ミニバンの代わりにキャンピングカーを買う
キャンピングカーが「災害時のシェルター」や「テレワーク」に使えるといったメリットが知られつつある。災害時は密になる心配なしに、あるいはペットと一緒に避難することができるし、テレワークでは子供に邪魔されずにリモート会議ができる。コロナ後は乗り合い交通機関を避けた旅の方法として注目を集めるだろう。
そこで今回は乗用車やミニバンの代わりにキャンピングカーを購入する場合、最も現実的なハイエースあるいはNV350キャラバンの標準ボディ標準ルーフモデルを特集する。
このベース車を選んだ理由は、一般のパーキングに駐車でき、高さ制限のある駐車場にも入り易く、かつ最大の室内容積が得られるからだ。更に商用車ではあるが、カスタムパーツが豊富で、お洒落に乗りこなすこともできる。
ただしこのベース車のモデルは非常に多く存在する。そこで今回は主にシンプル装備のモデル、次回はギャレーなどを装備した充実装備のモデルをピックアップする。
目 次
アウトギア:ダイレクトカーズ
ダイレクトカーズは三重県津市に本拠を置くビルダーで、ハイエースベースのバンコンを多数ラインアップしているが、最近ではトリップシリーズを中心に、カムロードベースのキャブコンやアマホのような軽キャブコンにも進出している。
アウトギアというモデルは従来から存在しているが、2021年4月のジャパンキャンピングカーショーでは、新たにハイエースの「ダークプライムⅡ」グレードをベース車にしたバージョンを発表した。
アウトギアのベッド
ハイエースはやはり商用車なので、低グレードではエアコンがマニュアルであったり、フロントシートが3人掛けであったりと、一般的なミニバンのグレード感と比較すると見劣りがする。ダークプライムⅡバージョンはトヨタがミニバンレベル同等以上のグレード感をハイエースに与え、ミニバンに代えて購入したいユーザー層を狙った特別仕様車だ。
アウトギアは、このグレードに簡易ベッドを装備して発売された。ベッドは簡易的なものだが2名が就寝できる大きさで、2列目にダークプライム純正のシートを残しているので5名が前向き乗車でき、日常はミニバンのように使用できる。
また、ベッドをアレンジするとロングシートになり、更にベッドボードを跳ね上げると自転車も積める大きなカーゴスペースになる。
大きなカーゴスペースにもなる
電装系はオプションとなるが、必要に応じてサブバッテリーや走行充電が装備できる。車中泊では夜間の照明やスマートフォンの充電などサブバッテリーがあればクルマのバッテリー上がりを心配することは無い。
キャンピング装備はベッドだけで良いが、ミニバンと同じように使え、グレード感も落としたくないユーザーにお勧めのモデルだ。
4ナンバー登録で、価格は GLパッケージグレードで、ガソリン2WD/6ATが318万円~、スーパーGLダークプライムⅡグレードで同379万円~となっている。
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GML VAN V-01:ゴードンミラーモータース
GORDON MILLERは、オートバックスセブンのオリジナルライフスタイルブランド「ジャック&マリー」の派生ブランドとして作られたブランド。ガレージライフにもこだわりを持つ人に向けた、オートバックスグループのオリジナルプロダクトブランドだ。
そして、GORDON MILLER MOTORS(ゴードン ミラー モータース)は、GORDON MILLERのエッセンスを凝縮したオリジナルカーのブランドとして設立された。オートバックスの一部の店舗で取り扱われている。
ダイネットを展開したベッド
GML VAN V-01はその中の1台で、同ブランドに共通するヘビーデューティーな機能性やルックスを備えた、ハイエースベースのモデル。アカシア(ホワイトウォールナット)のリアルウッドを貼り詰めた室内は、今流行りのバンライフを実現するクルマとしている。
2列目にマルチモードシートを配置し、6名が前向き乗車できる。またシートを後ろ向きにセットすると、後部の板の間とでテーブルを挟んだ対座ダイネットになる。
後部は常設の板張りになっており、そのままベッドとして2~3名が就寝できる広さを持つ。もちろん小さな子供やペットにとっては広い遊び場になる。
ベッドボードを取り外すと広い荷室になる
また、ベッドボードを取り外すと広い荷室になり、大きな荷物を積むことができる。
外観は同社オリジナルの丸目四灯フェイスが標準で装着され、独特のクラシックな外観となっている。
4ナンバー登録で、価格はDX グレード、ガソリン2WD/6ATが498万円~。
スマートキャンパー7S:フォーシーズ
フォーシーズは千葉県千葉市に本拠を置くビルダーで、ハイエースベースのバンコンを多数ラインアップしている。「スマートキャンパー」は同社のモデルに共通する愛称で、数字は乗車人数を表している。
後部は広い荷室になる
スマートキャンパー7sは従って7名が乗車できるモデルで、2列目と3列目にマルチモードシート(REVOバタフライシート)を配置する。バタフライシートなので、床に敷かれたレールで前方に畳むと、後部は広い荷室になるのが特徴。
インテリアは上級感があり、装備はシンプルでもインテリアにはこだわりたいユーザーにアピールする。収納家具やシューズボックスまで用意されており、ラグジュアリー感も備えている。
ベッドモードでは2名が就寝できる
2列目シートと3列目シートにはそれぞれ2名が前向き乗車でき、フロントシートの3名と合わせて7名が前向き乗車できる。またシートを全てフラットにすると、2名が就寝できる。
乗車人数7名に比べて就寝人数が2名のみなのでターゲットユーザー像が分かり難いが、2021年6月の東京キャンピングカーショーで、新たに上段ベッドを追加し計4名が就寝できスマートキャンパー7s Loftが発表されたので、ファミリーにはこちらの方が適しているだろう。
7s Lofには上段ベッドを追加
サブバッテリーと走行充電も標準装備されており、車中泊をするユーザーには電気の心配がない。
4ナンバー登録で、価格はDXグレードガソリン2WD/6ATで384万円~、ロフト仕様は417万円~。
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SEDONA TypeIII:ワークヴォックス
ワークヴォックスは京都府京田辺市に本拠を置くビルダーで、バンライフをコンセプトに、現在3モデルのハイエースバンコンをラインアップしている。
「SEDONA」は同社のラインアップに共通するブランドで、スーパーロングのSEDONA Type-IV、標準ボディ標準ルーフのSEDONA Type-IIIとSEDONA Lalesideがある。
SEDONA Type-IIIは同じベース車のSEDONA Lalesideに比べてシンプルな装備になっており、Lakesideが持つギャレーはType-IIIでは装備されていない。
古材の風合いを生かした温かみのある室内
これら3モデルに共通するインテリアコンセプトは、高級木材ブラックウォールナットをとアイアンフレームを組み合わせ、また天井には湿気や防腐に優れたレッドシダーを使用した古材の風合いを生かした温かみのある室内。シートカラーは8色から選部ことができる。
またエクステリアはあえて武骨さを強調するため、DXグレードの黒いバンパーをそのまま使用している。
レイアウトは2列目のバタフライシートと、後部の常設ベッドで構成される。ベッドマットを取り除くとリアルウッドの床で、板敷のリビングとしても使える。フロントに3名、2列目シートに3名で計6名が乗車できる。
右サイドには天井まで届く収納家具があり、左サイドは自由に使えるボードになっている。この辺りはDIYでユーザー好みに創っていくのが、楽しみのひとつでもある。
車外ギャレーとして使用できるスライドテーブル
SEDONA Type-IIIの大きな特長のひとつがスライドテーブル。リアゲートを開けスライドテーブルを引き出すと、車外でのテーブルとして、あるいはコンロを置いてギャレーとして使用できる。またスライドアウトテーブルの下は収納スペースになっており、ベッドマットを収納しておくことができる。
電装系はオプションになる。サブバッテリーと走行充電、外部電源入力と充電機能、インバーターなどを装備することができる。
4ナンバー登録で、価格はDXグレードガソリン2WD/6ATで429万円~。
BサロンワゴンS:MDNマドンナ
MDNマドンナは大阪府大阪市を拠点とするビルダーで、ハイエース、NV350キャラバンベースのバンコンや軽バンコンを製作している。モデル数はそれほど多くないが個性的な内装が特徴。
BサロンワゴンSはNV350キャラバン標準ボディ標準ルーフを使用したモデルで、その名の通りサロン風のインテリアを持つ。
4名が対座できるダイネット
2列目と3列目にマルチモードシート(REVOシート)を配置する。2列目シートを前向きにすると計8名が前向きに乗車でき、後ろ向きにすると、3列目シートとで4名が対座できる。また全てフラットにすると2~3名が就寝できる。
床にはレールが敷かれており、シートを畳んで前部に移動すると、後部は広い荷室になる。
後部は広い荷室になる
2列目と3列目のマルチモードシート以外装備らしきものは無いが、ミニバンの代わりになる、車中泊ができるシンプルなキャンピングカーと言う意味では最も近いモデルだろう。
4ナンバー登録。価格はGXグレードガソリン2WD/6ATで495万円~。
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VR470:バンレボ
バンレボは通称で、正式な会社名はバンテック新潟。同社は新潟県上越市に本拠を置くビルダーで、ハイエースやNV350キャラバンベースのバンコンを数多くラインアップしている。
VRはVan Revolutionの略で、同社のラインアップ名のひとつ。VR470は標準ボディ、VR480はワイドロング、VR540はスーパーロングとなっている。VR470にはハイルーフのVR470h、ポップアップルーフのVR470p、エレベーションルーフのVR470ELも選択できる。
標準ボディ標準ルーフのVR470は、Type-1とType-2がある。Type-1は2列目にのみマルチモードシートを持ち、Type-2は2列目と3列目にマルチモードシートを持つ。即ち、乗車人数が異なる。ただし、現在Type-2は販売終了となっている。
「REVO成型マルチシート」を標準装備
VR470Type-1は2列目に3人掛けマルチモードシート(REVOシート)を持ち、計6名が前向き乗車できる。なおシートは凹凸がありフィット感に優れる「REVO成型マルチシート」を標準装備。またオプションでバタフライシートを選択することもできる。
計5名の就寝が可能
VR470の特徴は後部にセットできる上段ベッド。これにより計5名の就寝が可能でファミリーにも対応できる。
対座ダイネットを形成できる
2列目シートを後ろ向きにすると、後部の下段ボードを簡易シートにして対座ダイネットを形成できる。
後部は広い荷室になる
バタフライシートを選択すると、シートを畳んで前部にスライドし、後部を広い荷室にすることができる。この場合、ベッドボードは左右の収納家具に収納しておくことができる。
更に後部右側に16Lの給水タンクとシャワーフォーセットを標準装備。車外で手を洗ったりペットの脚を洗ったりすることができる。
電装系はオプションで設置することができ、FFヒーターもオプションで用意されている。
ベース車はDX、GLパッケージ、スーパーGLを選択できる。
4ナンバー登録で、価格はDXグレードは345万円~。GLパッケージは107,000円追加、DXからスーパーGLへは169,000円の追加となる。
なお、NV350キャラバンでも製作でき、こちらはプレミアムGXグレードで330万円~となっている。
FOCSエスパシオ:フジカーズジャパン
フジカーズジャパンは東京都江戸川区を本拠とするビルダーだが、全国各地に販売拠点を持つ。輸入モデルも積極的に扱っているほか、国産バンコンも手掛けており、幅広いラインアップを誇る。
同社オリジナルの国産バンコンは「FOCS」というブランド名で統一されており、主にハイエースをベース車にしている。
このFOCSエスパシオはその中で標準ボディ標準ルールをベース車にしたモデルで、バリエーションとしてポップアップルーフを架装した「FOCSエスパシオ +UP」がある。
大きなテーブルを持つダイネット
FOCSエスパシオの特徴は純正の2列目シートを前に倒してできる大きなテーブル。フロントシートのシートバックを前に倒して後ろ向きに座れるようにしたシートと、後部のベッドボードを使った簡易シートで、このテーブルを挟んだ対座ダイネットを形成できる。
上段に設置したベッド
ベッドは下段か上段にベッドボードを設置することができ、上段に設置した場合は多少幅が広くなる。なお、オプションのベッドボードを追加すると両段にベッドをセットすることができ、上段は子供用にすることもできる。
後部は大きな荷室になる
またベッドボードを取り除くと大きな荷室になる。
FOCSエスパシオはシンプル装備ながら電装系は充実しており、サブバッテリー、走行充電はもちろん、外部電源入力と充電機能、400Wインバーターも標準装備される。
ベース車名はスーパーGLが標準で使用されており、運転席周りもミニバンに劣らないグレード感がある。また更にグレード感が高いDark PrimeⅡも選択できる。
4ナンバー登録で、価格はスーパーGLガソリン2WD/6ATで367万円~、Darl PrimeⅡがで383万円~となっている。
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Base Camp4:NONIDEL(ノニデル)
NONIDEL(ノニデル)は愛知県岡崎市に本拠を置くビルダーで、ハイエースやBase Camp SoloのようなNV200バネットベースのバンコンをラインアップしている。
Base Camp4は、その名の通り4名が就寝できることをコンセプトにしたモデルで、上段ベッドを標準で装備しているのが特徴。上段ベッドは1800x1500mmの大きさで、大人2名か子供3名程度が就寝できる。また下段ベッドは2200x1500(最大)mmで大人2名がゆったり就寝でき、ファミリーでの車中泊に対応できる。
上段ベッドを標準で装備
ベース車はスーパーGLを標準とし、運転席周りはミニバン相当のグレード感を持つ。商用車臭いコックピットを望まないユーザーも満足できる。
2:1でスプリットできる2列目シート
2列目に1400mm幅マルチモードシートを配置する。このシートは2:1でスプリットできるのが特徴。例えばチャイルドシートを残したまま、もう片方だけベッド展開するといった場合に便利だ。
上段ベッドは後部に重ねて収納することができ、前部を広く使うことができる。
対座ダイネットにすることができる
2列目シートを後ろ向きにすると、後部のベッドマットをアレンジして対座ダイネットにすることができる。
後部は広い荷室になる
更に、ベッドマットを取り除くと、後部は広い荷室になり、自転車も積むことができる。
4ナンバー登録で、価格はスーパーGLガソリン2WD/6ATで396万円~。
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ホビクルオーバーランダーIV:レクビィ
レクビィは愛知県瀬戸市に本拠を置くバンコンビルダーで、ハイエースベースのバンコンを中心に多数のモデルをラインアップする。
豪華なインテリアと充実した装備のラグジュアリーモデルが中心だが、RBL(RecVee Blue Line)と名付けられたアウトドア志向のラインアップもあり、ホビクルオーバーランダーシリーズが用意されている。
同社は2020年にスーパーロングベースの「ホビクルオーバーランダー」を発売しており、この「ホビクルオーバーランダーIV」はシリーズ2モデル目となる。
ベース車はDXが基本で、JAOSのオプションパーツでドレスアップすることが想定されており、インテリアを含め自分好みにカスタマイズするのもこのクルマの楽しみ方だ。
2列目に3名掛け1200mmのREVOシートが設置されており、前向きにして計5名が前向きに乗車できる。
4名がテーブルを囲めるダイネット
運転席のシートバックを前に倒しでできる後ろ向きシートと対座すると、4名がテーブルを囲めるダイネットができる。(助手席は不可)
ホビクルオーバーランダーⅣの特徴のひとつが、後部の3段階にセットできるベッドボードで、上、中、下段を選択してセットできる。例えば最上段にベッドをセットすると、ダイネットはそのままで後部最上段に1800mmのベッドができ、2名が就寝できる。ベッドの下は大きな収納スペースとして使用できる。
最下段では長さが最大2700mmのベッドになる
あるいは、最下段では2列目シートをフラットにした状態とベッドマットがドッキングでき、長さが最大2700mmのベッドになる。ペットや小さい子供がいる場合は、広いフラットフロアとして使える。
後部は広い荷室になる
ベッドボードを取り外すと後部は広い荷室になる。床は耐水性、耐汚性、耐久性に優れているので、重い積載物をラフに積み込むこともできる。
サブバッテリーなどの電装系は全てオプションで設置できるが、ユニークなのは市販のポータブルリチウムイオンバッテリーをプラグインすると、照明やその他のシステム電源として使えるようになること。
ポータブルバッテリーは車外に持ち出して使うこともでき、新しい電装系の考え方だ。
4ナンバー登録で、価格はDXグレード、ガソリン2WD/6ATで410万円~。
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リトリート:ダイレクトカーズ
リトリートはダイレクトカーズのシリーズ名で、現在では標準ボディの「リトリート」、ワイドミドルの「リトリートワイドミドルルーフ」、スーパーロングベースの「リトリートスーパーロング」、ホンダN-VANベースの「リトリートミニ」、NV200バネットベースの「リトリートNVF Pop」「リトリートNV200Ⅱ」がある。
これらは全てリアルウッドを貼り詰めたインテリアを持ち、山小屋風の室内を作っている。「バンライフ」をヒントに趣味の空間として使うことを想定している。
「リトリート」は標準ボディ標準ルーフベースのモデルで、4ドアと5ドアを選択できる。また5ナンバー登録ができるのも特徴となっている。
車外にスライドするスライドテーブル
リトリートの特徴はリアハッチを開き、車外にスライドするスライドテーブル。ここにコンロを置けば車外のキッチンになる。
オプションのベッドマット(右)
ベッドは標準でシングルベッドが用意されており、大きさは1800x800mm。オプションで追加のベッドマットが用意されており、これを追加すると1800x1600mmのベッドになる。
屋外でベンチとして使用できる
また、オプションの追加ベッドは屋外でベンチとして使用することもできる。
4ドアモデルではマルチモードシートが装備される
4ドアモデルでは2列目にマルチモードシートが装備され、これをフラットにすると更に1200x930mmのベッドができる。小さな子供がいる場合は4ドアモデルが便利だ。5ドアモデルにはダークプライムⅡのセカンドシートが与えられている。
どちらも5ナンバー登録で、価格はDXグレード、ガソリン2WD/6ATで5ドアモデルが373万円~、4ドアモデルが406万円となっている。
リラックスワゴンNS:かーいんてりあ高橋
かーいんてりあ高橋は長野県長野市に本拠を置くビルダーで、ハイエースバンコンを中心に軽キャンパーからタウンエースベースのコンパクトキャブコンまでラインアップしている。
「リラックスワゴン」は同社のハイエースベースバンコンのシリーズブランドで、多くのモデルが用意されている。
リラックスワゴンNSはその中では最もシンプルなモデルで、シンプルながらも充実したオプションで必要なものを追加することができ、また納期の速さと低価格もアピールポイントになっている。
オリジナルのTAKシート
リラックスワゴンNSは2列目に同社オリジナルのTAKシートを配置する。このシートはいわゆるマルチモードシートではなく前向き専用のシートだが、倒すと1500x1250mmのフラットベッドになるのが特徴。
後部のダイネット
後部は左右両側に横座りロングシートで対座できるダイネットになっている。2列目シートをフラットにしておくと、対座ダイネットとフラットスペースがつながって、広いリビングのようになる。小さな子供やペットがいる場合はこの状態にしておくとよいだろう。
後部もベッド展開すると広大なベッドになる
そして後部もベッド展開すると、フラットにした2列目シートも併せて2800x1500mmの広大なベッドになる。
リラックスワゴンNSのもう一つの特徴は、オプションが豊富で必要に応じて装備を充実させることができる。もっとも最初からサブバッテリーとCTEK強化型走行充電、350Wインバーターが標準装備されており、電気の心配なく車中泊できる。
オプションでは、外部電源入力/充電機能、FFヒーター、ソーラーシステム、電子レンジまで追加装備することができる。
標準での乗車定員は6名、就寝人数は3名だが、上段ベッドマットがオプション設定されており、就寝人数を追加することもできる。
4ナンバー登録で、価格はGLパッケージ、ガソリン2WD/6ATで367万円~。
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リラックスワゴンVP:かーいんてりあ高橋
リラックスワゴンVPもかーいんてりあ高橋の「リラックスワゴン」シリーズのモデルだが、こちらは2列目に前向き固定単座シートを2脚備えている。
前向き固定単座シートを2脚備えている
前向き固定単座シートにすることにより、ホールド性が良く、長距離ドライブでも疲れないシートとなっている。また、3点式シートベルトを備えており、チャイルドシートの固定も可能だ。
後部はやはり左右両サイドに横座りシートを配し、コの字型ダイネットとしている。ただしリラックスワゴンNSと異なり、横座りシートは1800mmと長くなっている。
コの字型ダイネット
リラックスワゴンNSでは2列目シートをフラットにすることにより、2800mmのフラットスペース(ベッド)が生まれたが、リラックスワゴンVPでは2列目シートはフラットにできないため、1800mmに留まる。
しかし、リラックスワゴンNSでは2列目シートを展開しないと1550mmにしかならない。リラックスワゴンVPでは後部シートを展開するだけで1800mmのベッドができる。NSかVPかで迷うところだが、2列目の乗り心地を重視するならVP、フラットスペースの広さを重視するならNSということになるだろう。
後部シートを展開するだけで完成するベッド
装備はリラックスワゴンNSと同じで、サブバッテリーとCTEK強化型走行充電、350Wインバーターが標準装備されている。オプションも同じで、外部電源入力/充電機能、FFヒーター、ソーラーシステム、電子レンジまで追加装備することができる。
標準での乗車定員は5名、就寝人数は3名だが、上段ベッドマットがオプション設定されており、就寝人数を追加することもできる。
4ナンバー登録で、価格はGLパッケージ、ガソリン2WD/6ATで378万円~。
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ファシールバカンチェス リッツ:リンエイプロダクト
リンエイプロダクトは埼玉県川越市に本拠を置くビルダー。ハイエース、NV350キャラバン、NV200バネット、タウンエースなどのベース車で、非常に多くのレイアウトをラインアップしている。
同社のモデルには全て「バカンチェス」というブランド名が付けられており、ベース車により「スーパーロングバカンチェス」や「コンパクトバカンチェス」といったネーミングに分類されている。
ハイエース標準ボディ標準ルーフをベース車にするモデルは「ファシールバカンチェス」とされており、このベース車で更に様々なレイアウトが用意されている。
2列目に3人掛けマルチモードシートを配置
レイアウトにもそれぞれ名前が付けられており、今回取り上げた「リッツ」は2列目に3人掛けマルチモードシートを配し、後部はベッドスペースになってる。
後ろ向きにした2列目シートで対座ダイネットを形成
また、ベッドマットをアレンジして、後ろ向きにした2列目シートと対座ダイネットにすることも可能。
ベッドマットは、上、中、下段にセットすることができ、例えば上段にセットすると、ベッド下は広い荷室として使用できる。
乗車定員は9名で、6名が前向きに座ってドライブできる。また標準では後部ベッドスペースだけで大人3名が就寝可能。2列目シートをフラットにすると、子供3名が就寝できる。
上段ベッドマットがオプションで用意されている
更に上段ベッドマットがオプションで用意されており、上段ベッドでも3名が就寝できる。即ち、最大大人6名、子供3名が就寝できる。大人数での車中泊にも対応できる。
ファシールバカンチェスシリーズには全てミニギャレーが装備されている。これは通常ベッドマットの下に隠れてしまうが、ミニギャレーの横に高さ確保用の床下収納があり、8ナンバー登録が可能となっている。
価格はGLパッケージが標準で、ガソリン2WD/6ATで412万円~。NV350キャラバンでも製作でき、価格は405万円~。
まとめ
ハイエース標準ボディ標準ルーフのバンコンは非常に多くのモデルがあるが、その想定する使い方によりそれぞれ異なった特徴を持っている。
仮に以下のように分類すると、
「リビング」は、ある程度車内のインテリアや居心地、グレード感を重視したモデル
「ファミリー」は大人4名あるいは大人2名と子供3名程度が就寝できるモデル
「トランポ」は自転車等を積めることを考慮したモデル
「アウトドア」は車外で過ごす時間も考慮したモデル
「趣味」は車内で過ごす趣味の時間を考慮したモデル
今回ピックアップしたモデルは以下のように分類される。異なるご意見もあると思うが、参考程度に見ていただきたい。
リビング:スマートキャンパー7s、FOCSエスパシオ、リラックスワゴンNS、リラックスワゴンVP、Base Camp4、ファシールバカンチェスリッツ
ファミリー:スマートキャンパー7s Loft、Base Camp4、ファシールバカンチェスリッツ、VR470 Type-1、ホビクルオーバーランダーⅣ、リラックスワゴンNS、リラックスワゴンVP
トランポ:アウトギア、VR470 Type-1、スマートキャンパー7s、ホビクルオーバーランダーⅣ、GML VAN V-01、BサロンワゴンS、FOCSエスパシオ、Base
Camp4
アウトドア:SEDONA Type-III、リトリート、ホビクルオーバーランダーⅣ
趣味:GML VAN V-01、SEDONA Type-III、BサロンワゴンS、リトリート
非常に多くのモデルがあるので、混乱してしまうかもしれないが、ご自分の使い方に最適のモデルを見つける手助けになれば幸いだ。