コルドバクルーズはトイファクトリーが製作する、ハイエーススーパーロングをベース車にしたバンコンキャンピングカー。同社はハイエースを中心に多くのバンコンをラインアップするバンコン専門メーカーで、特にスーパーロングは各種のレイアウトを揃える。

また、そのインテリアやエアロソーラーシステムといったエクステリアへの洗練されたデザインは高い人気を誇っている。なお、同じレイアウトをハイエーススーパーハイルーフで実現したモデルは「ヴォーグ アルタモーダ」として存在する。

　コルドバクルーズのインテリア

コンセプト：ラインアップに共通する洗練されたインテリア、エクステリアを踏襲し、対座ダイネット、後部ハイマウントダブルベッド、トイレルーム、ギャレーを共存させたレイアウトを実現。小さな子供がいるファミリーにも対応する。

エクステリア：右側エクステンションウインドウが標準で架装されるが、展示車にはグランデ仕様オプションが装備されており、左後部とリアゲートウインドウもアクリル化されている。
また、この展示車にはオプションでソーラーシステムが搭載されているが、同社独自のエアロソーラーシステムと名付けられたスタイリッシュな台座にソーラーパネルが収納されている。

　右側はエクステンションウインドウ化されている

インテリア：同社の洗練されたインテリアは高い人気を得ており、コルドバクルーズも同様に高品質のインテリアを持つ。またコルドバクルーズにも「Casa」仕様が用意されており、インテリアのセレクションもできる。

レイアウト：対座ダイネット、ハイマウントダブルベッド、トイレルームは普通に並べただけではスーパーロングと言えども運転席、助手席以後のスペースだけでは収まらない。そこで採用されているのが、運転席、助手席のシートバックを前に倒して後ろ向きのシートに早変わりさせる方法。
これにより、対座ダイネット、ハイマウントダブルベッド、トイレルーム、およびギャレーが全て配置されている。

就寝人数は後部のベッドに大人2名となっているが、ダイネットを展開すれば子供が2名就寝できる。2列目シートは前向き着座してドライブできるので、ファミリーにも対応できる。

　4名が対座できるダイネット

ダイネット：運転席、助手席のシートバックを利用する後ろ向きシートは簡易的なシートではあるが、十分対座ダイネットの形になる。リクライニング調整できないのと、シートバックが倒れすぎているが大きな問題ではないだろう。
2列目シートは前向きに座ってドライブできるので、前向き乗車人数は計4名。チャイルドシートも設置できるので小さい子供がいるファミリーにも対応できる。

　後部のハイマウントダブルベッド

ベッド：後部に横置きハイマウントダブルベッドが常設される。大きさは1800x1500mmで、家庭用で言うとワイドダブルベッドに相当する。エクステンションウインドウで車幅が1800mmまで拡張されるので、車幅方向に就寝できる。
二人で就寝するには十分な幅だが、身長が高いユーザーは身長方向が多少窮屈かもしれない。

ダイネットを展開するベッドは1640x900mmで、大人用ベッドとしてのキャンピングカー要件は満たさない。従って車両の既定就寝人数は2名となるが、ダイネットをベッド展開すれば子供が2名就寝できる。

　上蓋式冷蔵庫がビルトインされたギャレー

ギャレー：シンクと上蓋式冷蔵庫がビルトインされたギャレーコンソールが設置されている。上蓋式冷蔵庫なので、蓋を占めると上に物を置くことができる。ただしもちろん、蓋を開けるためには上のものを移動させる必要がある。
コンロはカセット式ポータブルコンロを使用する度にセットする。なお、ギャレーコンソールには跳ね上げ式調理台が付いており、調理スペースを広げることができる。
下には各13Lの給排水タンクが収納されており、エントランスドアを開けると車外から取り出せる。

冷蔵庫/電子レンジ：40L上蓋式冷蔵庫が標準装備されている。すっきりとしたデザインのギャレーコンソールなので上開き式の冷蔵庫しかビルトインできないのかもしれないが、高級モデルだけに、やはり横開き式冷蔵庫が欲しいところだ。
電子レンジはオプションで装備でき、ベッド下左側のギャレーに近いところに収納できる。ただしベッド下なので使いやすい場所とは言えない。

　カセットトイレが標準装備される

トイレルーム：カセットトイレが標準装備されており、従ってボディ右側中央にカセットトイレタンクの取り出し口が用意されている。なお、トイレルームの窓もアクリル化されており、シェードも付いているので、プライバシーが確保できる。
なおバンコンでカセットトイレが標準装備されるモデルは極めて珍しく、コルドバクルーズの他にはやはり同社のアルコーバの他にはない。

　ベッド下の収納スペース

収納：ダイネット上とベッドルーム右側にオーバーヘッド収納が用意される。逆ぞりした扉で、収納容量が確保しつつ圧迫感を和らげたデザインだ。
大きな荷物はベッド下に収納できる。またベッド下左側の収納はロールアップ式の蛇腹ドアが採用されている。観音式ではなく、外側に荷物があっても開けられるので便利だ。同社のモデルにはこの扉が多く使われている。
また、ベッド下の床は二重構造になっており、下部には引き出し収納と長物収納が用意されている。引き出し収納はペット用品などを入れておくのに便利そうだ。
残念ながら、小物専用の引き出し収納などは無い。

　後部床下の収納

空調：暖房はFFヒーターがオプション設置されている。なお、グランデ仕様を選択すると、これに含まれる。冷房は同社の「クールコンプシステム」がオプション設定されている。これは家庭用エアコンそのものだが、室外機は後部床下に横置きにして取り付けるための改造がされている。

テレビ/ナビ：「19インチマルチカーシアターシステム」がオプション設定されている。19インチテレビの設置場所はダイネットウインドウの前。ナビはアルパイン11型ナビがオプション設定されている。

電装系：100Ahのディープサイクルバッテリーが1個と走行充電が標準装備される。また外部100V電源入力も標準装備される。また1500Wインバーターもオプション設定されている。エアコン装着時はバッテリーの増設と1500Wインバーターが必要となる。
また、同社とシャープで共同開発された220Wのエアロソーラーシステムもオプションで設置可能。ソーラーパネルがスタイリッシュな台座に置かれているので、クルマ全体が美しくまとまっている。

価格：キャンパー特装/2WD/6ATで550万円～（税別）。必需品のオプションとしてはFFヒーターは付けておきたい。また、家庭用エアコン（クールコンプシステム：34万円）もできれば欲しいところ。折角のお洒落なインテリアなので、夏場に汗だくで過ごすのは似合わない。
クールコンプシステムを搭載しない場合でも、長期旅をするなら電子レンジ（24,000円）と1500Wインバーター（154,000円）を付けておきたい。また、同社のバンコンを選ぶならエアロソーラーシステム（277,000円）も付けておきたいところだ。
車内で料理する場合はベンチレーター（73,000円）は必需品になる。（価格は全て税別）

他車：ハイエーススーパーロングでコルドバクルーズと全く同じレイアウト、即ち、対座ダイネット、ハイマウントダブルベッド、ユーティリティールーム、ギャレーを全て併せ持つモデルは、ありそうで無い。（同社のヴォーグを除く）
これは冒頭にも述べた通り、これら全ての要素を両立させるのはかなり厳しいからだ。

そこで多くのモデルはハイマウントダブルベッドではなく縦置き2段ベッドで対応している。これには同社のアルコーバ（560万円～）をはじめ、レクビィのファイブスター（547万円～）、カントリークラブ（552万円～）、プラスDD（485万円～）、オーエムシーの銀河（469万円～）など多数ある。

まとめ：同社は多くのハイエーススーパーロングのレイアウトを用意しているが、その中であえてコルドバクルーズを選択する理由は、対座ダイネット（前向き着座可能）、ハイマウントダブルベッド、ユーティリティールームが共存し、小さい子供がいるファミリーにも対応していることだろう。

ただし、小さい子供がいるファミリーにも対応でき、対座ダイネット（前向き着座可能）とユーティリティールームを望むなら、GT（後部横置き2段ベッド）でも、アルコーバ（縦置き2段ベッド）でも良い。
あえてレイアウト取りが厳しくなるダブルベッドのレイアウトを選ぶ意義は、高所に上り下りする必要がないこと。年配のユーザーにはダブルベッドの方が安全だ。
逆に言えば、ダブルベッドが嫌でなければアルコーバの方が使いやすいだろう。このレイアウトなら他社も含め選択肢は多くなる。

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アルコーバ	ヴォーグアルタモーダ	ランドティピー Casa