ダイレクトカーズは同社の厚木ショールームのオープンと同時にAmaho（アマホ）IIを発表した。アマホⅡはダイハツハイゼットトラックをベース車に使用した軽キャブコン。

従来のアマホは2021年4月のジャパンキャンピングカーショーで発表されたばかりで、早くも”Ⅱ”が発表された。ただし、アマホⅡはアマホの後継ではなく、コンセプトの異なるモデルで、アマホは”Ⅰ”と”Ⅱ”の異なったコンセプトを選択できる。

（記事中の価格は全て税込です）


コンセプト

アマホ”Ⅰ”が女性を意識したインテリアだったのに対し、アマホⅡは男性好みのインテリアとし、また車中泊と言うより、アウトドアアクティビティに重点を置いた使い方を提案している。

ただしアマホで提唱されたルーフテラスコンセプトは継承しており、ルーフテントを全開にしてルーフ上で寛ぐことができる。


エクステリア

　アマホⅡのエクステリア

ベース車はダイハツハイゼットトラックで、これにシェルを架装している。更にポップアップルーフを持つほか、後部には大きなゲートを備えている。

展示車には自転車（前輪が外してある）が積載されていたが、このような使い方が想定されているための、大きなリアゲートだ。

なお、ポップアップルーフはアマホと同様、全開にすることができ、ルーフテラスとして使用できる。


インテリア

　アマホⅡのインテリア

アマホのインテリアが女性を意識したものであったのに対し、アマホⅡでは一転して男性的なインテリアになった。大きな木目の家具と大きな柄のシートが特徴的だ。

なお、インテリアの選択肢は特に用意されていない。


レイアウト

前部には2人掛け横座りロングシートを配したダイネットがあり、ギャレーコンソールも配置されている。後部は荷室になっており、大きな荷物が積めるようになっているのが特徴。前から後ろまで妨げるものが無く移動できる。

ダイネットの端の板を後方に倒すことにより1860x530mmのベッドになり、一人が就寝できる。ルーフベッドと合わせて3名が就寝できる。

ロングシートには2名分の2点式シートベルトが用意されており、運転席、助手席を含めて計4名が乗車できる。


ダイネット

　ロングシートのダイネット

ダイネットには横座りロングシートが置かれている。展示車にはテーブルが無かったが、必要であれば取り付けることは可能だろう。


ベッド

　ベッドはルーフベッドのみ

ダイネットを展開すると1860x530mmのベッドになり、ここで1名が就寝できる。またルーフベッドの大きさは2000x1200mmなので、これは家庭用のセミダブルベッドに相当する。


ギャレー

　大きな跳ね上げ式調理台があるギャレーセクション

ギャレーコンソールにはシンクが埋め込まれており、シャワーフォーセットは引き伸ばして車外で使える。シンクには蓋が付いており、蓋をしてしまうとカウンターテーブルとして使用できる。

下には各10Lの給排水タンクが収納されている。また、跳ね上げ式の調理台も用意されているので、これをセットすると大きな調理スペースができる。調理台をセットすると相当広いテーブルになるので、ダイネットテーブルはこれで十分だろう。


冷蔵庫/電子レンジ

冷蔵庫や電子レンジはオプション設定されていないが、ポータブル冷蔵庫を持ち込むことはもちろん可能。後部の荷室部に置くと、12Vのコンセントも用意されている。

電子レンジを使うユーザーがどの程度いるか分からないが、リチウムイオンバッテリーを標準装備しているので、電源としては心配ない。持ち込む場合はDIYで設置スペースを作ることは十分可能だ。


多目的ルーム

アマホⅡに多目的ルームは無いが、ポータブルトイレを後部の荷室に置くことはできる。カーテンを付けて、トイレルームにすることもできるだろう。ただ、このクルマは比較的若いユーザーが使うと思われるので、トイレを積むようなケースはあまりないと思われる。


収納

　後部の大きな荷室

室内の収納は、シートの下に用意されている。シート下の半分のスペースが収納に使え、あとの半分は電装系に充てられている。ただ食器などの小物を収納しておくスペースは無い。

しかし後部の荷室がアマホⅡの特徴で、DIYで自分好みにすることができる。オリジナルでは広い荷室で、もちろんこのまま使っても良いし、自分で収納家具を作って収納スペースにしても良い。

アマホⅡは自分の使い方に応じて最適化でき、今までの軽キャブコンに無いコンセプトを持つ。

　ポップアップルーフの小物入れ

また、ポップアップルーフを上げた状態ではアマホと同様、前部に小物収納が用意されている。就寝時に時計や眼鏡を入れておくのに便利だ。

空調

　このようなポータブルクーラーを持ち込んで冷房できる

仕様はまだ公開されていないが、アマホと同じなら、暖房はFFヒーターがオプションで装備できる。冷房は特に設定されていない。しかし、200Ahのリチウムイオンバッテリーが標準装備されているので、上の写真のようなポータブルクーラーを持ち込んで冷房することは十分に可能だ。

アマホのレビューでも書いたが、軽キャブコンでクーラーや電子レンジが無い場合、200Ahのリチウムイオンバッテリーはオーバースペックだ。しかし、ポータブルクーラーなどをユーザーが設置することを想定しているなら理解できる。特にアマホⅡは小型クーラーを置くスペースは十分にある。排気ダクトをどうするかを考える必要はあるが。


テレビ/ナビ

アマホⅡとしてオプションは発表されていないが、アマホと同じならば7型のナビ、ETC、バックカメラがオプションで設定されるだろう。テレビの設定は特にないが、スマートフォンやタブレットで視聴できるので、特に問題は無いと思われる。


電装系

　200Ahのリチウムイオンバッテリーが標準装備される

アマホと同じ200Ahのリチウムイオンバッテリーが標準装備される。その他の電装系の詳細は発表されていないが、アマホと同じなら、走行充電、外部100V電源入力と充電、更に2000Wのインバーターや185Wソーラーパネル2枚（＝370W)も標準装備されるだろう。


価格（2021年7月現在：千円台切り上げ：税込）

価格はまだ発表されていないので不明だが、参考までにアマホの価格は2WD/4ATで439万円～。内容から見てアマホより高価になる要素はあまりなさそうだ。

FFヒーターがオプションの場合は、ぜひ選択しておきたい。


他モデル

アマホの記事でも書いた通り、軽8ナンバーのキャブコンは、インディアナRVのインディ727（295万円～）、オートショップアズマのK-ai（ケーアイ：289万円～：5MT）、stage21のリゾートデュオバンビーノ（327万円～）、東和モータース販売のインディ108（325万円～）、バンショップミカミのテントむし（306万円～）、フィールドライフのバロッコ（365万円～）が挙げられる。（記述あるもの以外は2WD/AT)

上記のモデルのうち、リチウムイオンバッテリーを搭載できるモデルはアマホ/Ⅱの他に存在しない。


まとめ

ダイレクトカーズのモデルはいつもそうだが、今までになかった機能やコンセプトがある。アマホはポップアップルーフをフルオープンにし、ルーフテラスのコンセプトを打ち出したが、アマホⅡはそれに加え、後部に大きなラゲッジルームを持たせた。

ラゲッジルームを展開している場合は室内にベッドが無いので、風雨が強くルーフが上げられない場合は、就寝するスペースが無い。

しかしアマホⅡの使い方は長期旅ではなく、長くても2～3日のアウトドアのアクティビティだ。日帰りということもあるだろう。即ち、風雨が強い状況になるような場合は出かけないだけのことだ。

アマホⅡは車中泊をそれほど重要視していない、新しいカテゴリーのキャンピングカーなのかもしれない。ただ、やはりアマホ同様、そのようなユーザー層には価格が高価だ。リチウムイオンバッテリーまでも必要としないユーザーには、ノーマルバッテリーバージョンがあっても良いような気もする。


関連記事

アマホ	軽キャブコン特集	リトリートNV Pop