9-4. 冷蔵庫


キャンピングカーに搭載される冷蔵庫は、大きく分けて3種類あります。一つはポータブル冷蔵庫、もう一つは上開き式のビルトイン冷蔵庫、そして最後にビルトイン式の横開き式の冷蔵庫です。

 ポップ・コンeE(キャンピングカー広島)のポータブル冷蔵庫

まず、ポータブル冷蔵庫は軽キャンパーやコンパクトバンコンに多く使われます。ポータブル冷蔵庫の特徴は、小型であることはもちろんですが、必要に応じて車外に持ち出すことができます。

最近のポータブル冷蔵庫は優秀で、冷蔵はもちろんですが、冷凍や製氷もできるものが一般的です。ただし、冷凍と冷蔵が同時にできるわけではありません。例えば、水割りを飲みたいと思っても、冷蔵庫として使っていると製氷はできません。

ただし、最近ではポータブル冷蔵庫でも冷蔵室と冷凍室が分かれている製品がDometic(ドメティック)から発売されています。

ポータブル冷蔵庫を採用するキャンピングカーでは、冷蔵庫を設置するスペースを用意しているものもあります。これだと冷蔵庫が車内でかさばることはありません。冷蔵庫の置き場所が用意されていないと、昼はダイネットに、夜は助手席にと冷蔵庫を移動させなければならず、また電源コンセントが無いなど、大変面倒です。

 コンパス(ホワイトハウス)の上開き式のビルトイン冷蔵庫

次に上開き式のビルトイン冷蔵庫です。これはポータブル冷蔵庫より強力で、本格的な冷蔵庫に近いのですが、やはり冷凍と冷蔵は同時にできません。しかし、ポータブル冷蔵庫よりは容量が大きく、40L程度のものが良く使われます。

扉が上に開きますので、扉を開けた場合でも冷気が逃げにくいのも利点です。冷蔵庫はそれなりに電気を消費しますので、ディープサイクルバッテリーが1個しかないなどサブバッテリーがあまり強力でない場合は、上開き式の方が良いでしょう。

 フューチャー(ビークル)の49L横開き式冷蔵庫

最後は横開き式のビルトイン冷蔵庫です。40L以上の容量を持ち、大型のキャブコンでは90L程度の冷蔵庫も搭載されています。中には百数十リッターの2ドア冷蔵庫を積むモデルもあります。

横開き式冷蔵庫の特長は、アクセス性の良さもあります。家庭用の冷蔵庫と同じですので、内容物の出し入れがしやすく、上開き式のように上部にあるものを出さないと下部にあるものを出せないといったことはありません。

さらに大きな特長は、独立した冷凍・製氷室を持つことです。これにより冷蔵と冷凍が同時にでき、例えばジュースと冷凍食品を別々に保冷することができます。

車内で調理をするユーザーなら、できれば横開き式冷蔵庫を選択することをお勧めします。逆に飲み物だけ冷えておればよい、と言う場合はポータブルや上開き式冷蔵庫で問題ありません。