リベロCSはキャンパー鹿児島が製作する、トヨタタウンエースをベース車にするバン・コンバージョンキャンピングカー。
同社は主にハイエースベースのバンコンを製作しているが、最近ではBeeCam(ビーカム)をベース車にしたキャブコン「タビークス」も発表している。
リベロCSは2024年に発表されたタウンエースベースのバンコンだが、2023年2月に発表されたリベロのバリエーション。ただしリベロが8ナンバーであったのに対し、リベロCSは4ナンバー登録となっている。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
トヨタ タウンエースをベース車にしたバンコン キャンピングカー。4ナンバー登録でギャレーもなく、シンプルな装備が特徴。後部にキャビネットがあるが薄型なのでベッド幅が足元で狭くならないのも良い。
コンパクトな車体で運転しやすく、2列目シートに3人掛けのマルチモードシートを設置しているため、5名が前向き乗車でき、通勤や買い物など日常用途にも使用しやすい。
後ろ向きにすると、ダイネットモードになり、ちょっとした待ち時間などでも寛ぐことができる。また、車載用クーラーと2400Whのリチウムイオンバッテリーも標準装備されるので、夏場でも快適に過ごすことができる。
アピールポイント
・コンパクトな車体で運転しやすい
・2列目にマルチモードシートがあり5名が前向き乗車できるため、日常使用も可能
・足元まで広いベッドモードで2名が就寝可能
・車載用クーラーを標準装備
・2400Whのリチウムイオンバッテリーを標準装備
・3種類の車体色を選択可能(OP)
ベース車とエクステリア
リベロCSのエクステリア
ベース車はトヨタ タウンエース。グレードは標準のDXと上級のGLが選択できる。GLではカラードバンパー、電動格納式ミラー、プライバシーガラス、運転席、助手席パワーウインドウ
、ワイヤレスロックなどが標準装備される。
両グレードとも2WDと4WDのどちらも4ATが選択できる。全車にTSS(Toyota Safety Sense)を標準装備。ボディカラーはホワイトが標準だが、オプションでベージュメタリック(上の写真)とグレーメタリック、そしてブルーメタリックが選択できる。(各40万円)
インテリア
リベロCSのインテリア
淡いグリーンのシートカラーと明るい木目の家具の組み合わせ。照明はシーリングボードに埋め込まれたスポットライトで、お洒落な感じの室内になっている。インテリアカラーが変更できるかの情報は無い。
照明はシーリングボードに4個のLEDスポットライトが埋め込まれ、高級感のある作りになっている。
リベロのインテリア
ちなみに、リベロのインテリアは、シート地は同じだが家具色は濃い木目が採用されている。
レイアウト
2列目に3名掛けのマルチモードシートを配置する。前向きにすると運転席、助手席を含め5名が前向き乗車できる。また、後ろ向きにすると、L字型、あるいはコの字型のダイネットになる。
後部両側にはキャビネットが設置されている。リベロではギャレーがあったがリベロCSではギャレーは無く、薄型のキャビネットになっている。
ダイネット
リベロCSのダイネット
2列目シートを後ろ向きにすると、L字型、あるいはコの字型のダイネットになる。テーブルは足を短くすると、ベッドモードでちゃぶ台スタイルにしても使用することもできる。
ベッド
リベロのベッド
上の写真はリベロのベッドモード。キャビネットの奥行きがあるので、足元のベッド幅が狭くなっている。リベロCSではギャレーが無いためキャビネットの奥行きが浅く、そのためベッド幅が受ける影響は少ない。
ギャレー
リベロのギャレー
リベロCSにギャレーは無い。上の写真はリベロのギャレー。
冷蔵庫/電子レンジ
リベロCSには冷蔵庫も電子レンジもオプション設定は無い。冷蔵庫が必要な場合はポータブル冷蔵庫を持ち込むことになる。
収納
ベッド下の収納スペースと扉付きの収納
ベッド下は大きな収納スペースとして使える。また、右側には扉付きの収納が用意されている。リアゲートを開けると、車外からも簡単にアクセスできる。
空調
車載用セパレートクーラーを標準装備
リベロCSには車載用セパレートクーラーが標準装備される。シンプルな装備なのにクーラーが標準装備と言うのは不思議な気がするかもしれないが、夏場で最も重要な装備はクーラーだということが分かる好例だ。
しかし一方、FFヒーターはオプションリストにない。冬場はキャンピングカーを使用しないユーザーでも、春先や秋口に暖房が欲しい場合が多々ある。やはりFFヒーターはオプションで用意していただきたい。
テレビ/ナビ
このモデルで特にテレビの必要性を考えるユーザーは少ないだろう。必要であれば市販のフリップダウンモニターを設置することもできるだろう。
ナビは、パイオニア製の7インチやアルパイン製10インチナビがオプションリストに用意されている
電装系
サブバッテリーは先述のように200Ah(2400Wh)のリチウムイオンバッテリーが標準装備される。クーラーが標準装備されているので、これくらいの容量のリチウムイオンバッテリーが標準装備されているのは理想的だ。
サブバッテリーの他の電装系としては、走行充電、外部100V電源入力とチャージャー、500Wインバーターが標準装備される。ソーラーシステムはオプションリストに無いが、災害時のシェルターとして用途を考えているユーザーからも要求はあるかもしれない。
価格(2024年9月現在:千円台切り上げ:税込)
最も安価なDXグレード2WDは398万円~、4WDは428万円~、GLグレード2WDは414万円~、最も高価なGLグレード4WDは442万円~となっている。
付けておきたい必需オプションは、オプションリストには無いがFFヒーターが挙げられる。(ナビ関連は除く)
オプションの価格リストはこちら。
他モデル
タウンエースをベース車にするシンプル装備のモデルはMYSミスティックのレジバンやカトーモーターのメリル、フレンドリーのペコラ、ダイレクトカーズのスープなどがあるが、いずれもクーラーの用意はない。
一方、クーラーが設置できるモデルは重装備になっている。リベロCSのようにシンプルながらクーラー(とリチウムイオンバッテリー)だけは標準装備と言うモデルは他にない。
タウンエースバンコン18モデルを特集した「タウンエースバンコン特集2024」もご参考いただきたい。
まとめ
リベロCSは、ある意味ニッチな仕様のモデルだ。即ち、シンプルな装備がウリなのに最も高価な装備であるクーラーとリチウムイオンバッテリーを標準装備している。しかし、実は非常に的を射た考え方のモデルともいえる。
今や夏場の車中泊は、クーラー無しでは過ごせない。即ち、どんなに充実した装備のモデルでもクーラーが無ければ夏場は使えない。結局、キャンピングカーは不要だったと言うことで手放すことになる。
いつも高原など涼しいところで車中泊をするというなら別だが、そうでない場合は今やクーラーは必需品だ。また、家庭のカーポートで書斎や趣味の部屋のように使う場合や、万一の災害時のシェルターとして使う子のまでも考えれば、やはりクーラーは必要だろう。
装備の少ないリベロCSは、逆に言えばクーラーが付いた最も安価なモデルともいえる。エンジンを止めていても快適な室内が得られるのは、キャンピングカーにとってフラットなベッドと同じくらい重要だ。なお、アイドリングでクルマのクーラーを長時間使うのは環境的にもマナー的にも絶対控えてほしい。
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