レガードネオプラスは、LTキャンパーズが販売する、トヨタカムロードをベースにしたキャブ・コンバージョンキャンピングカー。オリジナルの「レガード」は横浜モーターセールスが製作している。LTキャンパーズは、レガードに家庭用エアコンやプルダウンベッドを標準装備し「レガードネオプラス」として販売している。
レガードおよびレガードネオプラスの特徴は、低重心とそれによる安定性だ。また、シャシーを205mm延長しており、前後のタイヤにかかる負荷を最適にしている。これらのことにより、他のカムロードキャブコンとは一線を画した走行安定性の高さがレガードのウリになっている。
対座ダイネットと後部常設2段ベッドの組み合わせ
エクステリアはバンクのない独特のフォルムで、空気抵抗の少ないスタイリッシュなフォルムを持つ。しかしこのボディの真価はそのシャシーで、205mm延長し、オーバーハングの重量をバランスさせている他、フロアーユニット、ステップ、タイヤハウス、給水タンク、床下収納、シャワーパン、セカンド&サードシート台座まで一体成形し、徹底した低重心化を図っている。
なお、レガードネオプラスにはエアロバンパーなどのエクステリアアクセサリーも標準装備している。
インテリアは、特別高級感があるわけではなく、オーソドックスな作りとなっている。ビデオの展示車は家具に明るい木目板を使用しているが、ダークな色合いも選択できる。
レガードネオプラスに標準装備されるプルダウンベッド
レイアウトは、前部がダイネット、後部に横置き2段ベッド、中央にギャレーとサニタリールームを配置する。また、ネオプラスにはプルダウンベッドが標準装備され、就寝定員は6名となる。全長は5mを超えるので、余裕のある室内となっており、ファミリーで使っても狭さは感じないだろう。4名までのファミリーなら、後部の常設ベッドとプルダウンベッドで就寝できるので、ダイネットを展開する必要はない。
6名でテーブルを囲めるダイネット
ダイネットは、4名対座シートと、左サイドに2名掛けの横置きシートで構成される。2列目シートは後ろ向き固定なので、前向き乗車は4名。ダイネットテーブルは大きく、4人分の食器は余裕で並べられる。また窓は大きく、明るい室内になっている。
後部には常設2段ベッドを配置
ベッドは、後部に常設2段ベッド、ダイネット上にプルダウンベッド、そしてダイネットを展開するフロアベッドで、計6名が就寝できる。輸入モデルではプルダウンベッドは一般的だが、国産車では珍しい。プルダウンベッドは手動で上下させるが、多少コツと力がいる。また下げる場合、輸入車のようにダイネットのシートを倒す必要は無いが、頭上すぐに迫ってくるので事実上ダイネットは使えない。
また、寝具を残したまま畳むことができないのは、バンクベッドに劣る点だ。
シンクと冷蔵庫がビルトインされたギャレーコンソール
ギャレーは、最近のキャブコンでは一般的になったが、シンクのみビルトインされており、コンロは一般のカセットガスコンロをセットするスタイル。ギャレーコンソールはあまり広くないので、コンロを置いてしまうと調理スペースはほとんどない。跳ね上げ式の調理台が欲しいところだ。
冷蔵庫は65Lのものが標準装備される。また電子レンジはオプションだが、上部にすっきりとビルトインできる。キッチン専用の換気扇も標準装備される。
サニタリールームは防水処理されており、温水シャワーが標準装備される。ボイラーは22Lで、ラジエーターの熱交換と電気ヒーターで温水にする。無駄なエネルギーを使わないうえ、走行中に湯が沸くので、到着したらすぐにシャワーを使える。
専用の手洗いも用意されているが、どういう訳かカセットトイレはオプションになっている。
収納は、ダイネット上部とベッドルームにオーバーヘッド収納が用意されており、軽量化のためFRPで成形されている。ただし、軽量化に重点が置かれ、全体的に小さな収納になってしまっている。確かに軽量化は重要だが、ここは使い勝手を優先させて欲しいところだ。
ギャレーコンソールには引き出し収納が用意されており、小型の食器やカトラリー収納に便利だが、他に収納スペースがなく、調理するユーザーは鍋やフライパンなどの調理道具を収納するスペースに困るかもしれない。
2段ベッドの下は大きな収納スペースになっており、大きな荷物も積むことができる。また下段ベッドボードが跳ね上げられるようになっているので、更に大きな荷物も積むことができる。ベッド下収納には両サイドと後部からアクセスでき出し入れしやすいうえ、下段ベッドを跳ね上げると室内からも取り出すことができる。このスペースはダイネットの床面に比べ400mm下がっているため、2段ベッドでも大きな収納容積を確保している。
空調は、ベンチレーター、FFヒーターのほか、家庭用セパレートエアコンも標準装備される。エアコンはバッテリーでも駆動できるので、外部電源がなくても涼しい室内が実現でき、夏場の旅行も苦にならない。
電装系は、100Ahのサブバッテリーが3個標準装備され、走行充電、外部100V入力と充電、1500Wインバーターが標準装備される。また200Wのソーラーシステムがオプション設定される。
リチウムイオンバッテリーはオプションリストに無いが、できれば装備したいところ。標準のサブバッテリーでもエアコンは実用的な時間動かすことができるが、200Ahのリチウムイオンバッテリーでも更に長時間動かせるうえ、経年変化にも強い。
価格は820万円~(2WD/4AT:税別)。エアコンやプルダウンベッド、温水シャワーまで標準装備されているので高価だが、これらのオプションが必要なユーザーにはお得な価格だろう。ちなみに、これらのオプションが標準装備ではない「レガード」は608万円(同)からある。その差212万円。
例えば二人旅で使用する場合はプルダウンベッドは不要なので、横浜モーターセールスの「レガード」に必要なオプションのみ装着するという選択肢もある。