トップセイルはレクビィが製作販売するハイエーススーパーロングベースのバンコンバージョンキャンピングカー。
外装への架装はなく外観はノーマルと変わらない。
同社は豊富なバンコンラインナップをもつが、上級モデルのカントリークラブとファイブスター 以外にハイエーススーパーロングのモデルが存在しなかった。
また同社では初となる、縦置きハイマウントダブルベッドを装備したモデルとなる 。

レイアウトは、2列目にマルチモードシートを 採用し、後ろ向きにして3列目の単座シートと対座ダイネットを構成する。
また、運転席と助手席のシートバッグを前に倒して後ろ向きシートとし、2列目の前向きシートとで対座ダイネットを 構成することもできる。

後部のハイマウントダブルベッドは 前方に引き出してセットアップし、車長方向に就寝する上段ベッドになる。軽く引き出すことができるので、セットアップは女性でも簡単に行うことができる。
ベッドマットも一緒に展開されるのは大変便利だ。上段ベッドは2240x1620mmの大きさで、家庭用ならクイーンサイズに相当する。
常設ベッドではないが、畳んだ状態でも寝具はそのまま置いておくことができるので、準常設ベッドと言っても良いだろう。ただし、上段ベッドを展開すると、ギャレーは使えなくなる。

2列目と3列目のシートをフラットにすると下段ベッドになり、ここでも2名が就寝できるので、上段ベッドと合わせて計5名が就寝できる。
現実的には大人2名と子供2名程度のファミリーならゆったり就寝することができるだろう。また、2名で使用する場合は上段ベッドだけのセットアップで良く、ダイネットはそのままにして就寝すればよい。
このレイアウトの優れた点は、上段ベッドをセットしてもダイネットが使用できること。
子どもを寝かせた後に大人だけでゆっくりくつろいだり、二人で使用する場合は、ダイネットを片付ける必要なく、すぐに就寝できる。
ギャレーには丸型シンクがビルトインされているが、カセットコンロは卓上型ガスコンロを置いて使用する。

冷蔵庫は49Lでファミリーで使用する場合でも十分な容量。 さらに電子レンジも オプションで用意されている。
収納は、右側面上部にオーバーヘッド収納が並んでおり、収納力は大きい。 またギャレーコンソールには引き出し収納も付いており、小さな食器や小物の収納に便利だ。各10リッターの給排水タンクもシンクの下に収納されている。
エントランスから多少遠いのが難点だが、10リッターなのでそれほど重くはないだろう。
ベッド下は広い収納スペースになっており、自転車などの大きなものも積載できる。両側にキャビネットがあるのでここにも分類して収納可能。 またベッドボードを前に移動すると、背の高いものも積むことができる。

空調は FFヒーターがオプション設定されており、ベンチレーターは標準で装備されている。残念ながら家庭用エアコンはオプション設定されていない。
同社にはハイエース標準ボディハイルーフに家庭用エアコンを搭載できる、プラス LVという画期的な モデルも存在するので、トップセイルにも是非搭載するソリューションが欲しいところだ。
電装系は115Ahのサブバッテリーが1個標準装備され、走行充電も標準装備されるが、外部 100V 入力及び充電、さらにインバーターはオプションとなる。
ソーラーシステムもオプションで用意されている。
インテリアはモカブラウンとチタンブラックの2種類から選択できる。
トップセイルは上段ベッドのセットアップを格段に楽にし、さらに上段ベッドセットアップ状態でもダイネットが使用できるなど限られたスペースを有効に活用し、
就寝前の作業をできるだけ楽にした優れたレイアウトを持つ。ファミリーにもふたり旅にもお勧めできるモデルと言える。
価格は標準で480万円(キャンパー特装/2WD/6AT:税別)、Superior仕様で510万円(同)。その差は30万円だが、Superior仕様は冷蔵庫、ベンチレーター、外部100V入力/充電など必需品が標準装備となっているので、こちらを選ぶほうが良いだろう。このクラスの価格帯は300万円台から500万円台まで幅広く存在しており、特にこのクルマが高価ということはない。この装備とクオリティーなら納得の1台だろう。