルベッドの幅に相当する。ベッドマットは厚めのものを採用。寝心地は良さそうだ。
ダイネットベッド
ダイネットを展開すると、1800x750mmのベッドになる。ここでは大人が1名就寝できる。ベッド展開はシートをずらして背もたれを移動するだけなので、就寝前に大きな労力は必要ない。
ギャレー
ギャレーセクション
ギャレーキャビネットの天板にはシンクとフォーセット、そして常設のIHコンロが標準装備されている。IHコンロはもちろん100V仕様のものだが、これを使って料理をする時間が長く、かつエアコンを使う場合は、リチウムイオンバッテリーをオプションの600Ahにしておくことをお勧めする。
シンクの下の給排水タンク
シンクの下には各20Lの給排水タンクが収納されている。車外から直接タンクを出し入れすることはできないので、車内でエントランス近くまで一旦移動する必要がある。電子レンジと給排水タンクの位置が入れ替えられると良いのだが。
跳ね上げ式の調理台
ギャレーキャビネットには跳ね上げ式の調理台が用意されている。調理スペースが広くなり、旅先で調理するユーザーには重宝されるだろう。
冷蔵庫/電子レンジ
家庭用2ドア冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫は容量が表示されていないが、家庭用(100V仕様)2ドア冷蔵庫が標準装備される。これだけの大型冷蔵庫ならファミリーでのクルマ旅にも対応できるが、おそらく二人旅がメインであることを考えると、容量が大きすぎるかもしれない。
もう少し小型の冷蔵庫に変更して、空いたスペースをクローゼットや収納にできるオプションがあると良いのだが。
電子レンジと収納
電子レンジも標準装備され、すっきりとギャレーキャビネットに収納される。3000Wインバーターも標準装備されているので、外部電源が無いところでも電子レンジを使用できる。
電子レンジの下には収納が用意されている。調理用具などを収納しておくのに便利だろう。
多目的ルーム
ポータブルトイレが設置できる多目的ルーム
多目的ルームにはポータブルトイレを置いて、トイレルームにすることも可能。ポータブルトイレは8Lのものがオプションで用意されているが、最近注目されているラップ式トイレのオプションは設置されていない。電源も含め、ラップ式トイレのオプション設定が望まれる。
また、FFヒーターの温風吹き出し口が用意されていないが、これも、このクラスのモデルには欲しい機能だ。なお、温水シャワーの設定は無い。温水シャワーについては要・不要の意見は分かれるが、このクラスのモデルではオプションでの選択肢があっても良いかもしれない。
収納
ダイネット上部のオーバーヘッド収納
ダイネット上部にオーバーヘッド収納が設置されている。また、キャブ上部とエントランス上部にもオーバーヘッド収納が設置されている。更にベッドルームには左右と後部にオーバーヘッド収納が設置されており、大きな収納力がある。
エントランス横の収納
エントランス横にも収納が用意されている。シューズボックスとして便利な位置だが、シューズボックスとするなら、形状的にはオープンな棚形状の方が使いやすいかもしれない。
ベッド下の外部収納
後部のベッド下は大きな外部収納になっており、リアゲートを開けて車外から直接荷物を積み込むことができる。かさばるキャンプ用具などを積み込むのに便利だ。車内からもアクセスできる。
空調
ギャレー上部に設置された家庭用エアコン
2025年モデルには家庭用エアコンが標準装備される。300Ahのリチウムイオンバッテリーも標準装備されるようになったので、暑い日中でも実用的にエアコンが使用できる。FFヒーターとマックスファンも標準装備されるので年間を通して快適に過ごせる。
テレビ/ナビ
画面サイズは不明だが、テレビはオプションで、ダイネットとベッドルームに取り付けることができる。ナビは指定の機種がオプションで用意されているが、好みの機種を付けることは可能だろう。
電装系
2025年モデルでは300Ahのリチウムイオンバッテリーが標準装備される。リチウムイオンバッテリーはオプションで600Ahに交換可能で、寒さによる容量低下に備え、バッテリー用のヒーターも付けることができる。
その他の電装系では、走行充電、外部100V電源入力とチャージャー、3000W正弦波イオンバーターも標準装備される。ソーラーシステムは180Wのものが3枚(=540W)標準装備されるが、オプションで最大828Wまで増設できる。これだけの大容量ソーラーシステムがあれば、サブバッテリーを充電するためだけにキャンプ場やRVパークに停泊する必要は少なくなるだろう。
なお、車外用の100Vのコンセントを設置することができる。車外で電化製品を使用したい場合に便利だ。
価格(2025年7月現在:千円台切り上げ:税込)
特装車ガソリン2WDは1648万円~、4WDは1738万円~となっている。
標準装備が充実しているので、付けておきたい必需オプションは特に無い。(ナビ関連は除く)
家庭用エアコン、IHコンロ、電子レンジを長時間使用する場合は、リチウムイオンバッテリーを600Ahにグレードアップ(514,800円)した方が良いかもしれない。
他モデル
ハイエーススーパーロングをベース車にするキャブコンモデルは、セキソーボディのトムバロン(1124万円~:ガソリン2WD、1145万円~:4WD)とトムタンデム(同1075万円~、1106万円~:リチウムモデル)がある。また、ハイエースワイドロングだが、RVトラストのTR550ボレロ V-MAV(1815万円~:ガソリン4WD)も全長5mを超えるモデルだ。
まとめ
ハイエーススーパーロングをベース車にしたキャブコンモデルは、ACSプルミエ M5.7の他にはセキソーボディの2モデルしかなく、また、ワイドロングをベース車にしたモデルではボレロ
V-MAXやファンルーチェのセレンゲティ525くらいしかない。
これらのモデルのインテリアやレイアウトはACSプルミエ M5.7と異なるので、ACSプルミエ M5.7のインテリアが気に入ったら、迷うことは無いだろう。作りは高品質で高級感があり、また、装備も電装系を含め、満足できるものだ。
あえて懸案点を挙げておくと、給排水タンクがエントランスから遠い点、ラップ式トイレがオプション設定されていない点、トイレルームにFFヒーターの吹き出し口が無い点などがあるが、これらは必要に応じてオーダーできるかもしれない。
ACSプルミエ M4.7は、優雅で豪華なインテリアが特徴だが、家庭用エアコンと大容量リチウムイオンバッテリーが標準装備となって、ハードウエア面でも充実したモデルとなった。非日常な二人旅に適したモデルとしてお勧めできるモデルだ。
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