リゾートデュオ タイザ プロ IIはstage21が製作する、ダイハツアトレーをベース車にする軽バン・コンバージョン キャンピングカー。
同社は神奈川県相模原市に本拠を置くビルダーで、ハイエース標準ボディ標準ルーフをベース車にするリゾートデュオ レグラス プロやタウンエースベースのキャブコン、リゾートデュオ バンビーノ プラス プロといったコンパクトモデルを主にラインナップしている。
同社のモデルは多くの装備を標準にしているのが特徴で、クーラーの標準装備、あるいはオプションでの設置を積極的に進めている。標準装備が充実している割に価格が比較的安価なのも特徴となっている。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
ダイハツアトレーをベース車にした軽4ナンバーの軽バンコン。その名の通り、対座スタイルのダイネットを持つ。収納されているアトレーの2列目シートを立てると、通常の軽バンと同様に計4名が前向き乗車できる。
ポータブル冷蔵庫、電子レンジ、クーラー、リチウムイオンバッテリー、外部電源チャージャー、ソーラーシステムなど、ほとんどの主要装備が標準となっている。前モデルのリゾートデュオタイザプロに、電子レンジが追加で標準装備となった。
アピールポイント
・ポータブル冷蔵庫に加え、電子レンジを新たに標準装備
・車載用セパレートクーラーと100Ahリチウムイオンバッテリーを標準装備
・灯油式FFヒーターを標準装備
・外部電源入力とチャージャー、1500W正弦波インバーターを標準装備
・180Wソーラーシステムを標準装備
・フルセグカーナビと15インチモニターを標準装備
ベース車とエクステリア
リゾートデュオ タイザ プロ IIのエクステリア
ベース車はダイハツアトレーRXグレード。ダイハツハイゼットカーゴ クルーズ、あるいはクルーズターボでも製作できる。標準ではボディ外側への架装は無いので、外観は普通のアトレーやハイゼットカーゴと変わらない。
網戸とシェードが内蔵されている
オプションで右側スライドドアの窓をアクリル2重窓化でき、アクリル窓を跳ね上げて換気することができる。このウインドウユニットには網戸とシェードが内蔵されており、スライドして変更することができる。
インテリア
リゾートデュオタイザプロIIのインテリア
展示車のインテリアカラーは写真のようにブルーを基調にしたシート地と、アイボリー調の家具の組み合わせだったが、シート地はスエード調、ビニールレザー、斑織で各種色が選択できる。
同社のモデルは特に高級感を印象付けるものではなく、手作り感が出ている個所もあるが、高級感を重視するユーザーでなければ問題はないだろう。
レイアウト
リゾートデュオ タイザ プロIIはその名の通り、対座ダイネットのレイアウトが特徴になっている。クルマ旅での団欒や、ちょっとした待ち時間のおしゃべりの場として重宝する。
軽バンコンのレイアウトは従来ベッドを兼用したちゃぶ台スタイルが定番だったが、最近では幾つか対座ダイネットを持つ軽バンコンが出てきた。対座ダイネットは、コロナ以後広まったテレワークにも適している。
4名が乗車できる
ただし、対座ダイネットの状態では乗車できない。折り畳んで収納されているアトレーの2列目シートを起こすと、運転席、助手席を合わせて計4名が前向き乗車できる。
ダイネット
リゾートデュオタイザプロIIのダイネット
ダイネットでは4名程度が対座できるが、足元のスペースも十分確保されtれいる。ただ、ポータブル冷蔵庫が足元にあるので、この位置に座ると足元が窮屈ではある。
ベッド
セミダブル幅のベッド
シートをベッド展開すると、1850x1200mmのベッドになる。1200mmの幅は、家庭用ではセミダブルベッドの幅に相当する。足元にギャレーキャビネットが飛び出ていないので、足元まで1200mmが確保されている。
65mm厚のベッドマット
ベッドマットは65mmの厚さがあり、良好な寝心地が期待できる。厚さはあるが軽量なので、ベッド展開時も大きな力を必要としない。
ギャレー
リゾートデュオ タイザ プロIIにはギャレーは装備されていない。具体的にはシンクとフォーセット、それに給排水タンクが装備されていない。クルマ旅ができないわけではないが、クルマ旅にはやはりギャレーはあった方が良いだろう。
冷蔵庫/電子レンジ
15Lポータブル冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫は15Lポータブル冷蔵庫が標準装備される。冷蔵か冷凍の切り替えも可能だ。リゾートデュオタイザプロがIIになったポイントは、シート下に収まるこの冷蔵庫にある。前モデルでは冷蔵庫は上部にあり、シート下に設置できなかった。シート下に収まる冷蔵庫を採用したことにより、電子レンジを設置できるようになった。
電子レンジも標準装備される
以前のモデルで冷蔵庫が設置されていた位置に、新たに電子レンジが標準で設置された。家庭用の100V仕様の電子レンジで、1500W正弦波インバーターも標準装備されるので、外部電源が無いところでもサブバッテリーで動作する。
収納
2列目シートの下が大きな収納スペースになっている
軽バンコンにこれだけの装備が詰まっているので、さすがにオーバーヘッド収納は設置されていないが、2列目シートの下が大きな収納スペースになっている。
中央のベッドボード下が収納スペースになる
ベッドモードにすると、中央のベッドボード下が収納スペースとして使用できる。また、テーブルを後部に設置すると、就寝時の棚として使用できる。
空調
車載用セパレートクーラーを標準装備
車載用セパレートクーラー、One Cool 21が標準装備される。家庭用エアコンに比べると多少ノイジーではあるが、軽バンコンやコンパクトバンコンなら十分な冷却能力がある。
同社のサイトによると、21時(夜間)、外気温30℃、設定温度26℃、風量小で、100Ahのリチウムイオンバッテリーを使用時、10~12時間稼働したとされている。
灯油式のFFヒーターが標準装備される
暖房は灯油式のFFヒーターが標準装備される。同社の他モデルでも採用されているが、ガソリン式に比べ、ガソリンタンクの加工が不要で、安全性の面からも安心だ。灯油タンクは5Lで必要に応じて補給する必要があるが、かなり長時間使用できるようだ。
テレビ/ナビ
15インチのテレビが標準装備される
15インチのモニターが標準装備される。最後部のルーフに固定されており、2列目シートの背もたれに寄りかかって、リラックスしてテレビを観ることができる。
フルセグのナビも標準装備される
フルセグのナビも標準装備される。ナビが標準装備されているモデルは少なく、お得感が大きい。ナビのテレビ画面を先述のモニターで観ることができる。
電装系
3列目シート下の収納スペースの電装系
同社はリチウムイオンバッテリーを積極的に搭載しているが、リゾートデュオ タイザ プロIIにも100Ahのリチウムイオンバッテリーが標準装備される。その他、走行充電、外部電源入力とチャージャー、1500W正弦波インバーター、180Wソーラーシステムも標準装備される。電装系は完璧だ。
価格(2024年1月現在:千円台切り上げ:税込)
ダイハツアトレーRSベースの2WD/CVTで400万円~、4WD/CVTで415万円~となっている。ハイゼットカーゴのベース車では多少安価になり、クルーズ2WD/CVTで366万円~、4WD/CVTでは381万円~、クルーズターボではそれぞれ378万円~、393万円~となっている。
他モデル
対座ダイネットを持つ軽バンコンは多くなく、例えばパパビルドのファヴォライトボックスベースクーラーモデル(448万円~)、ナッツRVのスピナ(ノーマルルーフ258万円~、ポップアップルーフ302万円~:クリッパーGX/エブリイジョイン)、ミシマダイハツのクオッカ(ハイゼットパネルバン2WD/CVT 278万円~、4WD/CVT 296万円~)が挙げられる。
ファヴォライトボックスベースクーラーモデルは、その名のとおりクーラー(One Cool 21)が標準装備される。リチウムイオンバッテリーは200Ahで余裕がある。ただし、ポータブル冷蔵庫と電子レンジはオプション。
スピナはクーラーのオプションが設定されていないが、ポップアップルーフが選択できるのが特徴だ。クオッカは富士ひのきを使用したインテリアが特徴で、トランスフォーメーションボックスで自由なレイアウトを構成できる。One
Cool 21とリチウムイオンバッテリー(Max200Ah)はオプションで設置できるが、リゾートデュオタイザプロIIと同程度のオプションを含めると2WD/CVTで400万円を超える。
まとめ
リゾートデュオタイザプロIIは充実した標準装備と、比較的安価な価格設定が魅力のモデルだ。最もコンセプトが似ているファヴォライトボックスベース
クーラーモデルと比較しても安価なことが分かる。
ただし、高級感や完成度と言った面では他モデルに譲るところがあり、インテリアや高級感を求めるユーザーには適さないかもしれない。
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