AZUSA(アズサ)はAtoZが製作する、ハイエーススーパーロングをベース車にしたバンコンキャンピングカー。
同社はカムロードキャブコンから軽キャンパーまでラインアップする総合ビルダー。アレンやアルファと言ったライトキャブコンを多数ラインアップする。ハイエーススーパーロングベースのバンコンでは「アメリア」がすでにあるが、アズサはもう一つのファミリー向けレイアウトを提供する。
(記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。)
概要
ハイエーススーパーロングをベース車にしたバンコンキャンピングカー。2列目にマルチモードシートを配置し、後部にはベンチシートと2名の対座ダイネットを持つ。2列目シートを前向きにしたままベンチシートと2名対座ダイネットで寛ぐことができる。
以前ラインアップされていたアズサ
最後部には扉で仕切られた収納スペースを持つのが特徴。なお同社には以前ハイエース標準ボディにハイルーフを架装した同名のモデルが存在したが、今回のアズサはベース車もレイアウトも全く異なったものとなっている。
アピールポイント
・2列目シートを前向きにして計6名が乗車できる
・2列目シートをそのままにして後部でダイネットを形成
・最後部に収納スペースを持つ
ベース車とエクステリア
アズサのエクステリア
ベース車はハイエーススーパーロング特装車もしくはDXのGLパッケージ。特装車にはTPPが付かないので、自動ブレーキなど安全装置を付けたい場合はDXグレードを選択する。
ボディへは、左後部ウインドウとリアゲートウインドウのアクリル化と、右側には前部まで連なるエクステンションウインドウが架装される。エクステンションウインドウはもちろんアクリル2重窓が装備される。
インテリア
落ち着いたインテリア
展示車は上の写真のようなクラシカルなインテリアで、木目調の家具とオフホワイトのシート地が落ち着いた車内を作っている。同社の他モデルのようにネーミングされたインテリアの選択肢が今後発表されるかは不明だ。
レイアウト
2列目に2名掛けのマルチモードシートを持ち、後部にベンチシートと2名対座のダイネットを持つ、極めて珍しいレイアウトが採用されている。
このレイアウトの特徴は、2列目シートを前向きにしたままでも、後部のベンチシートと2名対座シートでダイネットが形成できること。ドライブ途中の休憩でも、2列目シートをそのままにして後部で寛ぐことができる。
ベッドも2列目シートを展開することなくセット可能で、前部と後部を分けて使用することができる。
ダイネット
ベンチシートと2名対座シートのダイネット
ベンチシートと2名対座シートでダイネットを形成する。ベンチシートに3~4名が座れるので、乗車定員6名でテーブルを囲むことができる。
2列目シートの前部ダイネット
なお、2列目シートを前向きにしておくと、ギャレーに備え付けられたテーブルを使用して、ここでもちょっとした寛ぎスペースができる。ダブるダイネットのレイアウトと言っても良いかもしれない。
ベッド
後部のダイネットを展開したベッド
後部のダイネットを展開すると、1900x1680mmのベッドになる。1680mmは家庭用ではクイーンサイズベッドの幅以上で、大人3名が就寝できる。なお、ベッド展開は、ベースを引き出し、マットをスライドさせるだけで極めて簡単に行える。(ビデオはこちら)
2列目シートをフラットにした子供用ベッド
更に2列目のシートをフラットにすると、950x900mmのベッドになり、小さい子供を就寝させることができる。
ギャレー
前部右側に配置されたギャレー
ギャレーキャビネットは前部右側に配置されており、シンクとフォーセットがビルトインされている。また、テーブルは調理台としても使えるので、ちょっとした調理もできる。ただし2列目シートがあるので、調理はし難い。
シンクの下の給排水タンクと収納
ギャレーキャビネットの下には各10Lの給排水タンクが収納されている。2列目シートがあるため、タンクの出し入れは楽ではないのが残念なところだ。
冷蔵庫/電子レンジ
40L上開き式冷蔵庫が標準装備される
ギャレーキャビネットには40Lの上開き式冷蔵庫も標準でビルトインされている。電子レンジはオプション設定されているが、収納スペースは不明。おそらくギャレー上のオーバーヘッド収納を利用してビルトインできると思われる。
多目的ルーム
アズサに多目的ルームは無い。最後部の収納は、残念ながらポータブルトイレを置くスペースには足らない。また、ポータブルトイレを置くには適したレイアウトではない。レイアウト的に厳しかったと思われるが、やはり最後部のスペースはトイレルームとしても使える多目的ルームが欲しかったところだ。
同社のアメリアも多目的ルームが無いので、その選択肢としての位置付けでも良かったかもしれない。
収納
ダイネット両側にオーバーヘッド収納が設置される
ダイネット両側にオーバーヘッド収納が設置されている。
ギャレー上の収納
また、ベンチシート下には引き出し式の収納が用意されている。
最後部の大きなカーゴスペース
特徴的なのが最後部の収納で、引き戸で区切られた空間となっている。先述の通り、ポータブルトイレを置く奥行きは無いが、高さがあるので、背の高い荷物も積めそうだ、が、どのような荷物を想定しているのだろうか?
空調
オプションリストが公開されていないので詳細は不明だが、FFヒーターはオプション設定されている。ただし冷蔵装置のオプションが設定されているかは不明。展示車には装備されていなかった。しかし今どきのスパーロングのニューモデルなので期待したいところだ。
テレビ/ナビ
これもオプション設定されているか不明だが、特に設置不可能ということは無いだろう。ナビは希望のものが設置できると思われる。
電装系
105Ahのディープサイクルサブバッテリーが1個と走行充電が標準装備されるが、特に特筆されるところは無い。バッテリーの増設は不明だが、エアコンや電子レンジが無ければ1個でも問題ない。
外部100V電源入力と、これによるバッテリーの充電機能は標準装備される。また1500W矩形波インバーターが標準装備されているが、これも正弦波のものが望まれる。矩形波ではパソコンなど精密機械では使えない。(使える場合もあるがお勧めしない)
価格(2021年4月現在:千円台切り上げ:税込)
同社のサイトに価格は表示されていないので、現在の価格は分からないが、2022年7月の展示会では、2WD/6ATで616万円~となっていた。
他モデル
ハイエーススーパーロングで(他のボディスタイルでも)、このレイアウトと同じレイアウトを持つモデルは思い浮かばない。
まとめ
一般的ではないレイアウトだが、用途に合えば使いやすいレイアウトかもしれない。例えば小さな子供連れのファミリーで、クルマ旅と言うよりは車中泊を伴って行楽地や遊園地に行くような用途だ。
やはり気になるのは最後部の収納で、もう少し奥行きがあればポータブルトイレを置け、クルマ旅にも対応できたのではと思われる。
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