ボンドポップアップルーフは、三重県津市を拠点とするダイレクトカーズが製作する、ハイエースワイドロングバンS-GLをベース車にした、バンコンキャンピングカー。ポップアップルーフを標準で架装する。

同社は数多くのハイエースバンコンをラインアップし、最近ではハイエースベースのキャブコン「モビリティホーム」や2020年にはカムロードベースのキャブコン「トリップ」もリリースした。

「ボンド」は当初ハイルーフを架装したスタイルでデビューしたが、ポップアップルーフバージョンが新たに追加された。ハイルーフ仕様のボンドの記事はこちら。

　ボンドポップアップルーフの室内（写真：ダイレクトカーズ）

コンセプト：従来のハイルーフバージョンの利点はいちいちポップアップルーフを上げ下げしなくても良い点、また断熱性が良い点が挙げられる。しかし一方、走行中はルーフの高さを気にする必要があり、パーキングに入れない場合もある。そこで、ポップアップルーフを採用することにより、機動性を向上させた。
「ボンド」は同社のモデルの中でも装備が充実した快適仕様で、冷蔵庫、電子レンジ、シンクが標準装備され、長期旅にも対応できる。

　簡単に上げ下げでき耐久背にも優れたポップアップルーフ

エクステリア：ハイエースワイドロングバンスーパーGLをベース車にしており、一般的な5x2mのパーキングスペースに駐車できる。またポップアップルーフを下ろした状態では通常のハイエースと変わらず、違和感なく通勤や買い物などの日常用途に使える。
停泊時はポップアップルーフを上げると、高い天井高で圧迫感が減少するほか、ルーフベッドでも就寝できる。

インテリア：展示車はベージュ系のシートと濃い色の家具でまとめられており、カジュアルな室内。カラーバリエーションも選択できる。

　前向きにセットできるシート（写真：ダイレクトカーズ）

レイアウト：2列目と3列目にバタフライシートを持つのが大きな特徴。前向きにすると計6名が前向き乗車できる。また2列目を後ろ向きにすると対座ダイネットになる。更にシートを畳んで前に押しやってしまうと後部は広い荷室になる。
小さな子供がいる4～5名のファミリーにも対応できるレイアウトだ。

　対座ダイネット（写真：ダイレクトカーズ）

ダイネット：2列目シートを後ろ向きにすると4名が対座できるダイネットになる。どちらのシートも1000mmの幅があるので2名が座れる。

　車外用のテーブルも用意されている（写真：ダイレクトカーズ）

また、同社のモデルに共通しているコンセプトとして、車外にセットできるテーブルがあるが、このボンドポップアップルーフも例外ではない。別のテーブルを車外に出して使えるので、ここも車外ダイネットになる。

　スライドレールでシートを移動できる（写真：ダイレクトカーズ）

また、床にはシートを前後にスライドさせることができるレールが引かれており、シートを自由な位置に動かすことができる。例えば上の写真のように、シートの前に広い遊びの空間を作ることもできる。

　シートをフラットにしたフロアベッド

ベッド：ダイネットを展開してできるフロアベッドは、960x2900mmの大きさ。長身のユーザーにも対応できる他、子供も一緒に就寝できる。

　ポップアップルーフを上げてできるルーフベッド

またルーフベッドのサイズは不明だが、一般的にワイドロングベースのポップアップルーフベッドの幅は家庭用ダブルベッドの幅（1400mm）と同程度あるので大人2名が楽に就寝できる。

　コンパクトなシンクが埋め込まれたギャレー

ギャレー：右サイドに広いギャレーコンソールが配置され、右側エントランスドア近くにコンパクトなシンクとシャワーフォーセットが配置される。シャワーフォーセットは引き伸ばして車外で使うこともできるので、ペットの足を洗ったりする場合に便利だ。
シンク下には各10Lの給排水タンクが収納されている。

冷蔵庫/電子レンジ：40L横開き式冷蔵庫を標準装備するほか、電子レンジも標準装備される。冷蔵庫は右側スライドドアを開けると、車外からもアクセスしやすい。また1500Wインバーターも標準装備されているので、外部電源がない場所でもサブバッテリーで電子レンジを使用することができる。

　ギャレーコンソールの収納

収納：ギャレーコンソールに収納スペースが用意されており、食器などを収納しておくことができる。最後部に位置するので、車外からもアクセスできる。

　ベッド下の収納スペース

また、ベッド下にも収納スペースがあり、バッグなどの荷物はここに置いておける。
更にバタフライシートを採用していることにより、畳んで最前部に寄せておくと、後部は広い荷室になる。小型の自転車も積むことができる。大人2名なら、自転車を積み、ルーフベッドで就寝できる。なお、ベッドボードは左側の家具に収納しておけるので邪魔にならない。

　後部の広い荷室（写真：ダイレクトカーズ）

空調：FFヒーターがオプションで用意されている。冷房のオプションは今のところ用意されていない。また、ベンチレーターもオプション設定は無い。

電装系：105Ahのディープサイクルバッテリーが1個標準装備される。また走行充電と、外部100V入力および充電機能も標準装備される。更に前述のように1500Wインバーターも標準装備されているので、電装系はほぼ完ぺきと言ってよい。
消費電力の多い家電としては電子レンジがあるので、多用する場合はできればサブバッテリーを増設しておくと安心できる。

　写真：ダイレクトカーズ

価格：ボンドポップアップルーフは、ガソリン2WD/6ATで598万円～。装備しておきたいオプションはFFヒーターが挙げられる。ソーラーシステムはオプション設定されていないが、自宅の駐車場に100V電源が無い場合は、ソーラーシステムの設置を相談すると良いだろう。

他車：ハイエースワイドロングのポップアップモデルは、

・オーロラシリーズ　ケイワークス　（470万円～）
・コンパス　ホワイトハウス　（614万円～）
・ディアリオワイドポップ　バンレボ　（617万円～）
・プレシャスベータ　キャンピングカー広島（556万円～）

などがあるが、この中にあってボンドポップアップルーフの特徴は、充実した装備とバタフライシートを採用したことによる広い荷室。40L横開き式冷蔵庫や電子レンジが標準装備され、長期旅にも対応できる他、広い荷室には自転車を積むことができる。

まとめ：ボンドポップアップルーフは4～5名のファミリーに最適で、二人使用なら自転車を積んで長期旅も可能だ。ポップアップルーフを下ろせば日常用途にも違和感なく使用できるので、ファーストカーとしての選択肢もありうるだろう。

なお、ボンドにはハイルーフ仕様も用意されており、これが選択できるのもメリットだろう。車高さえ受け入れられれば、車内は常に天井高が高く、断熱効果も高いので、ルーフベッドで寒さに耐えることもない。

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