SIRICA(シリカ)は、L.T.キャンパーズが製作する、ダイハツ ハイゼットカーゴを使用した軽バンコンキャンピングカー。
同社は他社のキャンピングカーも販売しているが、オリジナルモデルとしてカムロードキャブコン「レガード ネオ プラス」を製作している。その同社が製作した軽キャンパーが「シリカ」だ。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
ダイハツハイゼットカーゴをベース車にした軽バンコン。軽バンコンでは一般的なフラットベッドと後部両側に収納家具を架装したレイアウトを採用する。
車名の通り、調湿機能付きベッドマットを採用しているのが特徴。就寝時に発生する湿気を吸着し、結露を抑制する機能がある。また、吸着した湿気は昼間に発散するとしている。
アピールポイント
・調湿機能付きベッドマットで車内の湿気をコントロール
・シンプルな装備
・後部両側に収納キャビネットを架装
・キャビネットが薄いため、就寝時に足元が窮屈にならない
・跳ね上げ式テーブルと、大型テーブル
ベース車とエクステリア

シリカのエクステリア
ベース車はダイハツ ハイゼット カーゴ。このベース車は2WD、4WD、5MT、CVT、ターボとグレードが用意されているが、全てのグレードを選択できる。
インテリア

シリカのインテリア
展示車は濃い家具色とベージュ系のベッドマットを採用していたが、インテリアカラーがどの程度選択できるかは不明。

メイン照明とスポットライト
右側エントランスの上にメイン照明とスポットライトが装備される。
レイアウト
フラットベッドと後部両側にルーフまで達する収納キャビネットを架装する。これは軽キャンパーによくあるレイアウトだ。ただし家具はほとんど厚さ(奥行き)が無く、従って就寝時に足元が窮屈ということは無い。

4名が乗車できる
2列目シートは畳まれており、その上にベッドボードを敷いてフラットベッドを形作っている。ベッドボードを外し、2列目シートを立てると、運転席、助手席を含め計4名が前向き乗車できる。
ダイネット

大きなテーブルをセットできる
フラットなベッドマットの上がダイネットになる、いわゆるちゃぶ台スタイルのダイネット。
後部の両側のキャビネットに跳ね上げ式のテーブルがあり、これをセットすると両側にテーブルができる。さらに、両側のテーブルに渡す形で大きなテーブルをセットすると、広いワーキングデスクが出来上がる。
ベッド

ダイネットがそのままベッドになる
ダイネットがそのままベッドになるので、特にベッドメーキングの必要はない。ベッドサイズが不明だが、ハイゼットカーゴの荷室長は最大1965mm、荷室幅は1270mmなので、家庭用ならセミダブルベッドの幅(1200mm)に相当する。
ギャレー
シリカにはギャレーは装備されていないし、オプション設定もない。 もちろん、シンプル装備がこのモデルのコンセプトなので、欠点ではない。
冷蔵庫/電子レンジ
冷蔵庫も電子レンジもオプション設定や設置スペースは用意されていない。ただし、冷蔵庫は需要があると思われ、その場合にはポータブル冷蔵庫を持ち込むことになる。設置スペースは特に用意されていないので、就寝時は助手席に移動したりする。
電源はポータブルバッテリー(OP)を使用することになる。
収納

左サイドのテーブル
後部両側にルーフまで達するキャビネットが設置されている。ただしほとんど厚みは無く、収納といっても収納ポケット的なものになっている。

右サイドのテーブル
右側のキャビネットもやはり奥行きがほとんど無いもので、収納ポケットが取り付けられているのみだ。

後部ベッドマット下の収納
後部ベッドマット下に収納スペースが用意されている。あまり深くは無いが衣類などを収納しておくことはできる。

右側エントランス上の棚
右側エントランスの上に棚が設置されている。扉が無いので、走行中に落ちそうなものは乗せることができないが、タオルや衣類などが収納できそうだ。
空調

調湿機能付きベッドマット
空調の項目に入るのかわからないが、シリカの最大の特徴が、この「調湿機能付きベッドマット」。ベッドマットの裏にいわゆるシリカゲルのシートを貼りつけたもので、L.T.キャンパーズによると、就寝時に湿気を吸収し、昼間に湿気を放出するとのこと。これにより、結露を抑えることができるとしている。
このシートの機能持続性がどの程度あるのか、一定周期で交換する必要があるのかなどは不明だが、効果は確認されているそうだ。
なお、暖房はFFヒーターがオプション設定されている。また冷房装置は特に用意されていない。
テレビ/ナビ
テレビやナビについても特に設定は無いようだが、希望によって取り付けることはできるだろう。
電装系
標準では、電装系はなにも装備されないが、オプションのポータブル電源をプラグインしてシステム電源として使用することができる。即ち、ポータブル電源を接続すると、照明などがサブバッテリー(ポータブルバッテリー)で点灯する。
この場合、もちろんメインバッテリーは消費しないので、バッテリー上がりでエンジンがかからないということにはならない。車中泊には必需の機能だ、
価格(2022年6月現在:千円台切り上げ:税込)
同社のウェブサイトには情報が無いので最新の価格は不明だが、2022年6月の展示会では、パートタイム4WD/4ATの車両本体価格が249万円とされていた。
必需オプションは400Wポータブルバッテリー(46,000円)、FFヒーター(価格不明)が挙げられる。
他モデル
軽バンコンは非常に多くのモデルが各社から発売されており、また多くのモデルがシリカと同じレイアウトスタイルを採用している。この中でかなりシンプルな装備のモデルを探すと、ステージ21のリゾートデュオ バンロード(200万円~)、
AtoZのアメリアワンN-VAN ver.(249万円~)、スマイルファクトリーのオフタイムトラベラー2(価格不明)などがある。
リゾートデュオ バンロードは両サイドに家具が無い実にシンプルなモデルで価格も安価だ。またOneCoolクーラーをオプションで設置できるのも画期的だ。アメリアワンN-VAN
ver.はホンダN-VANをベース車にしているのが特徴。
オフタイムトラベラー2は両側に家具を持つが、シリカと同じ程度に薄くシンプルだが、上部にオーバーヘッド収納を持つのが特徴。シンプルと言ってもやはり収納があると車内が広く使える。
まとめ
シリカは調湿機能付きベッドマットがユニークなアイテムだが、それ以外は他の多くのモデルとあまり変わらない。結局のところ、この調湿機能がどの程度有用かによるが、もし効能書き通りであれば結露に悩まされているユーザーには朗報だ。
調湿シートのみ販売されていれば、他モデルのユーザーも試せるのだが。。
関連記事