DarwinQ2 デルタリンク


Darwin(ダーウィン)Q2はデルタリンクが製作するハイエーススーパーロングをベース車にしたバン・コンバージョンキャンピングカー。
同社は、他社のモデルも販売しているが、ダーウィンはDabster、Virgilと並んで同社のD.V.D(Delta Van Design)のオリジナルブランド。

Darwinシリーズはその中で最も装備が充実したキャンピングカーで、インテリアも凝ったものになっている。DarwinシリーズにはQx(xは数字)のモデル名が与えられており、現在Q1~Q5がラインアップされている。(Q4は無い)ちなみに、全てハイエースベースで、
Q1:ロングワイドベースで、後部にラウンジダイネット
Q2:スーパーロングベースで、2列目と3列目シートでコの字型ダイネット
Q3:スーパーロングベースで、ハイマウントダブルベッドと対座ダイネット
Q5:スーパーロングベースで、ユーティリティールームとハイマウントベッド

なお、以前はQ7というキャブコンも存在していたが、現在はラインアップされていない。

さて、今回取り上げたDarwin Q2はDarwinシリーズでは最も新しいモデルで、ジャパンキャンピングカーショー2019(ダイジェストビデオはこちら)でデビューした。

エクステリアは、特に架装した部分はなく、ダーウィンシリーズ独特のサイドデカールを除けばノーマルのハイエースと変わらない。
もちろんオプションのデカールを貼れば、ダーウィンとすぐに分かるだろう。

 DarwinQ2のレイアウト

レイアウトは2列目に3人掛けのマルチモードシートを置き、前向きにトータルで5名が着座してドライブできる。3列目は横座りの対座シートが置かれ、2列目シートを後ろ向きにすると、コの字型ダイネットができる。
最後部には両側にギャレーコンソールを置き、片側にシンク、反対側に冷蔵庫を収納するという、比較的レアなレイアウトになっている。
5名前向き着座ながら就寝は2名(仕様上は3名)なので、ファミリー向けなのか二人旅向けなのか、コンセプトが多少分かりにくい。

インテリアは配色を選べるが、展示車は淡い木目調の家具で、明るい室内に見せている。重厚な高級感は無いが、欧州車のようなナチュラルな質感がある。

ダイネットは、後ろ向きにした2列目シートと3列目の横置き対座ソファでコの字型ダイネットを形作っている。テーブルも二人旅なら十分な広さながら、ベッド展開時にテーブルが重くて面倒というほどの重さではない。

ベッドはこのダイネットを展開してメークする。3列目シートは背もたれで中央を埋めるだけなので比較的苦労は無いが、やはり2列目のマルチモードシートをフラットにするのは面倒だ。幅が広いので車外に出て作業するとよいが、雨で出られない場合は狭い室内で行うことになる。多くのユーザーはベッド状態にしたまま過ごすことが多いだろう。

 最後部にギャレーコンソールを配置する

ギャレーは最後部にあるが、3列目からのアクセスは簡単にできる。ただし、2列目シートに前向きに着座している場合、冷蔵庫にアクセスするのは面倒だろう。
左側のギャレーコンソールには丸形シンクがビルトインされており、その横は広くスペースが取ってあるのでカセットガスコンロを置いて調理することもできる。シンクの下には各19リッターの給排水タンクが収納されており、リアハッチを開けるとすぐに取り出せる。
また下にはオプションで電子レンジを収納するスペースが確保されており、すっきり収まっている。
反対側のコンソールには上蓋式冷蔵庫がビルトインされている。上面は広く、調理台としても使えるだろう。

収納はギャレーコンソールに多少あるが、二人分の食器程度なら何とか収納できるだろう、ただ、鍋などの調理器具は難しいかもしれない。
なお不可解なのはオーバーヘッド収納があるべき位置に取り付けられている棚。折りたたみできるようになっており、使わない場合はコンパクトに畳んでおける。
しかし、モノを乗せたまま走行すると当然落ちてしまうので、停泊時にテンポラリーな使い方しかできない。そのような使い方にこれだけの広さが必要なのかも疑問だ。
扉が付いたオーバーヘッド収納はコストがかかるのかもしれないが、使えない棚を設置するよりオーバーヘッド収納をオプションにした方が良いのではないだろうか。

 右サイド上部の”棚”

空調はFFヒーターがオプション設定されるが、家庭用エアコンなどの冷房設備は設定されていない。最上級のQ3にも家庭用エアコンの設定はないのでQ2に無いのは理解できるが、やはりエアコンのソリューションは欲しい。

電装系は100Ahのサブバッテリーが1個標準装備される。インバーターもオプションで、電子レンジを装備した場合は、1500W以上のインバーターを選ぶ必要がある。
走行充電のみならず外部電源入力/充電も標準装備されるのは嬉しい。

価格は467万円~(2WD/6AT 税別)。ハイエーススーパーロングでは300万円後半から500万円台までが多いので、標準的な価格設定だ。
ただ、Darwin Q3(536万円~)やDarwin Q5(548万円~)と比べると、確かに価格は有利だが、使い勝手的には疑問が残る。



モデル Darwin Q2
ビルダー デルタリンク
ベース車 ハイエーススーパーロング
形態 バンコンバージョン
ルーフ架装 -
ナンバー区分 8
乗車人数 9
就寝人数 3
ダイネット形態 コの字型
ベッド形態 ダイネット展開フロアベッド
コンロ ○(卓上型カセットタイプ)
シンク
給水タンク ○(19L)
排水タンク ○(19L)
冷蔵庫
電子レンジ OP
ユーティリティールーム -
ポータブルトイレ -
カセットトイレ -
温水シャワー設備 -
ルーフベンチレーター -
サンルーフ -
FFヒーター OP
ルームエアコン -
サブバッテリー ○(101Ah x1)
バッテリー増設 -
走行充電システム
外部100V入力/充電 ○/○
インバーター OP
発電機 -
ソーラーシステム OP
全長(mm) 5,380
全幅(mm) 1,900
全高(mm) 2,285
価格 467万円~(2WD/6AT)

2019年3月現在  (○は標準装備/OPはオプション)
価格は千円台切り上げ(税別)

Darwin Q2の動画はこちら

2019.4.4