T.GlobeハイエースはT.Globeが販売する、トヨタハイエースをベース車にしたバンコンキャンピングカー。
同社は静岡県駿東郡に本拠を置くビルダーで、北米のキャンピングトレーラー「Casita(カシータ)」を国内仕様にした「T.Globe」のビルダーとして知られている。
T.Globeハイエースは、T.Globeトレーラのインテリアを気に入っているが、さまざまな理由で購入できないユーザーを対象に、ハイエースにそのテイストを展開したバンコンキャンピングカー。
製作はカトーモーターが担当しており、カシータやT.Globeのインテリアを忠実に再現している。もちろんカトーモーターの定評ある断熱技術も採用されている。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
ハイエーススーパーロングをベース車にしたバンコンキャンピングカー。T.Globeのキャンピングトレーラーのインテリアをハイエースに再現したのが特徴。FRP製の家具は特徴的で、そのテイストはT.Globeや、そのベースとなっているカシータそっくり。
前部にギャレー、後部に横座り対座ダイネットの構成で、二人旅に適したレイアウトとなっている。横開き式冷蔵庫、電子レンジ、オプションながら車載用セパレートクーラーとリチウムイオンバッテリーを搭載できるため、長期のクルマ旅にも対応する。
アピールポイント
・T.Globeやカシータのインテリアテイストを採用
・広いダイネット
・常設2口コンロを持つギャレー
・横開き式冷蔵庫、電子レンジを標準装備
・車載用クーラーとリチウムイオンバッテリーを搭載可能(OP)
ベース車とエクステリア

T.Globeハイエースのエクステリア
ベース車はトヨタハイエーススーパーロングのキャンパー特装車。特装車なので、TSS(Toyota Safety Sense)や運転席・助手席エアバッグ、リアクーラー/リアヒーター(エンジン始動中に使用可能)、イージークローザーなどの機能が標準装備される。
ボディ外側への架装は無いため、見た目は普通のハイエースと変わらない。ガソリンとディーゼルが選択でき、それぞれ2WDと4WDを選択できる。なお、ワゴンのグランドキャビン(ガソリン2WD/4WD)も選択することができる。
インテリア

T.Globeハイエースのインテリア
T.Globeハイエースはそのインテリアが最も大きな特徴だ。このインテリアが良いとか悪いとかの評価ではなく、T.Globeやカシータのインテリアを模していること自体に価値がある。
ギャレーキャビネットなどの家具はFRP製で、窓にはカーテンの代わりにブラインドを設置することができる(OP)。照明はスポットライトと間接光で、現代的なエッセンスも取り入れている。
レイアウト

二人旅に適したレイアウト
前部にギャレー、後部は広い横座り対座のダイネットになっている。ギャレーの隣に冷蔵庫を設置している収納タワーがあり、これらの前は広いスペースになっている。全てにおいて余裕のあるレイアウトで、二人ならゆったりと過ごせるだろう。
ダイネット

横座り対座ダイネット
後部は広いダイネットになっており、6名でテーブルを囲むことができる。このクルマの住人は2名だが、他のクルマの仲間が一緒に歓談するといった場合に便利なダイネットだ。もちろん2名なら、ゆったり寛ぐことができる。
ベッド

クィーンサイズ以上のベッド
ダイネットを展開したベッドサイズは1,850x1,700mm。家庭用ではクィーンサイズ以上、キングサイズベッドに迫る幅に相当し、大人3名が就任できる。ベッド展開はテーブルをベッドベースとして使用し、その上に背もたれを移動するだけで完成する。
ギャレー

ギャレーセクション
ギャレーは前部右側に配置されており、手前はエントランスなので立ち位置は広いスペースが確保されている。天板にはシンクとフォーセット、そしてシンクと一体の常設2口コンロがある。
ハイエーススーパーロングボディでも常設コンロを持つモデルは少ないが、常設コンロがあるとすぐに使用できるので大変便利だ。調理をするユーザーは重宝する。シンクに蓋をするとフラットなカウンターとして使用できる。

シンクの下の給排水タンク
シンクの下には各10Lの給排水タンクが収納されている。車外から直接タンクを出し入れするのは難しいが、エントランスに近いのと、10Lでそれほど重くないので、出し入れはそれほど苦労しないだろう。

ギャレーキャビネットの収納
ギャレーキャビネットには、多くの収納が用意されている。これは片開の扉がある収納。カセットガスボンベのホルダーが少し邪魔だが、大きな収納スペースが用意されている。

ギャレーキャビネットの引き出し収納
ギャレーキャビネットには引き出し収納も用意されている。カトラリーや小さな食器を収納しておくのに便利だ。
冷蔵庫/電子レンジ

40L横開き式冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫は40L横開き式が標準装備される。冷凍室もあるので、製氷や冷凍食品の保冷と、飲み物や食品の保冷が同時にできる。エントランスの向かいにあるので、スーパーで買った食品を冷蔵庫に入れる場合などには便利な位置だ。

電子レンジも標準装備される
電子レンジも標準装備される。展示車には写真のようにWAVEBOV ACという電子レンジが装備されていたが、これはポータブルタイプながらAC電源が必要というもの。持ち運びしないなら家庭用の電子レンジの方が遥かに安価だ。
多目的ルーム
T.Globeハイエースには多目的ルームは無いが、緊急用にポータブルトイレを積んでおくことは可能だ。
収納

電子レンジ上部の収納
ギャレー上部にオーバーヘッド収納は無いのだが、電子レンジの上部に収納が用意されている。この他にも、ギャレーの常備、冷蔵庫の下にも収納が用意されている。

最後部の収納
最後部の上部にも収納が用意されている。高さがあまりないので、大きなものは入れられないが、タオルなどを収納しておけるだろう。
空調
展示車には設置されていなかったが、オプションで車載用セパレートクーラー(CoolStar)が設置できる。マックスファンベンチレーターは標準装備されるが、FFヒーターはオプションとなっている。
テレビ/ナビ
サイズが記載されていないが、フリップダウンモニターがオプションで用意されている。またナビもオプションで用意されている。もちろん好みのナビを取り付けることは可能だ。
電装系
標準では、100AhのAGMサイクルバッテリーが2個標準装備される。オプションで、200/300/400Ahのリチウムイオンバッテリーを設置することができる。クーラーを搭載する場合はリチウムイオンバッテリーを搭載することをお勧めする。
その他の電装系では、走行充電、外部100V電源入力とチャージャーが標準装備されている。 また、1500W正弦波インバーターと、180Wソーラーシステムはオプションで設置できる。
価格(2025年5月現在:千円台切り上げ:税込)
特装車のガソリン2WDは709万円~、4WDは737万円~、ディーゼル2WDは753万円~、4WDは781万円~となっている。また、ワゴン グランドキャビン(ガソリン)の2WDは759万円~、4WDは787万円~となっている。
付けておきたい必需オプションは、1500W正弦波インバーター(176,000円)、FFヒーター(275,000円)が挙げられる。(ナビ関連は除く)
また、クーラー(605,000円)、200Ahリチウムイオンバッテリー(440,000円)は高額ではあるが付けておきたい。180Wソーラーシステム(203,500円)もできれば付けておきたい。これらのオプションを付けると、880万円程度になる。
他モデル
T.Globeハイエースは、T.Globeのインテリアをハイエースに再現したということに価値を見出すユーザー向けであるため、同じレイアウトと言っても、あまり比較の対象にはならないだろう。
あえて挙げておくと、RVランドのランドワゴン リノ プレミアム(612万円~)、レクビィのプラスSLA/C仕様(831万円~)がある。プラスSL A/C仕様はリチウムイオンバッテリーも含めてフル装備だ。
リノプレミアムは家庭用エアコンはオプション、サブバッテリーは高性能のものが採用されているがディープサイクルバッテリーで、リチウムイオンバッテリーは設定されていない。
まとめ
装備面から見ても、横開き式冷蔵庫、電子レンジ、クーラー、リチウムイオンバッテリー、ソーラーシステムと、クルマ旅に必要なものは全て装備できる。あえて短所を探すなら、オーバーヘッド収納が欲しいし、調理するユーザーならギャレーはもう少し広い方が良いだろう。
しかし、T.Globeやカシータのインテリアが、ハイエースの室内に再現されているのは見事だ。高級感という方向ではないが、カシータのインテリアを求めるユーザーにはこれしかないだろう。
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