ステップワゴンDeckOneはホワイトハウスが製作する、ホンダステップワゴンをベース車にしたミニバンキャンパー。ステップワゴンにポップアップルーフを架装し、2列目シートをフラットベッド対応のものに交換している。

同社はハイエースをベース車にした「コンパス」や、N-VANベースの「N-VAN Compo」といった軽キャンパーなどのラインアップに加え、ステップワゴンやフリードなどのミニバンをベースにしたミニバンキャンパーも製作している。

ステップワゴンDeckOneにはポップアップルーフ非架装のものや、Pop、HotPackage、Weekender、Joyのグレードがあるが、ここではポップアップルーフWeekenderを取り上げる。

（記事中の価格は全て税別です）


コンセプト

ハイエースやタウンエースなどの商用車ではなく、市販のミニバンを使用することにより、洗練された運転席周りや乗り心地が得られ、目立つことなく日常用途にも使える。

ただし荷物を積むことを想定した広い車内を持つ商用車に比べ、どうしても車内は狭くなるため、ポップアップルーフの架装も可能にしている。


エクステリア

　ステップワゴンDeckOneポップアップWeekenderのエクステリア

ベース車はホンダステップワゴンを使用。「ステップワゴン」と上級モデルの「ステップワゴンスパーダ」のどちらも選択できる。なお、ステップワゴンスパーダは3ナンバーモデルになる。

ポップアップルーフはホンダではなく、ホワイトハウスが架装する。従って、ホンダのお店では購入できないし、メンテナンスもホワイトハウスが行う。


インテリア

　フルフラットになる2列目シート

基本的にステップワゴンのインテリアが踏襲されるが、2列目シートはホワイトハウスで乗せ換えるためここだけは別カラーになる。


レイアウト

　Weekender以上に標準装備される回転フロントシート

レイアウトでユニークな点は、運転席と助手席が180度回転して後ろ向きになること。これにより停泊時にスペースを有効利用できる。また2列目シートはベッド時にフラットになるシートに乗せ換えられており、3列目シートとでフラットベッドが形成される。

なお、JOYグレードにはギャレーも装備することができ、20L冷蔵庫、電子レンジも装備できる。


ダイネット

　対座ダイネットモード（写真：ホワイトハウス）

フロントシートを後ろ向きにし、2列目シートを前向きにセットすると対座ダイネットになる。テーブルもオプションで用意されており、4名がテーブルを囲める。（フロントシート回転機構とテーブルはガソリン車のみ）

また、2列目シートをフラットにしておくと、フロントシートに座り足を投げ出して寛ぐことができる。


ベッド

　ベッドモード（写真：ホワイトハウス）

2列目シートと3列目シートをフラットにすると大人が2名就寝できるベッドになる。正確な数値は公表されていないが、ステップワゴンの室内幅は1500mmなので、家庭用のダブルベッド以上の幅がある。

　ポップアップルーフベッドでも2名が就寝できる

また、ポップアップルーフのルーフベッドでも大人が2名就寝できる。こちらも数値は無いが、大人が2名就寝しても特に窮屈なことはない。


ギャレー

Weekenderにはギャレーは装備できない。ギャレーが必要な場合はJOYグレードが用意されている。最新モデルでの写真はないが、当サイトで以前掲載したフリーデッキの記事でギャレーを参考にしていただきたい。


冷蔵庫/電子レンジ

Weekenderグレードには冷蔵庫や電子レンジは搭載できない。もちろん独自にポータブル冷蔵庫を持ち込むことは可能だ。

なお、Joyグレードには20L冷蔵庫と電子レンジが標準装備されており、長期旅にも対応できる。これも以前にリリースした記事を参照いただきたい。


ユーティリティールーム

ステップワゴンDeckOneに ユーティリティールームは無いが、子供用にポータブルトイレを積んでおくことはできる。


収納

　3列目シートを畳んで収納するとラゲッジスペースになる（写真：ホワイトハウス）

ステップワゴン自体に小物収納があるが、それ以外に小物を収納しておくところは追加されていない。

3列目シートを畳んで収納してしまうと大きなラゲッジスペースができる。更に2列目シートも前に押しやってしまうと、自転車も積めるスペースが出現する。

　2列目シートを前に移動するとさらに大きなラゲッジスペースになる（写真：ホワイトハウス）

二人で使用する場合はルーフベッドを使うと、フロアに自転車を積んだままで就寝できる。


空調

　FFヒーターのコントローラと電源コンセント

暖房は、JoyとWeekenderにFFヒーターが標準装備される。冷房は、ベース車にはクーラーがあるが、停泊時に使えるクーラーは用意されていない。


テレビ/ナビ

大型画面のテレビは特にオプションで用意されていない。ナビはホンダ純正のものや持ち込みのものが装着できる。


電装系

42Ahのサブバッテリーと走行充電が標準装備される。サブバッテリーの増設のオプションは用意されていない。なお、走行充電はCTEKが使われており、走行充電だけで満充電にすることができる。

外部電源入力はオプション（10万円）で、これによるサブバッテリーの充電機能もオプション。また、100Vコンセントは外部充電機能と一緒に取り付けられるが、インバーターはオプション設定されていない。

120Wのソーラーシステムもオプションで取り付けることができる。（19万円）


価格（2020年12月現在：千円台切り上げ：税別）

ステップワゴン 2WD Weekenderは419万円～。ハイブリッドスパーダ 2WD　Weekendeは474万円～。ギャレー、冷蔵庫、電子レンジなどが装備されるJOYは475万円～、同JOYは530万円～となっている。

装備しておきたいオプションは、外部100V電源入力で、10万円追加になる。


他モデル

ミニバンベースキャンパーはそれほど多くないが、他にもトヨタのヴォクシー、ノア、エスクァイア、あるいは日産のセレナや三菱デリカD:5をベース車にしたモデルが発売されている。ただしステップワゴンをベースにしたモデルはこれしかない。

ヴォクシー、ノア、エスクァイアベースならバンレボのMR 30thアニバーサリーとホワイトハウスのDAYｓ、セレナベースなら日産ピーズフィールドクラフトのセレナP-SV、三菱デリカD:5ベースなら西尾張三菱自動車販売のデリカD:5 D:ポップなどがある。

また、かーいんてりあ高橋のプリウスリラックスキャビンPHVや西尾張三菱自動車販売のアウトランダーPHEVなどのハイブリッド車もある。　


まとめ

ミニバンベースのキャンピングカーを選択する理由は、普通のミニバンの外観と、商用車ではない洗練された機能とインテリアが大きい。長年普通の乗用車やミニバンを乗り慣れていると、家庭の駐車場にハイエースやNV200バネットが駐車してあるのは何か違和感があるものだ。

また、商用車の運転席まわりの貧弱さが気に入らないユーザーも多いだろう。乗り心地も大きな要素だ。

さて価格面を考えると、ステップワゴンG Honda Sensing価格は247万円～。一方、ステップワゴンDeck Oneポップアップルーフは419万円～。その差は172万円となる。

この差額でポップアップルーフとベッド対応フラットシート、そしてサブバッテリー、FFヒーターなどの電装系が装備される。

200万円近い追加の出費になるが、これで週末はファミリーで車中泊ができ、旅行の自由度が格段に増し、新しい休日の過ごし方ができる。


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