フリーデッキJOYはホワイトハウスが製作する、ホンダステップワゴンを使用したミニバンベースキャンピングカー。ステップワゴンにポップアップルーフを架装している。
JOYは最上級グレードで、ギャレーや冷蔵庫など充実した標準装備が特徴。ベーシックグレードのPop、中間グレードのHot Package、Weekenderも選択できる。
Popは通常のステップワゴンにポップアップルーフを追加、Hot Packageは電装系、Weekenderはフラットベッド、Joyはギャレーを、それぞれ下位グレードに追加する。

フリーデッキJOYのインテリア
コンセプト:外観は通常のステップワゴンと変わらないので、日常にも違和感なく使用できる。車中泊ではポップアップルーフを上げると広い室内になり、3名が就寝できるのでファミリーにも対応。特筆できるのは、車外で使える引き出し式のシンクとコンロが標準装備されたこと。ミニバンベースのキャンピングカーでもさらに一歩踏み込んだ楽しみ方が提案されている。
エクステリア:ポップアップルーフを畳むと通常のステップワゴンと変わらず、通勤や買い物にも違和感なく使用できる。また車高も高くないので、地下駐車場など車高制限のある駐車場にも駐車できる。

フリーデッキJOYのフロアベッド
インテリア:2列目シートはオリジナルのステップワゴンのシートから変更されており、畳むとフラットになる独自のシートが採用されている。また、運転席、助手席は回転して後ろ向きになり、ダイネットシートとして使用できる。3列目シートはステップワゴンのオリジナルシートが残るが、JOYでは右側はギャレーが設置されているため取り外されており、左側のみ残っている。乗車定員は、運転席、助手席、2列目シートに2名、3列目シートに1名で計5名となる。

運転席、助手席シートは回転して後ろ向きにできる
ダイネット:前向きの2列目シートと、後ろ向きにした運転席、助手席シートで対座ダイネットを形成する。テーブルも用意されており、車内で食事したりコーヒータイムで寛ぐことができる。
ベッド:2列目シートと3列目シートをフラットにしてベッドメーキングする。車幅的には2名就寝できるが、足元にギャレーコンソールがあるので、現実的には大人1名と小さな子供1名が就寝できる。
ポップアップルーフをアップするとフロアベッドになるので、ここでも大人が2名就寝できる。従って小さい子供がいる4名程度のファミリーにも対応できる。

コンパクトなギャレーが埋め込まれている
ギャレー:JOYにはギャレーが標準装備される。コンパクトなシンクがビルトインされており、蛇口も付いている。更に、20L上開き式の冷蔵庫と電子レンジも標準でビルトインされている。
そしてさらに、リアハッチを開けると、車外で使える引き出し式のシンクとガスコンロも標準装備されている。今までのミニバンベースのキャンピングカーはベッドと簡単なギャレー止まりだったが、フリーデッキJOYではミニバンベースでもここまでできるというチャレンジングな提案がされている。

引き出して車外で使えるシンクとガスコンロ
収納:ハイエースクラスのキャンピングカーでもカトラリー収納を持つモデルは少ないが、フリーデッキJOYでは、大きなカトラリー収納が用意されている。蓋には鏡が付いているので、食事をしないユーザーは化粧品などを入れておくこともできる。
ギャレーコンソールにはこのほかにも引き出しが用意されており、食器などを入れておくことができる。カバンなど大きな荷物は、後部ベッド下や2列目シート下にも多少スペースがある。

カトラリー収納も用意されている
空調:HOT Package以上にはFFヒーターが標準装備される。FFヒーターは必需品に近い装備なので、標準装備されているのは嬉しい。冷房系のオプションは用意されていない。
電装系:100Ahのサブバッテリーと走行充電が標準装備される。外部100V入力とこれによるサブバッテリーの充電機能はオプション。しかし1500Wのインバーターが標準装備されているので、サブバッテリーで電子レンジや100Vの家電品を使うことができる。
リチウムイオンバッテリーはオプションで設定されていないが、電子レンジや家電品を使う頻度が多いなら、100Ah程度のリチウムイオンバッテリーに交換すると安心できる。
価格:JOYの車両本体価格は440万円(2ED:税別)。普通のステップワゴンを購入するより100万円以上高価だが、休日の行動範囲は大きく広がる。商用車ではないミニバンベースで、キャンピング仕様を望むユーザーにはアピールできるモデルと言える。
なお、ポップアップルーフ無しのモデルも選択できるが、やはりポップアップルーフは付けておきたい。72万円の差は大きいが、停泊時の開放感が全く異なる上、ファミリーで車中泊するなら必須のアイテムとなる。
まとめ:ミニバンベースのキャンピングカーと言えば、従来はポップアップルーフは架装されているにしても、簡単なギャレーが付いている程度で、ほとんどはフラットなベッドがあればよい、という程度だった。
しかし、このフリーデッキJOYは、車外で使えるギャレーで、ミニバンベースのキャンピングカーで一歩先を提案している。商用車でなく、質の高いドライビングも求めるユーザーには新しい選択肢ができた。
ミニバンベースキャンパーには西尾張三菱自動車販売のデリカD:5 D:Pop(レビューはこちら)や、日産ピーズフィールドクラフトのセレナP-SV(レビューはこちら)などがあるが、いずれもフリーデッキJOYほどの装備は無い。
