スマートキャンパー6Gはフォーシーズが製作する、ハイエーススーパーロングをベース車に使用したバンコンキャンピングカー。同社はハイエースやNV350キャラバンの専門店で、非常に多くのレイアウトを開発製造している。
「スマートキャンパー」は同社のコンプリートカーのシリーズブランドで、キャンピングカーの装備を架装したモデルをラインアップしている。
コンセプト:ハイエーススーパーロングの広い室内を利用して、ダイネットやギャレー、ベッドを持つ8ナンバーキャンピングカーながら、バタフライシートの採用により後部に広い荷室を持ち、トランポとしても活用できる。
エクステリア:エクステリアへの架装は無く、外観はノーマルのハイエースと変わらない。断熱加工が標準で施されている。

スマートキャンパー6Gのインテリア
インテリア:展示車はグリーンをアクセントカラーにしたシートでモダンながらも落ち着いた雰囲気。内装はフルトリムされており、運転席、助手席のシートも同じデザインでコーディネートされている。
レイアウト:前部に対座ダイネット、後部にハイマウントダブルベッドを配置。ダイネット横にはスリムなギャレーを装備する。シートを前に押しやってしまうと、自転車やバイクが積めるのが特徴。
ただし、スマートキャンパー6Gのレイアウトでは、後部ベッドに縦置きを採用している。そのためエクステンションウインドウは不要となりコストダウンが図れる。しかし後部ベッドをフルサイズにすると前部を侵食するため、3列目シートに座れない。
小さな子供がいるファミリーなら、後部ベッドは子供が寝るスペースだけにしておき、大人はダイネットで寛ぐ、という使い方ができる。

バタフライシートの採用で後部は広い荷室になる
ダイネット:2列目と3列目のシートは900mm幅のREVOバタフライシートを採用。2列目シートを後ろ向きにすると対座ダイネットになる。食事ができる大きさのテーブルも装備されている。2列目シートを前向きにすると、全部で6名が前向きに座ってドライブできる。

4名が就寝できるベッドモード
ベッド:後部の縦置きハイマウントダブルベッドが常設ベッドで、ベッドメイク無しにすぐに就寝できる。また、2列目と3列目シートをフラットにすると、ここでも大人が2名就寝でき、合計4名が就寝できる。

ダイネット横のギャレー
ギャレー:ダイネットサイドにスリムなギャレーが用意されている。シンクは小さく、コーヒーカップや小さな食器が洗える程度。コンロはカセットコンロが簡単にセットできる。
冷蔵庫/電子レンジ:冷蔵庫と電子レンジはオプション設定が無く、また特に設置スペースが用意されているわけではない。従って冷蔵庫はポータブル冷蔵庫を持ち込み、適当なところに固定する。なおエントランス横のコンソールに12V電源が用意されている。

後部は広い荷室になる
収納:両サイドにオーバーヘッド収納が並び、小物や食器類を収納しておくことができる。大きな荷物は後部ベッド下に収納できる。またベッドボードを後部両サイドの収納家具に収納し、バタフライシートを前に押しやると、自転車やバイクが積める大きな荷室となる。
空調:FFヒーターのオプション記載は無いが、おそらく装備できるだろう。家庭用エアコンなど冷房設備のオプションはない。
電装系:容量の記載は無いが、サブバッテリーと走行充電が標準装備される。外部電源入力はオプション。インバーターも恐らくオプションで設置できる。
価格:キャンパー特装車 2WD/6ATで449万円~(税別)オプションではFFヒーターと外部電源入力/充電機能は追加しておきたい。

他車:ハイエーススーパーロングベースでトランポとしても使用できるモデルは20車種程度あり、選択肢は豊富にある。コンセプトが近い代表的なものは以下の通り。(いずれもキャンパー特装
ガソリン 2WD/6AT:税別価格)
バージルV3 デルタリンク 380万円~
トイズボックス540 トイファクトリー 471万円~
戸井エース ナッツRV 425万円~
VR540h バンレボ 410万円~
このクラスのモデルの価格は400万円(税別)前後なので、449万円~のスマートキャンパー6Gはどちらかというと高価な方に入る。しかしバタフライシートを採用しているのはスマートキャンパーとVR540hしかなく、トランポの機能では優位性がある。
なお、同社のスマートキャンパー8+(429万円~)は、同様のレイアウトながら1200mmのREVOシートを採用し8名乗車できる。
まとめ:スマートキャンパー6Gの優位性はバタフライシートで広い荷室を確保できるトランポでありながら、キャンピングカー的な快適な室内空間を併せ持つこと。両サイドに並ぶオーバーヘッド収納は十分な収納力を持ち、車内が煩雑になるのを防ぐ。
トランポ仕様のモデルは小物収納を意識したモデルは少なく、バタフライシートとオーバーヘッド収納を併せ持つモデルはスマートキャンパーだけだ。
同社はこの他にも非常に多くのレイアウトを用意しており、かつオーダーメードも可能なので、上記のレイアウトや装備にとらわれず、自分の好み通りの1台が作れるのも魅力だ。
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