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Tom(トム)23はセキソーボディが製作する、トヨタライトエーストラックをベースにしたライトキャブコン。FRP製のシェルを架装している。
ライトエースや姉妹車のタウンエースをベースにするキャブコンモデルは、軽以上ハイエース未満のサイズでライトキャブコンと呼ばれ、あえて通常のキャブコンと区別されることも多い。
すなわち、軽キャンパーでは狭すぎるが、カムロードやビーカムをベースにしたレギュラーサイズのキャブコンは大きすぎて運転が不安だと感じるユーザーに支持されているサイズのキャブコンだ。
ライトキャブコンと呼ばれるカテゴリーでは、ライトエース/タウンエースのほか、ボンゴトラックをベース車に使用するモデルがあり、数的にはこちらの方がはるかに多い。エンジンもライトエース/タウンエースが1500ccなのに比べ、ボンゴは1800ccで動力性能も大きい。
しかし、ライトエース/タウンエースベースのモデルは軽快感があり、少し突き出たボンネットはミニバン感覚で運転できる。
キャブコンに仕立てると、ボンゴベースのモデルはキャンピングカーの典型的な外観のものが多いのに対し、タウンエース/ライトエースベースのモデルは、スマートさが残るモデルが多い。
TOM23もそのようなキャンピングカーで、コンパクトで扱いやすいうえ、キャンピングカーとしての装備は充実したものとなっている。
レイアウトはリアエントランスを採用しており、前部の広いダイネットが特徴。最後部にギャレーを持ち、ユーティリティールームも用意されている。
更に、バンクベッドがあるので就寝定員は5名で、ファミリーでも使用できる。
ダイネットは4名がテーブルを挟んで対座できる他、ロングソファも用意されており、大勢でも団欒できる。
ベッドはバンクベッドがあるので、二人で使用するならダイネットをそのままにして就寝できるが、ファミリーだとダイネットを展開してフロアベッドにする必要がある。
バンクベッドは引き出して使用するが、寝具はベッド上に置いておけるので準常設ベッド的に使える。
ギャレーは最後部にある。リアエントランスのレイアウトではスペースの制限上、ギャレーの奥行きを犠牲にしているモデルもあるが、TOM23では比較的奥行きが与えられており、ギャレーコンソールに65リッターの冷蔵庫がビルトインされているほどだ。
ただ、コンロは卓上型カセットガスコンロをいちいち出し入れしなくてはならない。
また電子レンジはオプションで、ギャレー上部に収納スペースが用意されている。
給排水タンクがエントランスのすぐ横に収納されており、車外からアクセスできるように考えられている。
コンパクトなボディながら、ユーティリティールームも用意されている。収納スペースとして使用できるほか、ポータブルトイレを置いてトイレルームとすることも可能だ。
収納は、ダイネットの上部両側と後部ギャレー上にオーバーヘッド収納が豊富に設置されている。ただ、奥行きはあまりないので、大きめのものは収納が難しいかもしれない。
その他、シート下にも荷物を収納するスペースがある。また、ギャレーコンソールにも多少収納できるが、食器などを収納するなら、引き出し収納の方が使いやすいだろう。
空調はFFヒーターがオプションで設定されているが、冷房系のソリューションは用意されていない。
電装系は、105Ahのサブバッテリーと走行充電が標準装備される。外部電源入力/充電はオプション。
インバーターはオプションで120Wのものが用意されている。なお、電子レンジを追加すると1500Wのインバーターがセットで装備される。
また、155Wのソーラーシステムも取り付け可能だ。
TOM23はコンパクトで運転しやすく、かつ装備も充実したライトキャブコンだ。手軽さと広さを併せ持ち、気軽にくるま旅をしたり、キャンピングカーは初めてだがキャブコンが欲しいというユーザーにはお勧めできるモデルだ。
ただし、1500ccのベース車にシェルを架装し、多くの装備を搭載すると、動力性能面では期待できない。ファミリーで使用するなど、乗車人数が多いとなおさらだ。
理想的には二人旅で使うのがちょうどよいサイズ感だろう。
なお、フロントエントランスで、後部に広いコの字型ダイネットを持つTOM23Sもラインアップされている。
ライトエース/タウンエースベースのキャブコンは、オートショップアズマのエム・ホルーヴァのようにポップアップルーフを持つものと、TOM23やエートゥーゼットのALENのようにハイルーフのシェルを持つものに分かれるが、TOM23の価格はハイルーフのシェルを持つものの中では標準的なところといえる。