オーロラスタークルーズは、ケイワークスが製作する、ハイエース標準ボディをベース車に使用し、オプションでポップアップルーフを架装できるバン・コンバージョンキャンピングカー。

同社はハイエースをベース車にしたバンコンを中心に、軽キャンパーやトラベルトレーラーも取り扱っている。オーロラスタークルーズの特徴はこだわりのある家具とリチウムイオンバッテリー。オーロララインナップ全車種にリチウムイオンバッテリーを標準装備している。

オーロラスタークルーズには「エヴァンス」や「クラシックバン」（記事はこちら）など様々なバリエーションがあり、ワイドロングが主にベース車として使われているが、標準ボディも加わった。
「オーロラスタークルーズ ナロー」はワイドロングボディ版をそのまま標準ボディに展開したもので、高級感が継承されている。

エクステリアは、ハイエース標準ボディにポップアップルーフを架装した以外に変更はなく、ポップアップルーフを閉じた状態では、通常のハイエースと変わらない。従って日常用途には違和感なく使用できる。むしろ標準ボディなので、スーパーやコンビニの駐車場での取り回しがやり易い。
また、全高は2100mmなので、高さ制限のある駐車場に侵入できる可能性も高い。

　2列目にマルチモードシートを採用

インテリアは、シックな木目の家具とダークブルーのシートで構成されており、落ち着いた印象。家具は同社のこだわりである三河家具職人による手作り高級家具だけに、高品質感が感じられる。また、スポットライトによるLED照明は調光機能付きで、ムードのある室内を演出する。

レイアウトは、2列目にマルチモードシート（REVOシート）を配置、後部は横置きソファとギャレーコンソールが置かれている。2列目シートは3人掛けで、前向きにもできるので、5名が前向きに着座してドライブできる。

　後部から見たレイアウト

ダイネットは、2列目シートを後ろ向きにすると、後部の横置きシートとともにL字型ソファでテーブルを囲む。後部の横座りシートとギャレーコンソールの間をベッドマットで埋め、2列目シートの背をリクライニングすると、脚を伸ばして寛ぐこともできる。
なお、ベッドマットは家具に収納できる。

　シートをフラットにしたフロアベッド

ベッドは、後部をベッドマットで埋め、各シートをフラットにするとフロアベッドとなり、ここで1名が就寝できる。またポップアップルーフを上げると、ここでも2名が就寝できるので、計3名が就寝できる。
なお、オプションの上段ベッドボードを使用すると追加で2名が就寝できる。従ってファミリーでも使用できる。

　ギャレーコンソールのシンクとシャワーフォーセット

ギャレーは後部左側に設置されており、曲線を描くギャレーコンソールは優雅な雰囲気を与えるとともに、足元が狭くならないように工夫されている。コンソールにはコンパクトなシンクが埋め込まれている他、シャワーフォーセットも用意されている。フォーセットは後部から外に引き出して使用できるので、ペットの足を洗うなどといった使い方も可能。シンクの下には各10リットルの給排水タンクが収納されている。また後部対面には49リットルの冷蔵庫をビルトインした収納家具も設置されている。コンロはカセット式ポータブルコンロが付属する。なお、電子レンジの設定は無い。

収納は冷蔵庫の上に引き出し収納が用意されており、小さな食器などを入れるのに便利。また冷蔵庫の前には床下収納も用意されている。これはステンレス仕様で排水口も用意されているので、水を使うこともできる。大きな荷物はベッド状態にした場合、ベッド下に収納スペースができる。

　ベッド下の収納スペース

空調はFFヒーターがオプションで用意されているが、これは装備しておくと良いだろう。またルーフベンチレーターもオプションで用意されている。ポップアップルーフを上げて換気できるので必須ではない。

電装系はオーロラスタークルーズの特徴のひとつで、全車に100Ahのリチウムイオンバッテリーが標準装備される。ディープサイクルバッテリーの効率は60％程度なので、2倍弱の容量があることになる。ただし外部100V入力はオプション。もちろん外部入力での充電もオプションになる。なお216Wのソーラーシステムもオプションで設置できる。走行充電だけで満充電するのは非現実的なので、外部100V入力とそれによる充電機能は必須だ。なお、1000Wのインバーターが標準装備される。

価格は463万円（2WD/6AT：税別）だが、ポップアップルーフ（85万円：同）を装着すると550万円程度になる。リチウムイオンバッテリーを標準装備しているのが影響しているかもしれないが、ポップアップルーフを装着する他車が、高価な方でも400万円台中～後半であることを考えると、比較的高価な位置付けになる。
他車に200Ahのリチウムイオンバッテリーを装着しても、同価格以下で収まるのではないだろうか。しかし高品質の家具と高級感あるインテリアはオーロラスタークルーズの優位点ではある。