グリーンバディ(Green Buddy)はトイファクトリーが製作する、ハイエース標準ボディ標準ルーフをベース車にしたバンコンキャンピングカー。
同社はハイエースを中心に各種バンコンをラインアップしているが、グリーンバディは同社のトイズボックス470やトイズボックスS-GLと似たレイアウトを持ちつつ、同社のGT CasaなどのCasaシリーズと共通のグリーンのインテリアを施されている。
なお、グリーンバディは埼玉トヨペットとトイファクトリーのコラボレーションで企画されたモデルで、埼玉トヨペットでも同名で販売されている。(ただし仕様は多少異なる)
(記事中の価格は全て税別です)
コンセプト
ハイエースの中でも最もコンパクトな車体を使用し、日常用途でヴォクシーなどのミニバンと同じように使用できる。加えてフラットなベッドとギャレーを持ち、休日には車中泊を伴うドライブも楽しめる。
グリーンバディでは、同社のCasaシリーズと共通のグリーンのインテリアでコーディネートし、お洒落に新しいライフスタイルを提案している。
エクステリア

グリーンバディのエクステリア
ベース車はハイエース標準ボディ標準ルーフ。車両サイズはトヨタのノアやヴォクシーとほぼ同じなため、運転に戸惑うことは無い。むしろ運転席が高いので見晴らしがよく、運転しやすいほどだ。また標準ルーフなので、高さ制限のある駐車場も入れる可能性が高い。
なおグレードはDXのためバンパーは黒い樹脂のままだが、GLパッケージを選択するとボディ同色になる。また、特設車ではないためトヨタ・セーフティ・センス(TSS)が標準装備される。
ボディ外側への架装は無く外観は通常のハイエースと変わらないので、買い物や通勤など日常使用にも違和感なく使用できる。
インテリア

インテリアはCasaシリーズと共通のグリーンが使われている
グリーンバディのインテリアは、同社のCasaシリーズと共通のグリーンの尾州織物を使ったシートだが、家具色は以前のカリモクバージョンに近い色合いとなっている。運転席、助手席も同色のシートカバーでコーディネートされている。
ルーフにも木目調のパネルが貼られており高級感がある。ただし、ベース車がDXなので窓まわりはトリムされておらず、鉄板のままとなっている。車体色を選択する場合はインテリアにも影響するので注意したい。これはオプションのGLパッケージを付けても変わらない。
レイアウト
フロントシートは運転席と助手席の間にもう1名分のシートがあるので3名が乗車できる。また2列目に3人掛け1200mmのマルチモードシートが標準装備されており、計6名が前向きに乗車できる。
2列目シートを後ろ向きにすると、3列目の簡易シートとで対座ダイネットが形成される。
またフラットにすると2名が就寝できるベッドになる。上段ベッドはオプションで、ここにも大人2名が就寝できるので、最大4名が就寝できる。
ダイネットサイドにはギャレーが標準装備され、シャワー水栓も使うことができる。
ダイネット

2列目シートを後ろ向きにすると対座ダイネットになる
2列目シートを後ろ向きにすると4~5名が標準装備のテーブルを囲んで対座できる。3列目シートはベッドボードの1枚を立てかけてシートバックとして使えるようになっている。
ベッド

上段ベッドはオプション
2列目シートをフラットにすると、最大2600x1200mmのベッドになり、大人2名が就寝できる。ただし左側は家具があるので、足元は狭くなる。
オプションの上段ベッドは1800x1550mmの大きさで、ここでも大人が2名就寝できる。上段ベッドの方が大きいので、大人は上段で就寝した方がゆったり就寝できるだろう。2名で使用するなら、2列目シートの展開をせずに就寝できる。

後部のベッドに子供を寝かせてもダイネットを使える
また、子供が先に寝たら後部の上段ベッドで寝かせておき、ダイネットで大人の時間を楽しむといった使い方もできる。
ギャレー

車外でも使えるシャワーフォーセット
左サイドのギャレーコンソールには、前方にコンパクトなシンクとシャワー水栓が標準装備されており、食器を洗ったり洗面したりできる。シャワーヘッドは引き出して車外で使うこともできる。ペットの足を洗ったりする場合便利だ。

車外から直接出し入れできる給排水タンク
シンクの下には各13Lの給排水タンクが収納されており、車外から直接出し入れすることができる。
冷蔵庫/電子レンジ

21Lポータブル冷蔵庫がオプションで用意されている
冷蔵庫は21Lのポータブル冷蔵庫がオプションで用意されている。これは後部のベッド下に収まる。この冷蔵庫は12Vで動作するが、電装パッケージオプションも同時に装備する必要があり、これで電源が確保される。

ここには上開き式冷蔵庫がビルトインできる。
なお、左側の家具後部上に収納スペースがあるが、ここにはオーダーに応じてドメティックの18L上開き式冷蔵庫をビルトインできる。ただベッドボードをセットすると下に隠れてしまうので、現在は上記のポータブル冷蔵庫がオプションとして用意されている。
なお、ギャレーコンソールの壁面にはCasaシリーズモデルでも使われている美濃焼タイルが貼られている。電子レンジのオプション設定は無い。
ユーティリティールーム
グリーンバディにユーティリティールームは用意されていないが、子供用にポータブルトイレを積んでおくことは可能だ。
収納

下段ベッド下の収納
後部両側の家具には収納スペースが設けられている。また、ベッド下は大きな収納スペースになるので、大き目のバッグやキャンプ用品を積むことができる。

ベッドボードを取り外すと広いラゲッジスペースになる
また、ベッドボードを全て取り外すと広いラゲッジスペースになり、自転車等の大きいものも積むことができる。上段ベッドの下に収まる高さ(720mm以下)なら、自転車を積んだまま上段ベッドで就寝することができる。
空調
暖房はFFヒーターがオプション設定されている。ただしFFヒーターを装備する場合は別売の電装パッケージが必要。なお冷房のソリューションやベンチレーターは設定されていない。
テレビ/ナビ
ナビは特に記載されていないが、専用汎用問わず装着することができる。またテレビはオプションでハイエース用のフリップダウンモニターなどが取りつけられる。
電装系

電装系はオプション
100Ahサブバッテリー、走行充電システム、外部100V電源入力と充電機能、100Vコンセント(2口)、350Wインバーター(疑似正弦波)がセットで、電装パッケージとしてオプション設定されている。電圧計は別オプションとなる。
サブバッテリーは上の写真では増設するスペースがあるように見えるが、増設はできないようだ。もっとも大電力を使う家電品は無いし、インバーターも350Wなので、特に増設する必要性は無いだろう。
なお、ギャレーの電動ポンプと照明は標準装備されているが、電装パッケージを選択しない場合はメインバッテリー(エンジン始動用)を使う。もちろん電気を使いすぎるとエンジン始動ができなくなってしまうので、電装パッケージは是非付けておきたい。
価格(2021年3月現在:千円台切り上げ:税別)
DXグレードガソリン2WD/5MTが最廉価で、341万円~。6ATでは357万円~。なお、標準のままだと黒いバンパーやリアプライバシーガラスではないなど見た目が商用車然としているので、GLパッケージ(約10万円)を選択すると見た目が良くなる。
また電装パッケージ(約30万円:電圧系含む)とFFヒーター(19万円)は是非装備しておきたい。ファミリーで使う場合は上段ベッド(10万円)も必要だ。
他モデル
ハイエース標準ボディ標準ルーフをベース車に使用したモデルは非常に多く存在するが、ここまでシンプル装備なモデルは、コンプリートカーではそれほどない。いくつか挙げると、同社のトイズボックス470(312万円~:DX/ガソリン2WD/6AT)、バンレボのVR470Type-1(314万円~:同)、リンエイプロダクトのファシールバカンチェス・リッツ(374万円~:グレード不明)などがある。
まとめ
グリーンバディは非常にミニバンに近いキャンピングカーだ。日常使いのクルマとしてノアやセレナの代わりに購入すれば、キャンピングカーの世界を垣間見ることができる。ノアのベースグレードの価格は233万円~なので、その差は124万円。
その差はかなりあり、グリーンバディはアルファードにも届く価格だ。しかし、どこにでも行けて車中泊ができる、いわば「自分の部屋」を持つというのはキャンピングカーにしかない魅力だ。
ただ、もしグリーンバディが予算に合わなければ、トイズボックス470という選択もある。これは312万円~で、ノアとの差は79万円、グリーンバディとの差は45万円だ。キャンピングカーがあればテレワーク用の部屋にもなるし、趣味の部屋としても活用できる。もう一部屋持つと思えばこの差額はリーズナブルかもしれない。
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