ミニチュアクルーズ・オリーブは香川県高松市に本拠を置く岡モータースが製作する、スズキエブリイバンをベース車にした軽バンコン。同社は他社モデルも販売するが、「ミニチュアクルーズ」は同社のオリジナルブランド。
シックで落ち着いたインテリアの「ミニチュアクルーズ」の他に、モダンで明るいインテリアの「ミニチュアクルーズCozy」、和風のインテリアを持つ「ミニチュアクルーズ遍路」、ソーラーシステムを標準装備した「ミニチュアクルーズSV」がラインアップされている。更にカラーバリエーションとして「デニム」と、この「オリーブ」がある。
ミニチュアクルーズ オリーブのインテリア
コンセプト:女性スタッフがデザインしたということで、女性目線のインテリアが特徴。後部ラックには三面鏡(OP)を装備できるなど、特に女性の目を意識した位置付けとしている。
エクステリア:特に外装への架装は無く、外観からはキャンピングカーと分からない。ベース車のエブリイはベーシックモデルのPAからJOINターボまで選択できる。
インテリア:淡いグリーンのベッドマットとナチュラルブラウンと名付けられた少し濃いめの家具色の組み合わせがうまくマッチしており、実にお洒落。ルーフの曲線を描いたLED照明ボードもオリーブ専用だ。三面鏡(OP)があるギャレーや、マグネットで写真を張り付けられる後部両側のフリースペースボードなどのアイデアも満載している。
ミニチュアクルーズ オリーブの室内
レイアウト:2列目シートを折り畳み、上にベッドマットを敷く一般的なタイプ。後部両側にルーフまで届く収納キャビネットを架装している。左右のキャビネットには跳ね上げ式のテーブルを装備、加えてオプションで両側のキャビネットに渡す形の大きなテーブルも用意されている。なお、このテーブルは車内で4脚テーブルとして、また車外でも車体後部に固定して使用できる。
ダイネット:ベッドマットを敷いたフラットフロアがベッド兼ダイネットになる。ちゃぶ台スタイルのダイネットだが、軽キャンパーではこのスタイルの方が自由度が高くリラックスできる。
更に大きな特徴は前部が21段階にリクライニングできること。ダイネットは長時間過ごす場所なので、寛ぐスタイルまで考えられているかがポイント。リクライニングで脚を伸ばして寛げるのは嬉しい装備だ。ただ、リクライニングの調整は多少手間がかかる。
なお、2列目シートを立てると、計4名が前向きに座ってドライブできるので、日常使用でも使用できる。
三面鏡(OP)のあるギャレー フリースペースボードには写真をマグネットで留められる
ベッド:ベッドサイズは1820x1240mmで大人2名が就寝できる。後部は収納キャビネットがあるので1020mmと多少狭くなる。ベッドマットは50mm厚でコシのある硬さとしており、軽バンコンながら手抜きは無い。またマットは6分割できベッドセッティングも楽にでき、女性にも使いやすい。
なおベッドマットは撥水加工出されており、汚れにも強い。ペット同伴で旅する場合sでもいつも清潔に保てる。
左後部の収納キャビネット
ギャレー:コンパクトなギャレーが標準装備される。シャワーフォーセットは引き出して車外で使うことも可能。シンクの下には各10Lの給水タンクが収納されている。
給水タンクは後部車外から取り出すことができ、またステンレス製の排水タンクが車外床下に設置されており、ドレンコックをひねるだけで排水できる。
冷蔵庫/電子レンジ:冷蔵庫はオプションの上蓋式ポータブル冷蔵庫を、畳んだ2列目シートの前(ベッドマット下)に収納できる。なお電子レンジの装着は想定されていない。(ミニチュアクルーズSVとCozyには12Vの電子レンジWaveBovが標準装備)
ベッド下の収納。引き出し式はオプション
収納:後部左側上部に蓋付きのオーバーヘッド収納、右側には扉無しの棚が備わっている。また、左側キャビネット中段にも棚が用意されているので、小物の収納に便利。右側にはプルダウンフリーBOXが装備されており、ここにオプションの三面鏡を装着したり、タブレット端末を収納したりできる。なお、不要な場合は完全に跳ね上げることができる。
大きなものは、畳んだ2列目シートの前部に収納することができる。更に後部ベッドマット下にも収納スペースが設けられている、これはオプションで後部への引き出し式にすることもでき、車外で使うこともできる。
左後部に設置された扉付き収納キャビネット
空調:FFヒーターに関しては記述は無いが、オプションで装備可能だろう。冷房関連のソリューションは特に用意されていない。
テレビ/ナビ:地デジ対応のDVD一体型13.3型テレビがオプションで装備できる。左側のキャビネット後部に取り付け、アームで前に向けることができる。リクライニングしたベッドで寛ぎながらテレビを観ることができるほか、車外でも見ることができる。
電装系:85Ahのディープサイクルバッテリーを1個標準装備。走行充電でサブバッテリーを充電するが、オプションで外部100V入力/充電が可能となる。更にオプションで225Wのソーラーシステムを装備できる。
また、正弦波300Wインバーターがオプション設定されており、車内で100V家電品が使用できる。
なお、デスクワークパッケージオプションを装備すると、左側キャビネットに昼光色LED照明と100Vコンセント、USB電源が追加できる。
価格:PAグレード(2WD/5MT:税別)で176万円~。人気グレードのJOINでは196万円~(同)、JOINターボでは213万円~(同)。オプションはFFヒーターは是非装備しておきたい。また3日以上の連続車中泊をするなら外部100V入力/充電機能も欲しいところだ。マンションなどで家庭の電源が使えない場合は、ソーラーシステムオプションを装備しておきたい。
他車:ノーマルルーフの軽バンコンで、ギャレーを持つモデルは数多くあるが、インテリアにこだわったモデルを幾つかピックアップした。(価格は全て税別)
カリフォルニア ケイワークス 200万円~(ハイゼットターボ 2WD/4AT)
給電くん オートワン 193万円~(JOIN 2WD/4AT)
スピナ ナッツRV 215万円~(JOIN 2WD/4AT)
ルネッタ バンテック 263万円~(エブリイワゴン JPターボ WD/4AT)
レム クラスS キャンピングカー鹿児島 202万円~(JOIN 2WD/5AGS)
ロードセレクトコンパクト カスタムセレクト 235万円~(JOIN 2WD/4AT)
後部収納キャビネットがルーフまであるタイプとしてはミニチュアクルーズシリーズと給電くんしかないが、インテリア的には正反対。その意味では、他社に競合モデルは無く、他のミニチュアクルーズと迷うことになるだろう。
まとめ:ミニチュアクルーズオリーブは、洗練されたインテリア、充実した収納、寝心地にこだわったベッドマット、リクライニングできるダイネットなど、多くの魅力がある。軽バンコンとしては完成度の高いモデルと言える。
あえて欠点を上げれば、ポップアップルーフが選べないこと。もちろんポップアップルーフが不要なユーザーには何の問題も無いが、ポップアップルーフが選択肢のユーザーにはミニチュアクルーズが選べないのは残念なことだ。
もう一点は電子レンジとその収納スペースがオプションで用意されていれば、長期旅のユーザーは嬉しいのではないだろうか。
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