レジストロはM.Y.Sミスティックの軽キャブコンでジャパンキャンピングカーショー2017でデビューした。
一見、同社の軽トラキャン、Jキャビン ミニWのように見えるが、レジストロはトラックキャンパーではなく、軽キャブコンだ。
ただし、シェルの幅がベース車より広く、従ってナンバーは白8ナンバーとなっている。
さて、Jキャビン ミニWがあるのになぜレジストロを追加したのか、という疑問を持たれるかもしれないが、それはファミリーでの用途を可能とするため。
軽トラキャンのJキャビン ミニWは、軽トラにシェルを積んでいるだけなので、運転席とキャブは行き来できず、2名しか乗車できない。
ファミリーで使うには、軽キャブコンの形にすることが必要だったのだ。
レジストロでは、運転席とシェルの間は貫通しており、走行中もシェル内にいることができる。
運転席とシェルは貫通しており行き来できる
シェルの作りは同社独自のアルミと合板を組み合わせたコンポジットパネルで、アンセイエ同様、クラシカルな独特のエクステリアとなっている。
加えて、Jキャビン ミニWで採用された丸みを帯びたデザインで、見た目も新鮮だ。
インテリアもJキャビン ミニWに通じる山小屋風の演出がされている。
異なるのはシェルの幅で、Jキャビン ミニWが1470mmに対してレジストロでは1770mmと、両側に15cmづつ広くなっている。
これだけの拡張だが、室内は軽キャンパーと思えないほどの広さを実現しており、ファミリーでも窮屈感は少ないだろう。
軽ベースとは思えない広いダイネット
ダイネットはL字型のロングソファで、対面にはギャレーコンソールが置かれる。
ダイネットテーブルはギャレーコンソールに固定されており、跳ね上げてセットするが、ファミリー分の食器が乗るほど十分な大きさを持っている。
このテーブルを収納し、背もたれを外して並べるだけでフロアベッドになり、ここで2名就寝できる。
また、キャブ上部にバンクベッドがあり、ステーをセットして引き出すと、バンクベッドになる。(動画参照)
バンクベッドを引き出した状態
ここでも2名就寝できるので、計4名が就寝できる。
ただし、バンクベッドは長さ方向が規定に達していないため子供用となっており、登録就寝定員は2名となっている。
ギャレーコンソールは大きく、ここには大きめのシンクが埋め込まれている。
コンロは卓上型のカセットコンロを置くスタイルだが、これを置いても調理スペースは十分に残っている。
ただし、冷蔵庫はギャレーコンソールにビルトインされておらず、オプションでポータブルタイプのものが用意されている。
冷蔵庫は運転席のすぐ後ろが定位置のようだ。
また、電子レンジも12Vのウェーブボックスがオプションで用意されている。
広いギャレーコンソール
収納は両サイドにオーバーヘッド収納は無いが、後部に用意されている。
大きなものは収納できないが、奥行きはそれなりにあるので、ちょっとした食器などの収納ができる。
その他にもシートの下やギャレーコンソールの中など、各種の収納スペースが設けてある。
ただ、バッグなど大きな荷物の収納場所は無いので、就寝時はフロントシートへ移動することになる。
空調はFFヒーターとクーラーがオプション設定される。
このクーラーはJキャビンミニなど同社の他のモデルでも使用している一体型のもの。
FFヒーターはほとんどのモデルで用意されているが、軽ベースでクーラーの選択ができるのは他社モデルではあまり無いアドバンテージだ。
電装系は、105Ahのサブバッテリーが1個標準装備され、オプションでもう1個追加できる。
また、インバーターは2000Wのものがオプションで用意されている。
更に、オプションで80Wソーラーシステムを搭載可能。
その他にも、同社が力を入れる足回りの強化なども追加でき、乗り心地の改善も可能だ。
レジストロは、ユニークなエクステリアとインテリアデザインを持つ、ファミリーも使用できる軽キャブコンの新しい提案と言える。
最新モデルでもあり、かなり得点の高いモデルということができるが、知っておくべき点もある。
そのひとつは、普通車8ナンバー枠であること。
税金面で軽の恩恵を受けられなくなることもあるが、シェルが大きくなって、動力性能に影響が出ることも考えられる。
同社は、軽量のアルミコンポジットパネルを使用しているので、その影響は最小限に抑えられていると思われるが、坂道での運動性なども確認すると良いだろう。