Howvelu(ハウベル)はビークルが製作する、ハイエース標準ボディハイルーフをベース車に使用したバンコンキャンピングカー。
ビークルは、ハイエースとNV350キャラバンベースのバンコン専門ビルダーで、豊富なラインアップを揃える。木材にこだわった仕上げで家具の品質は高く、長く乗っていても家具のキシミやガタつき出ないとしている。
コンセプト:日常使用に使え、長期旅にも対応する二人旅向けバンコンキャンピングカー。広いダイネットと高い天井高で窮屈感が少なく、ギャレーや冷蔵庫が標準装備なので、長期旅の外食に飽きたら車内で調理もできる。
エクステリア:外装に架装は無く、見た目は通常のハイエースと変わり無い。4,695x1,695mmのボディサイズはノアやヴォクシーと同サイズ。高ささえ気を付ければ、運転席が高い分、運転はむしろし易い。ファーストカーとしての日用使用でも違和感がなく使える。

ダーク系の家具と水色のソファの組み合わせ。色は選択できる。
インテリア:ハウベルのインテリアはビークルの他のモデルと同様、しっかりした家具と品の良いシートで構成。ビデオの展示車はダーク系の家具色と水色のシート地だが、他にも選択できる。
レイアウト:前部にギャレーを配し、後部は全てダイネットに割り当てている。前向き着座できるシートは運転席と助手席のみなので、二人旅に割り切ったレイアウトと言える。マルチモードシートを配置していないので、前後の移動がしやすい。

横座りロングソファ対座の広いダイネット。
ダイネット:後部は横座りロングシートの対座スタイルダイネットを採用。4名がゆったり着座できるが、二人で使う場合は広々としたダイネットで、高い天井高と相まって長期旅でも疲れが少ない。なお、テーブルを残してフルフラットにでき(お座敷モード)、ちゃぶ台スタイルで寛ぐこともできる。

テーブルを残してフルフラットにすると「お座敷モード」で寛げる。
ベッド:ダイネットを展開すると、1,800x1,500mmのフロアベッドになる。家庭用ベッドではワイドダブルに相当するので、2名がゆったり就寝できる。ダイネットからベッドへの展開は、ポールを3本引き出して背もたれを置くだけ。マルチモードシートのような手間はいらない。

前部右側に設置されたギャレー。ギャレー前のスペースは広く実用的に使える。
ギャレー:ハウベルの特長のひとつが、引き出せるギャレー。前部右側に設置されたギャレーコンソールの上蓋を開けるとシンクとフォーセットが現れ、そのままでも水を使うことができるが、シンク部分を引き出すと更に広い調理スペースとなる。ちょっとしたカウンター付きL型キッチン風で、ダイネットのパートナーと向き合って料理ができる。
コンロはカセットガスコンロを置くタイプだが、調理台が広いのでガスコンロを置いても調理スペースは十分確保されている。

シンク部分を引き出すとL型キッチンのように使える。
冷蔵庫/電子レンジ:冷蔵庫は40L上蓋式のものがギャレーコンソールにビルトインされている。電子レンジはオプションで用意されており、収納ボックス付きで設置される。
収納:後部両側にオーバーヘッド収納が装備されている。右側前部にもあるが、こちらは扉が無い。内容物が落下しないようガードがあるが、必要に応じて扉付きに変更もできるだろう。
左側シート下は広い収納スペースになっており、大きめのバッグなども入れておける。ダンパーでシート部が軽く持ち上がり、保持しておけるのは親切な設計だ。
最後部シート下は、車外からもアクセスできる収納スペース。自転車は折り畳みのものでもちょっと無理そうだが、バンコンにしては大きな収納スペースと言える。
空調:FFヒーターがオプション設定されている。またベンチレーターもオプションなので、調理でガスコンロを使う場合は必ず装備しておきたい。なお、冷房係の設定は記述が無い。
電装系:105Ahのサブバッテリーと走行充電が標準装備される。サブバッテリーの追加はオプションで可能。外部100V入力とこれによるサブバッテリーの充電機能はオプションとなる。長期旅ではサブバッテリーの充電が必要になるので、外部100Vによる充電機能は付けておきたい。
価格:車両本体価格は389万円~(2WD/6AT:税別)。ディーゼルも選択できる。(443万円~:同)。FFヒーターや電装系を追加すると40万円以上が追加になるが、他モデルも300万円後半から400万円半ばくらいまでなので、平均的な価格と言える。
競合:ハイエース標準ボディハイルーフでギャレーを持つ二人旅仕様車は、非常に多く発売されている。一例をあげると、
M.Y.SミスティックのマティアスC(410万円~:レビュー記事はこちら)
アネックスのウィズ(476万円~)
カトーモーターのロングトレイン標準ボディ(444万円~:レビュー記事はこちら)
キャンピングカー鹿児島のバースType1(345万円~)
ドリームエーティーの ウォークIIタイプC(370万円~:レビュー記事はこちら)
フジカーズジャパンの フォックスDsコンパクト(350万円~:レビュー記事はこちら)
レクビィのプラスLV (423万円~:レビュー記事はこちら)
などがある。これらは全てハウベルと同じ、前部にギャレー、後部に広いダイネットのレイアウトだが、ハイエース標準ボディハイルーフの二人旅仕様(ギャレーの有無を問わない)で検索すると、更に多くのモデルから選べる。
まとめ:ハウベルはこれら競合の中にあっては必ずしも卓越した存在ではないが、仕立ての良い家具は耐久性に優れ、引き出し式ギャレーは他に無いユニークな機能だ。冷蔵庫や電子レンジも装備できるので、温泉巡りなど長期の二人旅に適した1台だ。
