スマートキャンパー8S Ac-Gear(アク・ギア)は4Cs'(フォーシーズ)が製作する、ハイエース標準ボディ標準ルーフをベース車にしたバンコンキャンピングカー。
同社は千葉県千葉市に本拠を置く、ハイエース専門ビルダー。ハイエース各種ボディサイズで数多くのレイアウトをラインアップしている。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
ハイエース標準ボディ標準ルーフをベース車にしたバンコンで、ボディ外側への架装は無い。そのため、見た目は普通のハイエースなので、目立つことなく、通勤や買い物と言った日常用途に違和感なく使える。
ハイエースの中でも最もコンパクトなボディなので、街中での取り回しが容易。ファーストカーとしてミニバンのように使用できる。
2列目と3列目に各3人掛けのマルチモードシートを配置し、計8名が乗車できる。また、子供用の上段ベッドもあるので、ファミリーでの車中泊にも対応できる。
アピールポイント
・街中での取り回しが容易
・8名が乗車できる
・子供用上段ベッドがありファミリーでの車中泊が可能
・ミニギャレーを搭載し、8ナンバーに対応
・サブバッテリーを標準装備
ベース車とエクステリア

スマートキャンパー8S Ac-Gearのエクステリア
ベース車はハイエース標準ボディ標準ルーフ。ボディ外側への架装は無く、見た目は普通のハイエースなので、日常用途にも目立つことは無い。また、ノアやヴォクシーと変わらない車体サイズなので、街中での取り回しも楽だ。
展示車はGLパッケージが標準装備されていたが、DXやスーパーGLでの架装については書かれていない。(おそらく可能と思われるが)
また、これはトヨタの問題だが、助手席のエアバッグはオプション(16,500円)なので忘れず装備しておきたい。
インテリア

スマートキャンパー8S Ac-Gearのインテリア
展示車は淡いグリーンのシートと明るい木目の家具の組み合わせだったが、インテリアカラーが選択できるかは特に記載されていない。
なお、ベース車はGLパッケージなので、スーパーGLのように車内がフルトリムされていない。室内に鉄板がむき出しのところがあるので、その部分はボディーカラーがインテリアに影響する。
レイアウト

全員が3点式シートベルトを着用できる
2列目に1400mm、3列目に1000mmのREVOシートを設置。前向きにすると、運転席、助手席、その間の補助席を合わせて8名が乗車できる。なお、運転席、助手席と2列目、3列目シートは全員3点式シートベルトを着用できるのは特筆できる。
両シートをフラットにすると、ベッドモードになり2名が就寝できる。また、上段ベッドも用意されており、ここでは子供が就寝できる。
ダイネット

5名が対座できるダイネット
2列目に1400mm、3列目に1000mmのREVOシートを設置しており、2列目シートを後ろ向きにすると、5名が対座できるダイネットになる。もちろん大人5名だと窮屈だが、子供2~3名と大人2名といったファミリーなら問題ない。
また、テーブルを外して3列目シートのみフラットにすると、2列目シートをリクライニングし、足を伸ばしてリラックスすることができる。
ベッド

家庭用ダブルベッドサイズの下段ベッド
全てのシートをフラットにすると、2420x1000mm(最大幅1400mm)のベッドになる。足元(後部)は両側にキャビネットがあるので狭くなっている。2名で就寝時は、足元が多少窮屈かもしれない。
上半身(前部)は1400mmの幅があり、これは家庭用ではダブルベッドの幅に相当する

子供用の上段ベッド
上段ベッドも標準装備されており、大きさは1610x1550mm。身長方向が1800mmに達していないので、キャンピングカー要件上は子供用のベッドとなる。
ギャレー

左側後部のコンパクトなギャレー
左側のキャビネットの後部にコンパクトなギャレーが標準装備される。サイズや位置的にあまり実用的なものではないが、手洗いや小さな食器を洗うことはできる。8ナンバー取得のための装備と考えた方が良いだろう。
冷蔵庫/電子レンジ
冷蔵庫はポータブル冷蔵庫を持ち込むことになる。設置場所が決まっているわけではないが、最後部のラゲッジスペースに置くのが適当だろう。ただし電源はエントランスの隣にあるので多少遠い。
なお、電子レンジは想定されていない。
多目的ルーム

最後部のラゲッジスペース
多目的ルームはもちろん無いが、緊急用にポータブルトイレを置いておくことはできる。最後部のラゲッジスペースは、背の高いポータブルトイレも置くことができる。
収納

両側のキャビネットに扉付きの収納がある
両側のキャビネットに扉付きの収納がある。あまり大きいものではないので収納できるものは限られるが、車内が小物で煩雑になるのをある程度防ぐことができる。

上段ベッド下の大きな収納スペース
ベッドモードにすると、上段ベッドの下は大きな収納スペースになる。上段ベッドを取り外すと、背の高いものも積み込むことができる。
空調
空調の情報は何も書かれていないので不明だが、おそらく暖房はFFヒーターが装備できるだろう。冷房に関しても情報は無いが、このモデルでクーラーを望むユーザーは少ないかもしれない。
テレビ/ナビ
テレビやナビに関しても情報が無いが、ナビは好みのみのものが取り付けられるだろう。テレビはハイエース用のフリップダウンモニターが市販されているので、そのようなものを取り付けることができる。
電装系
サブバッテリーは容量が書かれていないが、標準装備される。走行充電も付随して装備されると思われる。また外部電源入力と充電機能、インバーター、ソーラーシステムについての情報も書かれていないが、オプションで対応できると思われる。
価格(2023年1月現在:千円台切り上げ:税込)
スマートキャンパー8S Ac-Gearは、GLパッケージ、ガソリン2WDでの車両本体価格は、同社のサイトでは439万円~となっているが、2022年7月の展示会では4,498,000円とされていた。詳細が必要な場合は、同社にお問い合わせいただきたい。
付けておきたい必需オプションは、助手席エアバッグ(16,500円)、外部電源入力と充電機能、インバーター、FFヒーターが挙げられる。インバーターの容量(ワット数)は特に消費電力の大きな家電品は無いので、300W程度のものでも構わない。
他モデル

VR470はバタフライシートを採用
ハイエース標準ボディ標準ルーフで2列目と3列目にマルチモードシートを持つモデルで、スマートキャンパー8S Ac-Gearに近いコンセプトを持つモデルは、バンレボのVR470Type2(427万円~:GLパッケージ)とケイワークスのオーロラ スタークルーズ エヴァンス ナロー(637万円~:スーパーGL)が挙げられる。
ホワイトハウスのコンパスビッツ標準ルーフ(479万円~:GLパッケージ)もあるが、ギャレーはある程度実用性があり、冷蔵庫もビルトインできることから、もう少し装備が充実したモデルを望むユーザー向けだ。
オーロラ スタークルーズ エヴァンス ナローは、レイアウトこそスマートキャンパー8S Ac-Gearに似ているが、高級感のあるインテリア、100Ahリチウムイオンバッテリー、CTEK走行充電、外部電源入力、1500W正弦波インバーターがすべて標準装備される。また高級志向の家具が使用されており、グレード感に関してはコンセプトが異なる。
スマートキャンパー8S Ac-Gearに最も価格やコンセプトが似ているのはVR470Type2で、こちらは2列目と3列目のシートはバタフライシートになる。また、ポップアップルーフが選択できる。なお、価格が多少安価だが、サブバッテリーシステムはオプション。
まとめ
スマートキャンパー8S Ac-Gearは、シンプルな装備で、多人数が乗車できる、比較的安価なハイエース標準ボディベースのモデルを探しているユーザーにお勧めできるモデルだ。
上段ベッドも標準装備なので、大人2名と子供2~3名のファミリーでの車中泊にも対応できる。オプションの情報が少ないが、同社は比較的柔軟にオプション対応が可能と思われるので、詳細は同社に相談いただきたい。
なお、サブバッテリーが標準装備されるが、このようなモデルにはポータブル電源をプラグインできる方式の方が適しているのではないだろうか。それならユーザーが希望の容量を選べるし、車外にも持ち出せる。コスト的にも安価と思われる。
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