インディ727LはインディアナRVが製作する、ダイハツハイゼットトラックをベース車にした軽キャブコン。
同社はキャンピングトレーラーで知られるビルダーだが、唯一インディ727は自走式のキャンピングカー。姉妹車に東和モータースのインディ108がある。
インディ727には727Sと727Lがあり、レイアウトが異なる。727Sは対座ダイネットを持つのに対し、727LはL字型のレイアウトになっている。
(記事中の価格は全て税別です)
コンセプト
アルミパネルのシェルを架装して軽量化を図り、動力性能の向上に貢献するとともにと高断熱性も実現している。またポップアップルーフで計4名が就寝でき、ファミリーにも対応できる。
インディ727Sは対座レイアウトなのに対し、727Lは3列目シートが横座りシートで、L字型のダイネットとしている。
エクステリア

銀河のエクステリア
ダイハツハイゼットトラックをベース車に、アルミパネル製のシェルを架装する。アルミシェルは軽量化に貢献し、動力性能に劣る軽ベース車の動力性能をカバーしている。またの22mm硬質ウレタンがサンドイッチされており、断熱性も高い。
ウインドウは全てアクリル2重窓で、これも断熱性に貢献している。窓にはバグネットとシェードが組み込まれており、簡単に変更できる。また丸窓もアクリル2重窓で、エクステリアのアクセントになっている。
ルーフにはポップアップルーフを標準で架装している。また、ボディ色は4色から選択できる。
エントランスドアにもバグネットが組み込まれている。
インテリア

インディ727Lのインテリア
展示車のインテリアカラーは上の写真のように落ち着いた中にもカジュアルさがある。シート地や家具色が選択できるかは、特に記述されていない。
レイアウト
インディ727Lは2列目が横座りシートで、3列目が前向きシートのL字型シート配置になる。ちなみに727Sは対座スタイルになっている。
走行時、727Lは2列目に2名が横向きに座ることができ、計4名が乗車できる。ただし2列目シートは横向きに乗車するので、長距離ドライブには向いていない。ただ、727Sも2列目シートに後ろ向きに座ることになるので、あまり快適とは言えない。
どちらも計4名が乗車でき、4名が就寝できるが、長距離ドライブや車中泊は大人2名、あるいは加えて小さな子供までと考えておいた方が良い。
ダイネット

2名対座にロングシートを加えたダイネット
変則的なレイアウト見えるが、2名ならテーブルを挟んで対座することができ、横置きシートで寛ぐこともできる。
また、一人なら足を投げ出して寛ぐこともでき、意外に対座ダイネットよりも自由度が高い。
ベッド

インディ727Lのフロアベッド
シートを全てフラットにするとフロアベッドになる。ベッドサイズは1810x1000mmで規定上は大人2名が就寝できる。ただし1000mmというのは家庭用シングルベッドより少し広い程度なので、基本的には1名用だ。

インディ727Lのフールベッド
また、ポップアップルーフを上げてベッドボードを敷き詰めると、ここでも2120x1180 mmのベッドができ、規定上は2名就寝できる。
こちらは家庭用セミダブルベッドより少し狭い程度なので、フロアベッドより少し大きい。2名で使用するなら、ダイネット展開せずにルーフベッドで就寝することもできる。
ギャレー

インディ727Lのギャレー
比較的大きなギャレーコンソールが設置されており、シンクがビルトインされている。シャワーフォーセットは引き延ばし車外で使うことができる。
ポータブルカセットコンロが標準装備されているが、使用する度にセットする必要がある。ただギャレーコンソール上面は広いので、コンロを置いたり調理に使うことができる。
冷蔵庫/電子レンジ
冷蔵庫はドメティック社製の14Lポータブル温冷蔵庫がオプション設定されている。設置場所は特に用意されていないが、設置する場合は後部に12Vコンセントも用意する必要があるのでその近辺ということになる。
なお電子レンジの設定はない。
ユーティリティールーム
軽キャンパーなので当然トイレルームはないが、子供用にポータブルトイレを積んでおくのも難しいだろう。後部のシート下に収納スペースはあるが、ポータブルトイレを収納しておくだけの高さは無い。
収納

右サイドのオーバーヘッド収納(写真はインディ727S)
オーバーヘッド収納が右サイドと前部に設置されている。大きな容量ではないが、有ると無いとでは大きく異なり、ちょっとした小物や清潔なところに置きたい食器やタオルなどを収納しておくことができる。

2列目シート下の引き出し収納
また727Lでは横座りシートの下が引き出し収納になっており、こちらは大きな容量を確保している。727Sに比べ、727Lの大きなアドバンテージだ。

外部からのアクセス(OP)
更に、最後部の前向きシート下もオープンな収納スペースになっており、こちらはオプションのバゲージドアを付けると車外からもアクセスできる。開口部の大きさは大きさは800x400mm。
空調
暖房はFFヒーターがオプション設定されている。FFヒーター設置時はサブバッテリーが115Ahに変更される。(標準は80Ah)
テレビ/ナビ
ナビはダイハツ標準のものや持ち込みのものを装着できる。テレビはオプション設定されていない。
電装系
80Ahのディープサイクルバッテリーと走行充電システムが標準装備される。また外部電源入力が標準装備されるが、これによるサブバッテリーの充電機能(チャージャー)はオプション。
またサブバッテリーは115Ahにアップグレードできるほか、115Ahのツインバッテリーも可能。 400W正弦波インバーターもオプションとなる。
100Vコンセントが標準で設置されているが、これはインバーターが装着されていないと、外部電源がある場合のみ使用できる。インバーターがあれば、サブバッテリーで100V家電品が使用できる。
なお、80Wフレキシブルソーラーシステム(165,000円)もオプションで設置できる。
価格(2020年12月現在:千円台切り上げ:税別)
ハイゼットスタンダード2WD/5MTで287万円~。恐らく一般的に選択されるエクストラSAⅢt 2WD/4ATは313万円、同4WD/4ATは326万円~。
装備しておきたいオプションはナビのほか、外部電源による充電機能(41,800円)、FFヒーター(22万円)、サブバッテリー115Ahに変更(5,500円)、
400W正弦波インバーター (24,000円)が挙げられる。
他モデル
ベンチシートのレイアウトを持つポップアップルーフ付き軽キャブコンは、ケイ・アイ タイプD(298万円:2WD/5MT)、stage21のリゾート・デュオバンビーノ(331万円~:エクストラ"SAⅢt" 2WD/4AT)、バンショップミカミのテントむしSタイプ(305万円~:エクストラ"SAⅢt" 2WD/4AT)、フィールドライフのバロッコ(341万円~)がある。
その他、「軽キャブコン特集 ~10モデルを徹底比較」の記事も参考いただきたい。
まとめ
インディ727Lは軽量アルミシェルが大きなアドバンテージで、そのため動力性能に優位性が出るだろう。また、かわいらしい丸窓や選べるボディカラーも、外観から入るユーザーにはアピールする。
22mm硬質ウレタンをサンドイッチしたアルミパネルと、丸窓も含めて全ての窓がアクリル2重窓になっている点など徹底した断熱仕様も性能面で見落とせない点だ。
一方、装備面では、冷蔵庫や電子レンジといった装備は重視されておらず、長期旅に向くモデルとは言い難い。もっとも、軽8ナンバーのキャブコンでは他モデルも変わらず、軽キャブコンで冷蔵庫や電子レンジが装備できるモデルを望む場合は、普通車8ナンバー枠を選ぶ必要がある。
その意味では、軽8ナンバー枠キャブコンは重装備ではなく、気軽に近場で車中泊をするのに適しており、インディ727はそのような用途に適したモデルと言える。
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