エアコン装備のスーパーロングバンコン-1(1/3)


今やエアコンはキャブコンのニューモデルには当たり前のように装備されるようになってきたが、バンコンでもスーパーロングクラスには装備車が増えている。
しかし、その車種の多さの割には、エアコン装備車は思ったほど多くない。

ここで言うエアコンとは、クルマのエンジンによって動作する、クルマ用のエアコンではなく、エンジンが止まっていても作動する、停泊中に使用するエアコンを指す。
家庭用セパレートエアコンが主流になりつつあるが、ウインドウエアコンや、独自の小型エアコンを搭載するモデルもある。

今年の夏の厚さを経験して、キャンピングカーにエアコンは必需品と感じられた方は多いのではないだろうか?
そこで、今回はハイエーススーパーロングとNV350キャラバンワイドスーパーロングをベース車にするバンコンを特集する。

リストアップしたのは、11社14モデル。
ハイエーススーパーハイルーフベースのモデルも含まれている。
なお、NV350キャラバンベースのモデルは2モデルに留まった。

全てを一度に記載するには車種が多すぎるので、1)対座ダイネットとハイマウントベッドのレイアウトを持つタイプ、2)縦置き2段ベッドやその他のレイアウトを持つタイプ、そして3)ハイルーフを架装、あるいはスーパーハイルーフ仕様のタイプの3回に分けて紹介する。

まず、対座ベッドと後部にハイマウントベッドを持つタイプ4モデルをピックアップする。このレイアウトはハイエーススーパーロングでは最も一般的なもので、多くはファミリーにもふたり旅にも対応できる。

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では、それぞれ簡単に解説しよう。


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ハイエーススーパーロングがベース車。右側のウインドウをエクステンション化しているだけでなく、左側もアクリルウインドウ化して高断熱化を図っているのがエクステリアの特徴。

レイアウトは、2列目と3列目にFASPシートを使用し、運転席、助手席も入れると6名が前向き着座してドライブできる。
後部には、1800x1480mmの横置きハイマウントダブルベッドが常設される。ダイネットを展開すると、1800x1200mmのベッドとなるので、ここでも大人2名が就寝でき、ファミリーでもゆったり就寝することができる。

 対座ダイネットとハイマウントダブルベッドで構成されたレイアウト

このモデルの大きなアドバンテージは、家庭用エアコンを含め、多くの装備が標準装備されていること。エアコンの他にも、FFヒーター、電子レンジ 、2000Wサイン波インバーター、外部100V充電、115Ahツインサブバッテリー、155Wソーラーパネル、ルーフベンチレーター、49L冷凍冷蔵庫、15.6インチ後席フリップダウンモニターなど、主要装備がほとんど標準で与えられている。両サイドのアクリルウインドウも標準装備だ。

更に、ギャレーは2口コンロとシンクがビルトインされた、本格的なもの。バンコンとしては、ほぼフル装備と言ってよいだろう。

 2口コンロ一体型シンクが設置されたギャレー

オーバーヘッド収納も両側に設置され、収納力は高い。もちろん、ハイマウントベッドの定石通り、ベッド下は大きな収納スペースとなっている。

これだけ標準装備されているので、620万円(税別)という価格も仕方がないが、フル装備のパッケージングを希望するユーザーには分かりやすいモデルだ。


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ハイエーススーパーロングとNV350キャラバンワイドスーパーロングの両方のバージョンで製作可能。多少仕様は異なるが、前部に対座ダイネット、後部に縦置きハイマウントツインベッド、中央にギャレーのレイアウト構成は同じ。

前部の対座シートは、運転席と助手席のシートバックを前に倒し、後ろ向きシートとして利用する簡易的なもので、実用面では2列目の前向きシートがメインになる。

 2列目にマルチモードシート、後部にベッドルームの構成

後部に設置されているのは、各1800x650mmのハイマウントツインベッド。ハイエースやキャラバンでツインベッドというのは他にあまり例がなく、ユニークな存在だ。
縦置きベッドなので、車幅を拡張するためのエクステンションウインドウは不要で、そのためコストも削減されている。
中央にベッドマットを設置すると1800x1700mmのダブルベッドになるが、ベッド下に冷蔵庫や電子レンジ、あるいは収納が置かれているため、これらの操作がやりにくくなる。

 後部の縦置きツインベッド

ツインベッドのコンセプトから見ても、ふたり旅で使うことが想定されており、2名でゆったりくつろぐことができるだろう。

エアコンは家庭用エアコンがオプションで用意されており、室内機はダイネット上に設置される。室外機は、後部の床下に横置きで設置される。
サブバッテリーは105Ahが2本標準装備されるが、エアコン設置時は自動的にリチウムイオンバッテリーが搭載される。通常のエアコンのオプションから比較すると高額になるが、実用的な選択と言える。

価格は465万円~(税別)で、今回の4モデルの中では最も安価。ただし、この価格にエアコンは含まれていない。エアコンセットを付けると100万円程度高くなる。派手さはないインテリアだが、40リッター冷蔵庫や電子レンジも標準装備されており、実質的なモデルと言える。



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2018.9.20