コンフィⅡはルートシックスが製作する、ダイハツアトレーをベース車にする軽バンコンキャンピングカー。
同社は茨城県水戸市に本拠多くビルダーで、軽バンコンを中心にラインアップしている。現在は4シリーズがラインアップされているが、コンフィシリーズはコンフィ、コンフィⅡ、コンフィⅢの3モデルが用意されている。
今回取り上げたコンフィⅡは、ダイハツアトレーをベース車にする軽バンコンで、ギャレーを持つクルマ旅に対応したフル装備モデル。更にポップアップルーフも選択できるが、アトレーでポップアップルーフが選択できるのは希少でもある。
ちなみに、コンフィはダイネットとベッドが兼用のレイアウト、コンフィⅢは後部のキャビネットを薄くしてベッド幅を広げているのが特徴。コンフィⅡはギャレーと電子レンジを搭載できる。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
ダイハツアトレーをベース車にする軽バンコンキャンピングカー。ポップアップルーフも選択できる。
対座ダイネットが特徴で、4名が対座して食事したり団欒できる。ダイネットを展開すると2名が就寝できるが、ポップアップルーフを架装するともう2名が就寝できるため、ファミリーでの車中泊も可能。
冷蔵庫や電子レンジ、クーラーやリチウムイオンバッテリーが設置でき、またソーラーシステムまで標準装備されるフル装備モデルとなっている。
アピールポイント
・ポップアップルーフを架装可能(OP)
・アクリル2重窓(OP)を含む、徹底した断熱施工
・4名が前向き乗車可能
・対座ダイネット
・シンクとフォーセットを設置
・ポータブル冷蔵庫と電子レンジ(OP)を設置可能
・車載用セパレートクーラーを標準装備
・200Ahリチウムイオンバッテリーを標準装備
ベース車とエクステリア
コンフィⅡのエクステリア
ベース車はダイハツアトレーRSターボ。上級グレードなのでオートエアコンやパワースライドドアなど上級装備が付く。スマートアシストなどの安全装備は標準となっている。(アトレーの装備一覧表はこちら)
このベース車にオプションでポップアップルーフを架装することができる。ポップアップルーフは室内高が高くなるだけではなく、換気ができたり、ルーフベッドで2名が就寝することも可能だ。ポップアップルーフがあると4名が就寝できるので、4名が前向き乗車できることを含め、ファミリーでの移動と車中泊が可能になる。
コンフィⅡでは断熱処理も標準で施工されている。サイドパネル、ルーフに断熱材を施工し、床には断熱塗装を施している。これらにより、太陽光の熱やアスファルトからの熱気や冷気を低減し、暖房や冷房効率を高めることができる。
インテリア
コンフィⅡのインテリア
展示車は上の写真のようなインテリアが使用されていたが、シートカラーは選択できる。後部には木材の温かみを生かしたキャビネットが設置されており、ナチュラルな印象を与えつつお洒落なインテリアになっている。
レイアウト
レイアウト
2列目にベンチシート、後部はベッドボードで、中央にテーブルを配置。対座ダイネットを形成する、後部両側にキャビネットを配置し、左側のキャビネットにはコンパクトなシンクとフォーセットがある。
右側のキャビネットには車載用セパレートクーラーが組み込まれている。ベッドはダイネットを展開してセットし、2名が就寝できる。ポップアップルーフを架装した場合は、計4名が就寝できる。
ダイネット
2名対座のダイネット
軽バンコンながら対座ダイネットを採用しているのが特徴。以前は、軽バンコンではベッドと兼用なちゃぶ台スタイルのダイネットしかなかったが、最近では対座ダイネットを採用する軽バンコンが増えてきた。
ただし、2列目シートはマルチモードシートではなく、簡易的なベンチシートとなっている。しかし、アトレー純正のシートが床下に格納されているので、これを起こせばプラス2名が前向き乗車できる。
また、軽バンコンの対座ダイネットは一般的に十分な高さが無いため、立膝のような格好で座ることになる。場合によってはちゃぶ台スタイルの方が楽な姿勢を取れることもあるかもしれない。このあたりは天井高の関係から軽バンコンゆえの制限事項ではある。
ベッド
ダイオネットベッド
ダイネットを展開したベッドは、1800x1250ミリの大きさ。足元は両側にキャビネットがあるので幅は1000ミリと狭くなる。1250ミリは家庭用ではセミダブルベッドの幅より広く、大人が2名が就寝できる。
ダイネットからベッドへの展開は非常に簡単で、テーブルを取り外し、2列目の後ろ向きシートにしていたマットを移動するだけ。テーブルとポールはベッド下に収納できるので邪魔になることはない。
ルーフベッド
ポップアップルーフを架装したモデルでは、ポップアップルーフをアップしベッドボード並べると、大人2名が就寝できるルーフベッドになる。
ギャレー
ギャレーセクション
左側のキャビネットにはコンパクトなシンクとフォーセットが設置されている。
シンクの下には各10Lの給排水タンクが収納されている。車外から直接タンクを出し入れするのは難しいかもしれないが、10Lなのでそれほど難しくないだろう。
冷蔵庫/電子レンジ
15Lポータブル冷蔵庫(OP)
冷蔵庫は15Lポータブル冷蔵庫がオプションで用意されている。。前部のベンチシート(後ろ向き用の座席)の下にすっきり収納されるので車内が狭くなることはない。ただし、シートのクッションを持ち上げなければならないので、アクセスは多少面倒だ。
電子レンジはオプションで用意されており、左側のキャビネットのシンクの隣に設置される。有孔ボードを加工する必要があり、また電源の配線も施工される。
収納
コンフィⅡの収納は、後部キャビネットとベンチシート下にあり、軽バンコンとしては充実している方だ。
右側キャビネットの下側の収納
右側のキャビネットには上下に収納があり、下側の収納は多少大きめ。
右側キャビネットの上側の収納
上側の収納は高さが無いので小物の収納に便利だろう。
ベンチシート下の収納
前部のベンチシートの下も収納になっている。右側(写真の奥側)は先述の冷蔵庫が収納されているが、これはオプションなので選択しない場合はここも収納として使える。この収納は横がオープンになっており、上部のシートマットを持ち上げなくても横から収納できる。
ベッド下の収納
ベッドモードにすると、ベッド下のスペース(テーブルが立っていたところ)も収納として使える。
後部ベッド下の収納
後部のベッド下の左側も収納になっている。面積は広いが高さが無いので収納できるものは限られるが、有用な収納スペースだ。
ベンチシート下のシューズボックス
ベンチシート下は収納になっているが、さらにその下にも収納スペースが設けられている。シューズボックスなどとして使えるだろう。
空調
クーラーが標準装備される
後部の右側のキャビネットには、化粧板が付いているので分かりにくいが、12Vの車載用セパレートクーラーが標準装備されている。200Ahのリチウムイオンバッテリーも標準装備なので、実用的に使用できる。
FFヒーターの吹き出し口
暖房はFFヒーターが標準装備される。温風の吹き出し口は左側キャビネットの前部にあるが、ベッドモードにしてもベッドの下に隠れない構造になっている。ハイエースベースのバンコンなどではよくある欠点だが、コンフィⅡではそのようなことはない。昨今では冷暖房ともほぼ必需装備なので、これらが標準装備されているのはユーザー目線に立った合理的な仕様だ。
テレビ/ナビ
17型のテレビモニターがオプションで用意されている。設置位置は右側のキャビネットの前部に自在アームで取り付けができる。ナビは特にオプションで用意されていないが好みのものを取り付けできるだろう。
電装系
200Ahのリチウムイオンバッテリーが標準装備される。クーラーが標準装備なのでこれも理にかなった仕様だが、他モデルではクーラーが標準装備でもリチウムイオンバッテリーはオプションというケースも多い。
その他の電装系では、走行充電、外部電源入力とチャージャー、1000W正弦波インバーター、100Wソーラーシステムまでもは標準装備される。更にソーラーシステムはオプションで200Wまで増設可能だ。電装系は非常に充実しており、それらを標準装備としてまとめている点に設計のこだわりが感じられる。
価格(2025年11月現在:千円台切り上げ:税込)
2WDは438万円~、4WDは454万円~となっている。
付けておきたい必需オプションは、クルマ旅がメインの使用目的なら電子レンジと1500W以上の正弦波インバーターが挙げられる。予算に四tyyがあればソーラーシステムを200Wまで増設しておくとよいだろう。
他モデル
アトレーベースでダイネットが対座スタイルで、ギャレー、冷蔵庫、電子レンジ、クーラー、リチウムイオンバッテリーを装備できるモデルは、パパビルドのファヴォライトボックスダックス(440万円~)、ステージ21のリゾートデュオタイザプロⅡ(368万円~)、岡モータースのミニチュアクルーズアトレーSV(483万円~)がある。
ただし、コンフィⅡのように全てが標準装備では無い。
まとめ
コンフィⅡは、軽バンコンだからシンプル装備でできるだけ安価なもので良いというユーザーは対称ではない。軽バンコンでも充実装備で高品質なものが欲しいという、こだわりのあるユーザーが対称のモデルだ。
コンフィⅡはそのようなモデルの中でも特に標準装備と高品質感を持つモデルで、随所にアイデアが盛り込まれた意欲作でもある。軽バンコンでクルマ旅を考えている場合は外せない選択肢だろう。
短所を探すのは難しいが、一つはミニチュアクルーズアトレーSVのように、テーブルが後部に移動でき、大きな作業机になったり、就寝時に荷物棚になる機能があれば便利だっただろう。(コンフィにはその機能がある)
しかしそのようなことを含めても、コンフィⅡは総合的に大変魅力のあるモデルだ。ユーザー目線に立った様々なアイデアも的を射ている。同社のHPでは「最強」を謳っているが、看板に偽りはない。
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