リゾートデュオバンビーノオハナはstage21が製作する、ダイハツハイゼットトラックをベース車にした軽キャブコン。軽ベースのキャブコンだがシェルを拡張しているため、普通車8ナンバー登録になる。
コンセプト
軽キャブコンながら広い室内を持ち、小さな子供がいるファミリーも車中泊が可能。また、ウインドウクーラー、200Ahリチウムイオンバッテリー、2000W正弦波インバーター、180Wソーラーパネル2枚(計360W)、外部充電、20型テレビなど、標準装備が非常に充実しているのが特徴。
エクステリア

アルミパネルのシェルを架装
ダイハツハイゼットトラックにアルミパネル製のシェル(バンク部はFRP)を架装。シェルはベース車に対して幅を345mm拡張し、また全長も435mm長くなっている。このため普通車8ナンバー登録になる。
税金面は年間約2万円程度高くなるが、この広さが手に入るなら悪くはない。ただし、シェルの大型化により重量増となるので、走行性能に多少影響が出る可能性はある。
リゾートデュオ バンビーノ オハナはシェルをアルミパネルにして軽量化を図り、この問題を最小にしている。
エントランスは左サイド中央にあり、エントランスドアは網戸との二重ドアになっている。なお、ドア色は希望の色を選択できる。
インテリア

落ち着いた雰囲気のインテリア
展示車はグレー系のソファと白木の木目を生かしたカラーリングで明るく、落ち着いた雰囲気の室内になっている。特別な高級感は無いが、シート地とカラーリングは豊富な選択肢から選択でき、自分だけのインテリアが楽しめる。
なお、内側の壁面はアルミパネルで少々寒々しい。ここは今後軽量化も図り素材を検討するとのことで、壁面の処理とデザインについては相談すると良いだろう。
レイアウト
前部にギャレー、後部はコの字型ダイネットの構成。ダイネットは展開して2名が就寝できるベッドになる。またバンクベッドは子供用で、子供2名が就寝できる。従って、ファミリーでの使用にも対応できる。
左側にはコンソールラックがあり、ここにはテレビが置かれ、冷蔵庫がビルトインされているが、飾り棚としても使える。下にはバッテリーとインバーターが収納されている。
ダイネット

コの字型ダイネット
コの字型ダイネットの形をとるが、左側シートは奥行きが無く、子供用に適している。右側のシートはシートバックもあり、大人が深く腰掛けることができ、大人2名、子供2名のファミリーならゆったり過ごすことができる。
シェルには両サイドにはガラスの引き戸、後部にアクリルウインドウが標準装備されており、明るいダイネットになっている。
各窓には網戸付きシェードが備わっており、風通しや遮光も簡単に行える。ダイネットにはテーブルも用意されている。
ベッド

ツインベッド
ダイネットを展開すると、1800x1330mmの大きさのベッドになる。これは、家庭用ではセミダブルとダブルベッドの中間の幅。また、バンクベッドは1680x1080mmの大きさで、これは子供用ベッドとして使用できる。

バンクベッドは子供用
ベッドの特徴は厚さ65mmのマット。ダイネットシートにした場合の座り心地や寝心地が大きな優位点だ。なおバンクベッドも50mmの厚さがある。

簡単にベッド展開できるダイネットシート
ダイネットからベッドへの変更は、座面をスライドさせてシートバックを倒すだけ。これを大小2ヵ所で行う。ただし、ベッドからダイネットに戻すため背もたれを起こす場合、手が入らないので多少苦労する。
ギャレー

丸形シンクが設置されたギャレー
ギャレーは前部に配置されており、同社おなじみの白い陶器製シンクと蛇口がビルトインされている。各10L給排水タンクは車外から出し入れできる。
シンクの前には多少調理スペースが用意されており、またシンク上部にはちょっとした棚も用意されているので、調理するユーザーには使いやすい。
冷蔵庫/電子レンジ

15Lポータブル冷蔵庫が標準装備される
冷蔵庫は15Lの上蓋式ポータブル冷蔵庫がエントランス横のコンソールにビルトインされている。ポータブルタイプなので、車外に持ち出して使うこともできる。
電子レンジは、家庭用100V仕様のものがシンクの下にビルトインされている。リチウムイオンバッテリーと2000Wインバーターが標準装備されているので、外部100V電源が無いところでも電子レンジが使える。
収納

最後部に並ぶオーバーヘッド収納
オーバーヘッド収納はギャレー上と最後部に設置されている。特に最後部のオーバーヘッド収納は収納力が大きい。
また左側と最後部シート下は、更に大きな収納スペースになっており、大きめのバッグなども入れておける。

最後部のシート下収納
その他、エントランスを入って右側にはシューズボックス、左側には傘立てが用意されている。
空調

家庭用ウインドウエアコンが標準装備される
家庭用ウインドウエアコンが標準装備される。100V仕様で、外部電源はもちろん、リチウムイオンバッテリーと2000Wインバーターでも運転できる。家庭用エアコンなので、炎天下でも車内は快適に過ごせる。
外気温にもよるが、500Wの消費電力とすると、200Ahのリチウムイオンバッテリーでは単純計算で5時間程度運転できることになる。
暖房はFFヒーターがオプション設定されている。またベンチレーターもオプション。
テレビ/ナビ

20型テレビが標準装備される
20型のテレビが標準装備される。またパナソニック製の地デジカーナビも標準装備で、これに20型のテレビが接続されている。テレビは左側のコンソール後部に置かれており、ダイネットやベッドから観ることができる
電装系
200Ahのリチウムイオンバッテリー、強化型走行充電、2000W正弦波インバーター、外部100V電源入力と充電機能、サンパワー社製セルを使用した180Wソーラーパネル2枚(計360W)が標準装備され、強力な電装系となっている。
更に、充電器は走行充電とソーラーパネルからの充電を同時に受け付けることができ、最大50Aでリチウムイオンバッテリーを充電する。
ただしこれは最良の条件の場合で、天候に左右される。確実に高速に満充電する場合は、外部100Vで充電すると40Aで充電できる。単純計算では5時間で充電できることになる。
なお、写真は無いが、このリチウムイオンバッテリーにはBMSはもちろん、BlueTooth機能が内蔵されており、アプリをインストールしたスマートフォンで充電状態を確認できるという優れモノだ。
価格(税別)
エクストラ “SAⅢt”仕様2WD/5MTで389万円~(税別)。2WD/4ATは398万円~(同)。
ほとんどの装備が標準なので、必要なオプションは、FFヒーター(210,000円:同)くらいだ。なお納期は2021年9月~となっている。
他モデル
軽トラックベースの普通車8ナンバー登録のモデルは、MYSミスティックのレジストロ(320万円~:2WD/4AT)、オートショップアズマのラ・クーン(269万円~:2WD/5MT)、マックレーのディアラジュニア(291万円~:2WD/5MT)、コイズミのかるキャン(価格不明)、そしてこのリゾートデュオバンビーノオハナの5モデルしかない。(価格は全て税別)
リゾートデュオバンビーノオハナはこの中で最も高価だが、これはエアコンも含めた装備が標準であることを考えると当然で、条件を同じにすると、むしろ安価かもしれない。
なお、上記のうち、レジストロとディアラジュニアにはエアコンがオプション設定されている。
まとめ
リゾートデュオバンビーノオハナの利点は、家庭用ウインドウクーラーを実用的に動かす強力な電装系を持ち、これらがすべて標準装備なところだ。軽キャブコンにエアコンを標準装備した決定は素晴らしい。
エアコンが装備できてもオプションになっているモデルがほとんどだが、これを実用的に動かす電装系もフルパッケージにして考えないと、実用的に使うことができない。
その意味では、最初からすべてが標準装備にするという考えは、ユーザーにとっても分かりやすい。
もちろん価格的には高価になるが、折角のキャンピングカーが夏に使えないのでは、もったいない。これからますます夏が暑くなるので、エアコンは普及していくだろう。いよいよ軽キャブコンにもエアコンが普通に装備される時代になってきた。
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