リトリートアニバーサリー２はダイレクトカーズが製作する、ハイエースワイドミドルルーフをベース車にするバンコンキャンピングカー。
同社はハイエースベースの多くのバンコンをラインアップするとともに、カムロードやハイエースベースのキャブコンも製作する総合ビルダー。
リトリートシリーズは、その中で、特にリアルウッドのインテリアを持ち、車外でギャレーやテーブルを使用できるコンセプトを持つラインアップ。
リトリートアニバーサリーは同社の厚木支店開設1周年を記念して、2022年8月に発表された、ハイエース標準ボディ標準ルーフをベース車にするモデル。リトリートシリーズがマルチモードシートを持つファミリー向けに対し、リトリートアニバーサリーシリーズは、マルチモードシートを持たない二人仕様のモデルになっている。
リトリートアニバーサリー２はリトリートアニバーサリーと同じコンセプトながら、ベース車にハイエースワイドミドルルーフを採用し、より広い室内を実現している。また、リトリートアニバーサリーとリトリートアニバーサリー2は、クラシカルな外観（OP）も特徴としている。
（記事中の価格は全て税込です。また装備や仕様に関してはビルダーでカスタマイズ可能な場合もありますので、各ビルダーにお問い合わせください。）
概要
ハイエースワイドミドルルーフをベース車にするバンコン。リアルウッドのインテリアが特徴で、横座りベンチシートのシンプルなレイアウトを持つ。二人での使用を想定している。
ワイドボディなので、クイーンサイズより広いベッドを実現。2名ならゆったり就寝ができる。車載用セパレートクーラーとリチウムイオンバッテリーを標準装備し、夏でも快適な室内を実現している。
アピールポイント
・ワイドボディを採用し、広い室内
・リアルウッドのインテリア
・簡単なベッド展開
・横開き式冷蔵庫を標準装備
・車載用セパレートクーラーとリチウムイオンバッテリーを標準装備
・レトロな外観とオールペイント（OP）
ベース車とエクステリア
リトリートアニバーサリー2のエクステリア
ベース車はハイエースワイドミドルルーフ。オプションでヘッドライト、グリル、バンパー、ボンネットなどを変更できレトロ感を出すことができる。また、オールペイントで明るいムズイロと木目調パネルのカラーリングに変更できる。（OP）
インテリア
リアルウッドのインテリア
リトリートシリーズに共通する、リアルウッドの室内が特徴。壁面から天井までリアルウッドを使用しており、山小屋のような室内を実現している。後部左右のウインドウは、クーラーとウッドパネルで埋められている。
照明は暖色系のLEDスポットライトを採用。
レイアウト
前部にギャレーを持つレイアウト
前部にギャレー、後部は横座りの対座ダイネットになっており、後部に前向きシートは持たないため、主に二人での使用に適したレイアウトとなっている。
ベンチシートには3名が乗車できるため、運転席、助手席と合わせて5名が乗車定員となる。ベッドモードにすると、大人3名が就寝定員となる。
ダイネット
横座り対座のダイネット
横座り対座のベンチシートスタイルで、5名程度が着座できる。テーブルはオプションに設定されていないが、設置することは可能だろう。
ベッド
クイーンサイズのベッド
ダイネットを展開したベッドは、2300x1700mmの大きさ。これは家庭用ではクイーンサイズのベッドの幅以上に相当する。ベッドマットにはクッション性と通気性の良い素材を採用している。
ギャレー
引き出して車外で使えるギャレー
リトリートシリーズでは、ギャレーやテーブルが車外に展開できるのが特徴のひとつとなっているが、リトリートアニバーサリー2でも、同様にギャレーが車外に引き出せるようになっている。
オートキャンプ場などで車外で食事をする場合、このギャレーを引き出しておくと、調理や洗い物が、いちいち車内に入らなくてもできるので便利だ。また、給排水タンクを車外から出し入れできる。
シンクは車内でも使える
このギャレーは、車内へ収納すると車内でもシンクが使える要になっている。調理台も広いので、車内で調理する場合も実用的に使える。
冷蔵庫/電子レンジ
40L横開き式冷蔵庫が標準装備される
リトリートアニバーサリーでは、ギャレーキャビネットの端に上開き式冷蔵庫を標準装備していたが、リトリートアニバーサリー2では後部右側に40L横開き式冷蔵庫を標準装備する。
横開き式なので、冷凍と冷蔵が同時にでき、製氷や冷凍食品の保冷が可能。もちろん飲み物などの冷蔵も同時にできる。
電子レンジはオプション設定されていないし、設置スペースも用意されていない。1500Wインバーターが標準装備されているので、ユーザーが電子レンジを持ち込むことは可能だろう。
多目的ルーム
リトリートアニバーサリー2には多目的ルームは設置されていないが、緊急用にポータブルトイレを積んでおくことはできる。ダイネットモードでは目についてしまうが、ベッドモードにしておくと、下に隠しておける。
最後部のベッド下は土台があるため収納スペースにはならない
ただし、最後部のベッドマットは、引出しを引き出してベッドベースにするため、この位置にはポータブルトイレを収納できない。
収納
ダイネット両側にオーバーヘッド収納が設置される
ギャレーキャビネットの右端に大きな収納が用意されている。ここはリトリートアニバーサリーでは上開き式冷蔵庫が設置されていたスペースで、アニバーサリー２では冷蔵庫が後部に移動したため、空き地となった。
後部の引き出し収納
前部と後部に、大きな引き出し収納が用意されている。引き出し式なので出し入れがしやすい。この引き出し収納は、ベッドモード時のベッドベースとしても使用されるもので、この上にベッドマットを乗せる
前部のベッド下収納
ベッドモードでは、ベッドボードの下が収納として使える。就寝時はベッドの下に荷物を置くと、ベッドの上が煩雑にならない。
空調
車載用セパレートクーラーを標準装備
冷房は車載用セパレートクーラーが標準装備される。200Ahのリチウムイオンバッテリーも標準装備される。外気温にもよるが、日中でも４時間程度の運転は可能だろう。夜ならもっと長時間運転できる。
FFヒーターはオプションで設置できる。なお、ベンチレーターのオプションは設定されていない。
テレビ/ナビ
10インチのフリップダウンモニターがオプションで設置できる。また、ナビもオプションで用意されている。
電装系
標準では、200Ahのリチウムイオンバッテリー、走行充電、外部電源入力と充電機能、1500W（正弦波？）インバーターが装備される。ソーラーシステムのオプション設定は無いが、取り付けは可能だろう。
価格（2023年6月現在：千円台切り上げ：税込）
DXグレード ガソリン2WD/6ATで525万円～、4WDは555万円～となっている。なお、これには外観の変更は含まれていない。
付けておきたいオプションは、FFヒーター（220,000円）が挙げられる。（ナビ関連は除く）
他モデル
リトリートシリーズを検討する場合は、やはりウッド調のインテリアがキーとなるだろう。リアルウッドのインテリアでは、ゴードンミラーモータースとワークヴォックスもラインアップを持っているが、ワイドミドルルーフのモデルは存在しない。
また、ワイドミドルルーフボディで、レイアウトが似たモデルは、キャンピングカー長野のスペースキャンパーCOOLやレクビィのソランワイドがあるが、コンセプトはリトリートアニバーサリー２とは全く異なる。
同社にはリトリートワイドミドルがあり、これはリアルウッドのインテリアを持ち、5名が前向き乗車、大人2名と子供3名が就寝できるレイアウトを持つ、ファミリー向けのモデルとなっている。
まとめ
リトリートアニバーサリー２は一般の駐車スペースやコインパーキングにも駐車できる最大のボディサイズで、室内も広く、機動性も高い。日常用途にも、車中泊を伴う遠出にも活用できる。
どの程度のユーザーが選択するか分からないが、相当高価なフロント周りの変更とオールペイントも、目を引くアイテムだ。
リトリートアニバーサリー２は、キャンピングカーというよりはお洒落に乗りこなす遊び道具と言ったカテゴリーかもしれない。
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