ハイエース、あるいはNV350キャラバンの標準ボディバンコンでFRPのハイルーフを架装したモデルは、あまり多くない。
スーパーロングとロングワイドベースでは、それぞれ10モデル近く存在するが、標準ボディとなると、実はほとんど無かった。
それが、2016年のジャパンキャンピングカーショーで、アネックスからコンポーザー、RVビックフットからACSエールームが発表された後、テッツRVセンターからナローエース、RVトラストからロイヤルJが発表された。
更に、アネックスのコンポーザーは、with Dog、with Familyとバリエーションを追加している。
アネックスのコンポーザー with Dog
ブームが起こっているとまでは言えないが、多少なりとも注目が集まっていることは確かだろう。
そこで、今回はハイルーフを架装したハイエース/NV350キャラバン標準ボディの4モデルを比較してみたい。
その前に、ハイルーフの利点と欠点を確認しておこう。
まず利点は、言うまでもなく天井が高くなり、室内の解放感が増すこと。
車内で立ち上がれるのとそうでないのとでは、ストレス感が大きく違う。
特に長旅の場合は、大きな差となって現れるだろう。
テッツRVセンター/ナローエースのハイルーフ内部
ハイルーフにするだけなら、ポップアップルーフでも良い。
ポップアップルーフなら、通常は下げておけるので、キャンピングカー然とした外観ではないし、高さ制限のある駐車場にも入っていける場合が多い。
しかし、ハードルーフは逆に常に高いルーフだからこその利点がある。
いちいちルーフを上げたり下げたりする必要が無いのは当然だが、雨や強風にも強い耐候性、FRPならではの断熱性、そして外部の音が侵入し難い防音性に優れている。
また、オーバーヘッド収納を装備し易いことも利点の一つだ。
即ち、ポップアップルーフが「簡易的」な室内であるのに対し、ハードのハイルーフは常時室内なのだ。
もちろん、欠点もある。
車高が高いことにより、高さ制限のある駐車場には、まず入れない。
コインパーキングなどでも、ゲートに雨除けルーフがある場合には入れない場合がある。
また、横風の影響も受けやすい。
更に、買い物や通勤など日常用途にも使用する場合は、ちょっと目立ちすぎて敬遠するユーザーも多いだろう。
最近では、ファーストカーとしてミニバンからバンコンキャンピングカーに乗り換えるユーザーが多く、ビルダーもどうしてもそちらに力が入ってしまうという事情もあったかもしれない。
ここに来て、わずか半年の間に4モデルが発表、発売された理由は分からないが、少なくとも、取り回しが良く、なおかつ居住性が良い、という要求をハイレベルで満たす形態として、標準ボディのハイルーフモデルが注目されているのではないだろうか。
次回は、これら4モデルを比較してみよう。
・コンポーザー アネックス
・ACSエールーム RVビックフット
・ナローエース テッツRVセンター
・ロイヤルJ RVトラスト