ディアリオ バンテック新潟


バンテック新潟(バンレボ)はジャパンキャンピングカーショー2017でディアリオを発表した。
今回発表されたのはNV350キャラバンベースのモデルだが、ハイエースベースも選択できる。

また、ポップアップルーフの有無も選択でき、ハイエースベースの場合は標準ボディハイルーフでもオーダーできる。
標準ルーフモデルは4ナンバー、それ以外は8ナンバー登録。

レイアウトは2列目と3列目シートを対面させて対座ダイネットとしている。
また、ダイネットの横に薄型のギャレーを設置する。
2列目、3列目シートは、フロアに敷かれたロングレールに乗っており、広い範囲で前後に動かすことができる。
これにより、ダイネット着座時に足元を広く取ることもできる。


同社のモデルは後部の荷室を大きく取れるようにしたトランポ的なレイアウトが多いが、このディアリオも2列目と3列目シートがバタフライシートになっており、折りたたんで前に押しやると、後部に広い荷室が広がり、自転車などの大きな積載物を積むことができる。

ただし、その分後部両側のラックは薄型に作ってあり、このラックへの収納は限られたものになる。
後部はラックの上部にベッドボードを渡してハイマウントベッド状態にできるので、この場合はベッド下は大きな収納庫となる。

ディアリオの特徴は就寝人数が多いことが上げられる。
後部上段ベッドは1800x1500mmの大きさで、これは家庭用ダブルベッドの標準幅よりも広い。
ダイネットを展開して作るフロアベッドは、後部のラックのため幅が900mmで、規格上は1名用のベッドの大きさに留まる。


また、ポップアップルーフのルーフベッドで2名が就寝できるので、全部で6名が就寝できることになる。
ただ、ほとんどのケースでは子供連れの4名程度のファミリーなので、上段ベッドとフロアベッドで十分だし、もしポップアップルーフがあれば、ダイネットを展開せずに全員が就寝できる。

ポップアップルーフ付きにすると約100万円アップするので、かなり悩むところだが、ダイネットの展開なしに就寝できるのはやはり大きな魅力だ。
就寝前のダイネットの展開は、楽な仕事ではない。
雨が降っている場合は全て車内で行うことになり、しかも実際には人と荷物が存在するので、展示会場で見るほど簡単ではない。

ギャレーには20Lの冷蔵庫や電子レンジが標準装備されており、ちょっとした料理もできる。
2000Wの大容量インバーターも標準装備されているので、電子レンジはサブバッテリーでも使える。
電子レンジを常用することが予想される場合は、オプションの追加バッテリーを装備することをお勧めしたい。
なお、ギャレーのすぐ横に2列目シートがあるので、調理はやりやすいとは言えない。
また、冷蔵庫は20Lで家族分の食材を入れておくには小さい。
冷たい飲み物を入れておくといった使い方になるだろう。


小物収納も冷蔵庫下や電子レンジ下、あるいは左側ラックにも用意されており、食器などの収納に困ることはないだろう。
ただ、幾つかの収納部の蓋は上から下に開くようになっており、シートの位置によっては開けられないことがある。(下の写真)
スライドドアの方が良かったのではないだろうか。


ディアリオの特徴は冷蔵庫や電子レンジ(+大容量インバーター)など標準装備が充実しているところだが、標準装備はそれにとどまらない。
FFヒーターや140Wソーラーパネルまでも標準で装備されており、ユーザーにとっては嬉しい設定だ。

ディアリオは、ファミリーで遠出して2~3泊の車中泊をするような使い方が似合っている。
もちろん長期のクルマ旅も可能だが、標準ボディだけに多少の窮屈感は否めないだろう。
しかし、家族全員がゆったり就寝できるベッドと家族分の荷物が収納できるスペースも持っており、車中で寛ぐというよりは、車中泊に重きを置いたモデルと言える。

ディアリオは標準装備も多く完成度が高いモデルだが、問題は価格が高いこと。
ノーマルルーフの標準ボディモデルなら300万円台初めから400万円台初めが多いが、ディアリオは465万円(税別)、ポップアップモデルなら400万円台が中心だが、ディアリオポップアップは560万円の価格付けとなっている。(ハイエースベースは545万円)

優位点
・ハイエース、NV350の選択肢がある
・標準ボディで取り回しが良い
・ノーマル、ハイルーフ、ポップアップルーフの選択肢がある
・日常使用にも使える外観
・6名就寝可能
・ダイネットを展開せず、5名が就寝可能
・多くの標準装備品(FFヒーター、電子レンジ、冷蔵庫、2000Wインバーター、ソーラーシステムなど)
・バタフライシートを前に押しやると、トランポ的な使い方ができる

弱点
・価格が高価
・ギャレーはコンパクトで調理には向かない

ハイエースかNV350キャラバンの選択ができ、標準ボディなので取り回しも良く、スーパーなどの駐車場にも入りやすいし、コインパーキングにも難なく駐車できる。小さな子供がいるファミリーが、ミニバンから買い替えて、日常にも使い、休日は遠出して車中泊というような使い方にお勧めのモデルだ。

モデル ディアリオ ポップ
ビルダー バンテック新潟
ルーフ架装 ポップアップルーフ
ナンバー区分 8
乗車人数 5
就寝人数 6
ベース車 NV350キャラバン
ダイネット形態 対座
ベッド形態 ダイネット展開フロアベッド
後部ハイマウントベッド
ルーフベッド
サブバッテリー ○(105Ah x1)
バッテリー増設 OP
走行充電システム
外部100V入力/充電
インバーター
大容量インバーター ○(2000W)
ルーフベンチレーター OP
サンルーフ -
コンロ ○(卓上型カセットタイプ)
シンク
給水タンク ○(10L)
排水タンク ○(10L)
冷蔵庫 ○(20L)
電子レンジ
ユーティリティールーム -
ポータブルトイレ -
カセットトイレ -
カーテン/ブラインド
FFヒーター
ルームエアコン -
シャワー設備 -
温水装置 -
発電機 -
ウインドウ架装 -
アクリルウインドウ -
サイドオーニング OP
ソーラーシステム ○(140W)
全長(mm) 4,695
全幅(mm) 1,695
全高(mm) 2,100
価格 560万円~(2WD/6AT)

2017年3月現在  (○は標準装備/OPはオプション)
価格は千円台切り上げ(税別)

ディアリオの動画はこちら

2017.3.26