RIW200-ERはアネックスが製作する、日産NV200バネットをベース車にしたバンコンキャンピングカー。しかし他のアネックスブランドと異なり、RIW200-ERは、ハイエース標準ボディベースのREW350とともに、RIWブランドで展開されている。
これは、アネックスブランドのモデルと全く異なるコンセプトを持っているのが理由。アネックスブランドのキャンピングカーが一般的な快適性を求めるモデルに対し、RIWブランドは車内を土足仕様とし、車外を車内を繋いでしまうという新しいアウトドア志向のコンセプトにしている。

RIW200-ERの室内
コンセプト:NV200バネットのコンパクトな室内ながら、ポップアップルーフで圧迫感を無くし、また靴を履いたまま車内に上がることを前提とし、車内と車外の境界なく行き来することで、車外を車内の延長線上で考えたアウトドア志向のキャンピングカー。
エクステリア:NV200バネットにポップアップルーフを架装、停泊時は高い天井高で圧迫感を無くすとともに、2名の大人と2名の子供が就寝できる。
インテリア:靴を履いたまま車内に上がれるよう、床は汚れにくい素材にしている。またシート地も耐汚、耐水性の高い素材で、汚れ難くなっている。ギャレーの天板には木の感覚を生かし、車内も車外とマッチするインテリアとしている。
レイアウト:運転席、助手席のシート回転機構を標準装備し、後ろ向きにしたフロントシートと、2列目のREVO製バタフライシートで対座ダイネットを形成。更にバタフライシートを畳んで前に押しやることにより、後部に広い空間を作り出し、車外とつながったフリースペースとしている。

運転席、助手席のシートを後ろ向きにした対座ダイネット
ダイネット:運転席、助手席のシートを後ろ向きにし、3列目シートと対座することにより、4名がテーブルを囲むことができる。テーブルは食事が十分できる大きさ。また、このテーブルには4隅に折り畳みの脚が付いており、屋外で使用できるようになっている。
ベッド:2列目バタフライシートをフラットにして、最後部にベッドボードを並べると、大人1名と子供1名用のベッドができる。またポップアップルーフを上げルーフベッドボードを下ろすとルーフベッドになる。ここでも大人1名と子供1名が就寝でき、従って小さい子供がいる4名のファミリーでも就寝することができる。

据え付けコンロを備えたギャレー
ギャレー:ギャレーには1口コンロとシンクが一体になったコンビネーションシンクが埋め込まれている。奥行きもあり、NV200バネットクラスではほとんど見られない本格的なギャレーだ。
これは、車内のダイネットで食事をするのではなく、車外でテーブルを出してダイネットとし、車内はキッチンとして使うことを想定している。そのため、2列目バタフライシートを畳んで前に押しやり、ギャレー前を広く取り、靴を履いたまま車外と車内を行き来できるようにしている。

15Lポータブル冷蔵庫を標準装備
冷蔵庫/電子レンジ:冷蔵庫は15Lポータブル冷蔵庫が標準装備され、ギャレーコンソールに収納されている。ポータブル冷蔵庫なので、車外に持ち出すことも可能だ。
電子レンジはさすがに収納できるスペースは無く、オプション設定もされていない。
収納:最後部に棚があるが、実はこれは2脚のベンチで、先のテーブルと組み合わせて車外ダイネットとして使用できるようになっており、実にうまく考えられている。走行中は棚だが、目的地に着くとベンチになる。
特に専用の収納スペースは用意されていないので、移動中は空いている場所にテントなどの荷物を積み、目的地で車外に出すという使い方になる。

最後部には2脚のベンチを使った収納棚が設置されている
空調:FFヒーターがオプション設定される。なおベンチレーターと冷房設備の設定は無い。FFヒーターは寒い時期には必需品だが、RIW200-ERのコンセプトではベンチレーターやクーラーは必要ないだろう。
テレビ/ナビ:テレビは特にオプション設定は無いが、これも車内でテレビを観るというコンセプトではない。むしろタブレットなどで車内外で自由に観られるもののほうが便利だろう。
電装系:70AhのAGMバッテリーが1個標準装備される。高性能バッテリーなので通常の105Ahディープサイクルバッテリーと比べて遜色ない。なお、オプションでもう1個追加できるが、大きな消費電力の家電品は無いし、長期旅に使わないならバッテリーは1個でも問題ないだろう。

写真提供:アネックス
価格(税別):2WD 4ATで427万円~。オプションは、FFヒーター(19万円)は是非付けておきたい。また外部電源入力と、それによるサブバッテリーの充電機能は、家庭で充電できるなら必要。なおマンション住まいなどで家庭で充電できない場合は、ソーラーシステム(18万円)を装備しておくと、駐車中に充電できる。
他車:RIW200-ERと同じコンセプトのNV200バネットベースバンコンは他に無い。一般的なNV200バネットベースのモデルと比べても意味が無いが、価格は同社のファミリーワゴンSS-ER(375万円~)に比べると高価だ。
まとめ:RIW200-ERはNV200バネットにポップアップルーフを架装したところまでは他のモデルと同じだが、そのコンセプトは全く異なる。車外でテーブルを設置できるモデルは存在するが、車内を土足にして車外と一体化するまで踏み込んだモデルは他にない。
従って使い方も明確で、例えば小さな子供がいるファミリーが、キャンプ場で1~2泊を過ごす使い方が想定される。タープやテント、食材を積んでいき、現地に着くとキャンプ用品や食材を車外に出し、テーブルとベンチシートを車外でセットし、車内で調理して車外のダイネットで食事をし、テントと車内に分かれて就寝する、といったイメージが想定される。
もちろん使い方はこれだけに限らないが、やはり長期旅や温泉巡りには向いていない。想定した使い方に当てはまるなら、このクルマは大変楽しい時を過ごせるツールになるだろう。
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