ハイエース標準ボディハイルーフの特徴
ハイエース標準ボディハイルーフをベース車に使用した「二人旅仕様」のモデル比較は以前リリースした。読者の方からファミリー向けのモデルも特集して欲しいとの要望をいただいたので、今回はハイエース標準ボディハイルーフをベース車に使用したファミリー向けバンコンの特集をする。
ハイエース標準ボディハイルーフは、トヨタのノアなど5ナンバーミニバンとほぼ同じサイズで、一般的な5x2mの駐車枠に収まる。しかしハイルーフなので車内での圧迫感は少なく、運転しやすく広い車内のベース車として人気だ。
今回はファミリー向けとしたので、少なくとも3名が前向き乗車でき、3名が就寝できるモデルを選択した。従って、大なり小なりマルチモードシートを備えている。そのため日常使用では前向きに乗車でき、ミニバンのよう通勤や買い物にも違和感なく使用できる。ただし高さには注意する必要がある。
今回ピックアップしたのは以下の10モデル。
目 次
ウォークⅡTypeA:ドリームエーティー
ドリームエーティーは北海道帯広市に拠点を置くビルダーで、ハイエースとNV350キャラバンベースのバンコンをラインアップしている。「Walk(ウォーク)」は同社のキャンピングカーのブランド名で、「ウォークⅡ」はハイエース標準ボディハイルーフをベース車にしたモデル名で、ウォークⅡにはファミリー仕様の「Type-A」と二人旅仕様の「Type-C」がある。
ウォークⅡ Type-Aのインテリア
今回取り上げたのはウォークⅡ Type-Aで、2列目に3人掛けのマルチモードシートを配置する。また3列目は横座り対座シートで、3列目だけで4名が対座できる。
ベース車は特設車で、乗車人数は運転席と助手席、2列目シートに3名、3列目に4名の計9名だが、前向きには5名が着座できる。
ダイネットを展開したフロアベッド
またシートをフラットにしてできるフロアベッドでは、就寝人数が大人3名もしくは大人2名+子供2名となっている。上段ベッドのオプションは無いが、そのためギャレーが上段ベッドで隠れてしまうことはなく、常時使用できる。
跳ね上げ式調理台が2か所あるギャレー
ギャレーは最後部右側に配置されており、二つの跳ね上げ式調理台も付いている。冷蔵庫はオプションで、ポータブル式のものが用意されているが設置場所は指定さえていない。また電子レンジはオプションでも設定されていない。
収納は3連のオーバーヘッド収納が設置されているほか、両側の3列目シート下にも収納スペースが確保されている。
跳ね上げ式の最後部ベッドマット
最後部のベッドマットはワンタッチで跳ね上げられるようになっており、これがウォークシリーズの特徴の一つとなっている。これにより、最後部のシートを跳ね上げると広い荷物スペースができる。
インテリアは特に凝ったものではないが、シート地や家具色が多数用意されており、好みに合ったインテリアカラーが選択できる。
ギャレーはあるが冷蔵庫や電子レンジが無いので長期旅には向かないが、ファミリーで2~3日のクルマ旅といった使い方が適している。
⇨ 詳しい記事はこちら
オレオ:キャンパー鹿児島
キャンパー鹿児島は社名通り鹿児島市に本拠を置くビルダーで、ハイエースを中心に軽キャンパーも含めてラインアップしている。
同社にはハイエース標準ボディハイルーフを使用したモデルはこのオレオと二人旅向けのバースTypeⅠがある。
オレオのインテリア
オレオは3列目シートを横座りにして乗車できるので、乗車人数は7名(特設車)となる。なお運転席、助手席の間にもシートがあるDXグレードの場合は8名が乗車できる。また、2列目のマルチモードシートには3名が座れるので、前向き乗車は5名(特設車)となる。
2列目シートを後ろ向きにすると、3列目の簡易シートとで対座ダイネットを形成する。なお3列目シートは横座りにもできるので、コの字型ダイネットとすることもできる。
後部にはギャレーが配置される
後部には左側にギャレーコンソール、右側に上段ベッドボードを収納する家具が配置されている。ギャレーはコンパクトなシンクがビルトインされているが、上段ベッドボードをセットするとギャレーは下に隠れてしまう。
ベッドモードでは大人3名子供2名が就寝できる
ベッドはシートをフラットにしてできるダイネットベッドと、後部の上段ベッドがあり、ダイネットベッドで大人3名、上段ベッドで子供2名が就寝できるとしている。ベッドサイズの表示は無いが、ダイネットベッドは車幅いっぱいに取られており、就寝は大人3名となっているので1500mm程度はあると思われ、これは家庭用ベッドではダブルベッド以上に匹敵する。
冷蔵庫はオプションだが40Lの横開き式のものが用意されており、冷蔵と冷凍が同時にできる。ただし電子レンジの設定は無い。
収納は3列目シート下にあるが、それ以外はほとんど無い。食器や食料品などを収納しておくスペースが無いので、長期旅というよりは休日に車中泊を兼ねてドライブに行くといった用途に適している。
クッチェッタカナート:ビークル
ビークルは埼玉県草加市を拠点とするビルダーで、ハイエースとNV350キャラバンをベースにしたバンコンを多数ラインアップしている。同社の特徴は天然木化粧合板を使用した家具で、長年使っても曲がりや狂いが出ないとしている。
同社のハイエース標準幅ハイルーフは二人旅仕様のハウベルと、ファミリー仕様のクッチェッタに分けられ、更にクッチェッタには対座ダイネットのファミーユと、3列目が横座り対座のカナートが選択できる。
従って、ファミリー向けにはファミーユとカナートの2モデルがあるが、ここでの写真とビデオはカナートを使用している。
クッチェッタカナートのインテリア
クッチェッタは2列目に3人掛けマルチモードシートを配置し、前向きにすると計5名が前向き乗車できる。なお乗車人数は特設車は7名、DX車は8名となっている。
オプションの上段ベッドボードを設置した状態
シートを全てフラットにすると、ダイネットベッドができ、ここでは大人が3名就寝できる。またオプションの上段ベッドボードを設置すると、ここでも大人1名と子供1名が就寝できる。なお上段ベッドボードを使用しない場合はルーフサイド上部にベルトで固定して収納する。これは多少労力を要する。
扉を跳ね上げて広いギャレーができる
クッチェッタのギャレーはユニークで、引き出したシンクと対面の家具の扉で広い調理スペースを持つキッチンが出来上がる。
冷蔵庫は49Lの横開き式がオプション設定されている。なお妙なことにファミーユも同じようなギャレーを持つがこちらは冷蔵庫が標準装備になっている。なお、電子レンジはオプションで設置できるが、設置スペースはギャレー上にベルトで固定する形になる。
収納はオーバーヘッド収納がオプション設定されている。これも不思議なことにファミーユは標準装備されている。その他の収納では、3列目シート下に大き目の収納スペースがある。またギャレーコンソールに引き出し収納と扉付きの収納が用意されているので、食器やカトラリーの収納ができる。
クッチェッタファミーユとカナートはオプションの上段ベッドが高い位置にセットされるため、下に自転車を積み込むことができる。自転車を積んだまま就寝できるのも特徴の一つだ。
⇨ 詳しい記事はこちら
コンパスビッツ ハイルーフ:ホワイトハウス
ホワイトハウスは愛知県愛知郡を拠点とするビルダーで、ハイエースの各種バンコンとステップワゴンなどのミニバンベースキャンパー、そしてN-Vanなどの軽キャンパーを多数ラインアップしている。
コンパスは同社のハイエースキャンパーに共通したブランドで、スーパーロングからポップアップルーフ、ハイルーフとルーフ形態も選択できる。また、全車にエクステンションウインドウを標準装備しているのも特徴。
コンパスビッツハイルーフのインテリア
コンパスビッツはコンパスのラインアップでは最も小型のモデルで、ポップアップルーフとハイルーフが選択できる。コンパスと言えばポップアップルーフが有名だが、ハイルーフバージョンは断熱性やポップアップルーフの上げ下ろしをする必要が無い点で優位性がある。
レイアウトはポップアップルーフバージョンと変わらないが、ハイルーフであることからオーバーヘッド収納が設置される点が異なる。
レイアウトは2列目に900mm幅の2人掛けのマルチモードシートを持ち、3列目の簡易シートとで4名対座ダイネットを形成する。また前向きにすると5名が前向き乗車できる。(DXの場合:特設車では4名)
ベッドモードでは大人2名と上段で子供2名が就寝できる
シートを全てフラットにするとダイネットベッドになり、ここでは大人2名が就寝できる。
上段ベッドは1660x1230mmの大きさで、子供用の設定。エクステンションウインドウで車幅が拡張されているので、通常の標準ボディハイルーフよりは多少広くなっている。
ギャレーは出窓風になっている
ギャレーはダイネットサイドにあり、ダイネットから冷蔵庫などにすぐ手が届くので便利だ。ただ、給排水タンクの出し入れは多少苦労しそうだ。なお冷蔵庫は20L上開き式がオプション設定されている。また電子レンジの設定は無い。
収納は右サイド上部にオーバーヘッド収納が標準装備される。またギャレーコンソールにはスライド扉付きの収納スペースが用意されている。更に後部両側の家具には上下にわたって収納スペースが設けられている。
大きなカーゴスペースにもなる
シート下の収納は無いが、大きなバッグなどはベッド下に収納しておくことができる。さらにベッドボードを全て取り去ると、広大なカーゴスペースになり自転車も積むことができる。
ただしハイルーフバージョンではポップアップルーフのようにルーフベッドが無く、また上段ベッドは子供用なので、自転車を積むと大人用ベッドは設置できない。現地についたら自転車を降ろしてベッドセットするといった使い方になるだろう。
⇨ 詳しい記事はこちら(ポップアップルーフ)
ちくら:OMC(オーエムシー)
OMC(オーエムシー)は東京都武蔵村山市を拠点とし、ハイエースの各種ボディサイズのバンコンを多数ラインアップしているハイエースバンコン専門ビルダー。
看板モデルの「銀河」をはじめユニークなレイアウトを提案しているが、ちくらもその一つ。標準ボディハイルーフのコンパクトなボディながら縦置き段違いベッドで1850mmのベッド長を実現している。
ベッド展開モードでは上段ベッドがスライドする
幅の広い3名分のベッドを実現している秘密は、上段ベッドがスライドして下段ベッドに一部かぶさることにより、実際の車幅より広いベッド幅を実現している。
左側には4名対座のダイネットをベッド展開した下段ベッドがあり、大きさは1850x1100mmで大人が2名就寝できる。上段は収納時は1850x360mmだが、スライドして広くすると700mmの幅になる。即ち上下段の幅を足すと1800mmになり、ベース車の車幅以上になる。
ダイネットモードでは4名が対座できる
ダイネットは2列目に二人掛けのマルチモードシートを配置し、3列目シートとで対座ダイネットを形成する。また2列目シートを前向きにすると、計6名が前向き乗車できる。
ギャレーは前部にあり、L字型のギャレーコンソールにはシンクと15Lの上開き式冷蔵庫が標準装備される。更に上段ベッドの下には電子レンジと19型テレビが標準でビルトインされる。
L字型のギャレー
更に最後部にはポータブルトイレを置くスペースを確保。完全な個室ではないが、子供用にトイレを設置しておくことができる。
またオプションで家庭用エアコンを設置できる。エアコン設置時はリチウムイオンバッテリーを選択することもでき、エアコンを実用的に使用することができる。ただし残念ながら、エアコン設置時は冷蔵庫を設置するスペースが無く、ポータブル冷蔵庫になる。
収納は上段ベッドの乗った家具の下部と、3列目シートの下に用意されている。ただ、それ以外に主だった収納は無い。
ちくらは他に類を見ないユニークなレイアウトで、3名のファミリーが休日に車中泊を伴ったドライブに行くといったケースに適している。
トイズボックス470:トイファクトリー
トイファクトリーは岐阜県可児市に拠点を置くバンコン専門ビルダー。ハイエーススーパーロングを中心に充実したラインアップを揃えるが、バスコンモデルも存在する。
トイズボックス470は、その中でハイエース標準ボディハイルーフを使用した唯一のモデル。
トイズボックス470のインテリア
2列目にマルチモードシート(REVOシート)を配置するが、これはオプション。標準ではハイエースのオリジナルシートが使用される。従って、後ろ向きにして対座ダイネットにしたりフルフラットにしてベッドにするにはオプションを選択する必要がある。
ただし上段ベッドは1820x1400mmの大きさで大人2名が就寝できるので、2名で使用する場合は2列目シートを変更する必要はない。
対座ダイネットモード
2列目シートをオプションのREVOシートに変更すると、後ろ向きにして簡易3列目シートとで対座ダイネットが形成できる。またシートをフラットにすると、1900x1200mmの下段ベッドになり、上段ベッドと合わせて大人4名が就寝できる。
更に、オプションで上段ベッドを上部に設置することができ、この状態でベッド下に自転車を積むことができる。この場合は下段ベッドの展開はできないので二人就寝となる。
コンパクトなシンクがビルトインされている
ギャレーは左サイド後部にシンクが埋め込まれており、シャワーヘッドは主に車外で使えるように考慮されている。下には各13Lの給排水タンクが収納され、車外からの出し入れも可能だ。
収納は後部の収納家具にそのスペースが確保されているが、小物収納は無い。一方、後部は広いカーゴルームなので、大きな荷物でも難なく積むことができる。
トイズボックス470のコンセプトは、どちらかというと自転車を積んで二人で使用するといった方向性が強いかもしれない。しかし、2列目シートをマルチモードシートに変更してファミリーで使用することももちろん可能だ。長期旅というよりは、近郊へファミリーで出かけ車中泊を楽しむといった使い方が適している。
ナロー銀河:オーエムシー
前出の同社の「ちくら」が4名対座ダイネットだったのに対し、ナロー銀河は2名対座ダイネットのレイアウト。車名の通り同社のスーパーロングベースの「銀河」のレイアウトを標準ボディに凝縮したイメージだ。
即ち、前部にギャレー、後部に縦置き2段ベッドと2名対座ダイネット、そして最後部にトイレルームを配置する。このサイズのバンコンでトイレルームを持つものは極めて少ない。
ナロー銀河のインテリア
2名対座ダイネットというと二人旅仕様と見られがちだが、「銀河」同様ファミリーにも使える優れたレイアウトだ。その理由は2段ベッドの上段を下段ベッドのシートバックとして使うとロングシートになり、ここにも2名程度が座れることにある。ただ、就寝人数は3名なので、3名までのファミリーに対応する。
2列目単座シートは前向きにすると前向き乗車でき、運転席、助手席、2列目、3列目シートで計4名が前向き乗車できる。
ベッドモードでは3名が就寝できる
ベッドはこのクラスでは他にほとんど存在しない縦置き常設2段ベッド。大きさは上段が1850x650mm、下段が1850x70mmだ。縦置きにすることにより身長方向が1850mmとれ窮屈感が少ない。
またダイネットを展開すると1850x500mmのベッドになる。これは辛うじて基準を満たすベッド幅で寝返りは難しい。同社は補助ベッドと位置付けている。
横開き式冷蔵庫や電子レンジが標準装備
ギャレーはエントランスの正面で、ギャレー前のスペースが確保されているので調理がやりやすい。ギャレーコンソールにはシンクのほか、40L横開き冷蔵庫、電子レンジが標準装備される。
最後部のトイレルームはドアで仕切られ、完全な個室になる。ポータブルトイレも標準装備される。大人でも使用できるスペースが確保されており、他にはない大きなアドバンテージだ。
最後部のトイレルーム
収納は3列目シート下と下段ベッドの奥の下が収納スペースとして用意されている。ただしオーバーヘッド収納やギャレーまわりに収納が欲しいところ。
エアコンは12V仕様の車載用クーラー「CoolStar」か、100V仕様の家庭用エアコンが選択できる。CoolStarの場合は40L横開き冷蔵庫がビルトインされるが、家庭用エアコンの場合はスペースの関係で15Lの引き出し式冷蔵庫になってしまう。
ナロー銀河は二人旅にも適しているが、3人までのファミリーにも対応できる。コンパクトながら装備が完璧に近いモデルだ。
⇨ 詳しい記事はこちら
ハイエース2B:タコス
タコスは東京都立川市に拠点を置くビルダーで、タウンエースベースのコンパクトバンコンからハイエースバンコン、カムロードベースのキャブコンまで広い範囲でキャンピングカーの製作を行っている。
同社のハイエースベースのバンコンはこのハイエース2Bのほか、スーパーロングベースのハイエース4Bがある。
ハイエース2Bのインテリア
ハイエース2Bは2列目に3人掛けマルチモードシートを配し、後部は横座り3人掛けのロングシートを対座させたレイアウト。コの字型ダイネットになるが、最後部にシートを置くとロの字型になる。
2列目シートを残し、後部のシートを全てフラットにすると、これだけで1820x1520mmのベッドになる。また2列目シートもフラットにすると、2720mmの長さになる。(一部は1820mm)ここで大人3名が就寝できる。
上段ベッドも使うと大人4名が就寝できる
またハイエース2Bの特徴の跳ね上げ式上段ベッドは1820x600mmで、大人1名が就寝できる。小さな子供2名の4名ファミリーなら、下段ベッドだけでも就寝できる。
ギャレーは前部にありエントランスの正面に位置するが、2列目シートがあるため、給排水タンクの出し入れは多少面倒だ。
ギャレーには冷蔵庫や電子レンジを収納するスペースが用意されている
ギャレーには丸型シンクがビルトインされており、また引き出し収納も用意されているので、小さな食器やカトラリーを収納しておくのに便利だ。
また、ギャレーコンソールの下は広く開いており、冷蔵庫や電子レンジが装備できるとしている。冷蔵庫の大きさや電子レンジも同時に収納されるかは不明だが、融通は利きそうだ。
収納はオーバーヘッド収納が前後にあり、これも食器やタオルなどを入れておくのに便利だ。また、シート下は大きな収納になっており、引き戸で開閉できる。
ハイエース2Bは大きなフロアベッドと上段ベッドで、比較的人数の多いファミリーにも対応できる。冷蔵庫や電子レンジにどの程度対応できるか不明な点もあるが、カスタマイズが可能と思われる。
VR470h:バンレボ
バンレボは新潟県上越市に拠点を置くビルダーで、ハイエース、NV350キャラバンのほか、ミニバンベースのモデルも製作している。
VR(バンレボリューション)シリーズは同社のハイエースとNV350キャラバンをベース車にするモデルブランドで、各種ボディサイズでラインアップされている。
VR470h Type-1のインテリア
VR470hはその中でハイエース標準ボディハイルーフをベース車にしたモデルで、3列目シートが無く6名乗車(DXの場合で特設車では5名))のType-1と、3列目シートがあり8名乗車(同7名)のType-2が選択できる。
後部の広い荷室
VR470hの特徴は、後部に広い荷室が取れること。そのためベッドボードは全て後部両側の家具に収納できるようになっている。自転車の高さにもよるが、後部ベッド下に自転車を積んだまま、上のベッドで就寝することができる。
2列目シートは標準でREVOシートが搭載され、オプションでバタフライシートに変更できる。床にはレールが付いているので、シートを畳んで前に移動させると、後部の荷室は最大になる。
2列目シートを後ろ向きにすると、3列目シート(Type-1は簡易シート)とで対座ダイネットになる。また前向きにすると運転席、助手席と合わせて5名が前向き乗車できる。(特設)
上段ベッドでも大人が2名就寝できる
ベッドはシートを全てフラットにすると2100x1400mmの大きさのダイネットベッドになり大人が2名就寝できる。また、上段ベッドは1800x1500mmでここでも大人が3名就寝できる。
ギャレーは後部に折り畳み式のシンクが用意されており、跳ね上げるとカセットガスコンロが置けるキッチンになる。なお、冷蔵庫や電子レンジは想定されていない。
収納は後部両側のベッドボード収納用家具以外用意されておらず、特に扉付きの収納スペースは無い。後部のフロアは広い荷室になっているので、大きなものはここに置くことになる。
VR470hはシンプルな装備で、クルマ旅というよりは自転車等を積んで近郊にドライブに行くのに適したモデルだ。荷室は広いのでキャンプ用品などを積み込むこともできる。
プラスLV+1:レクビィ
レクビィは愛知県瀬戸市を拠点とするビルダーで、ハイエースを中心にNV350キャラバンを含めたバンコンを多数ラインアップしている。
プラスシリーズは同社の中核のラインアップでスーパーロングをベース車にしたプラスSL、プラスDD、ワイドミドルをベースにしたプラスMR、標準ボディハイルーフをベースにしたプラスLVと各サイズで選択できる。
2列目シートにはレッグレストが付く
プラスLV+1は、二人旅仕様のプラスLVに2列目の単座マルチモードシート(FASP)を加えたレイアウト。これにより3名が前向き着座でき、ファミリー使用にも対応できる。この2列目シートは前向きにしたとき、レッグレストが装着できるのも大きな魅力だ。
2列目シートを後ろ向きにすると、3列目シートとで対座できる。また右側のロングソファがあるので、ファミリーでテーブルを囲むことができる。
広々としたダイネット
また、これはプラスLVとLV+1の大きな特長でもあるが、左右の後部シートエンドには多段リクライニング機構が付いているので、足を投げ出してカウチソファモードとして使用できる。
ベッドは全てのシートをフラットにすると1830(一部2100mm)x1520mmの大きなフロアベッドになり、大人が3名就寝できる。大人2名+子供2名でも十分就寝できる。
大人3名が就寝できるベッドモード
ギャレーはエントランスの向いにあるので前面が広くなっおり、調理もしやすい。ギャレーコンソールには丸型シンク、49Lの横開き冷蔵庫、電子レンジがビルトインされる。冷蔵庫はSuperior仕様に標準装備され、電子レンジはオプション設定されている。
ギャレー前面は広く、調理しやすい
収納は両サイドにオーバーヘッド収納が設けられており、大きな収納力を誇る。またギャレーコンソールにも縦長の引き出し式収納が用意されており、食器や食品を入れておける。
さらに運転席/助手席の上部にロフト状の大きな収納や、3列目シート下にも収納スペースが用意されている。プラスSLのように最後部に個室は無いが、ポータブルトイレを置くスペースがあるので、子供の急な「おしっこ!」にも安心だ。
家庭用エアコンが設置できる
なお Superior+A/C仕様で、家庭用エアコン、電子レンジ、サブバッテリー(115Ah x3)、走行充電(CTEK)、外部100V入力と充電機能、1500W正弦波インバーター、ソーラーシステム(215W)が追加装備される。
プラスLV+1はレッグレストの付いた快適なシート、豊富な収納、冷蔵庫や電子レンジを装備可能、家庭用エアコン搭載可能といった快適および充実装備で、3名までのファミリーなら快適な長期旅が実現できる。
⇨ 詳しい記事はこちら
その他のモデル
その他のモデルとして、カスタムセレクトのロードセレクトNH、ティピーアウトドアデザインのY200NHも挙げておく。これらはビデオ映像素材がなかったため、今回ビデオにできなかった。
ロードセレクトNH:カスタムセレクト
前後に2か所のダイネットをセットできるのが特徴。TypeAとTypeBがあり、TypeBがファミリーにも対応する。2列目に1000mmの2名掛けマルチモードシートを配置し、前向き乗車定員は4名(特設車)。後部には横座り対座シートが置かれ、テーブルを設置すればセカンドダイネットになる。
セカンドダイネット部はハイマウントのベッドになり、就寝時はポップアップウインドウで1900x1200mmのベッドになる。ギャレーコンソールにはシンクのほか、ポータブル冷蔵庫を収納できる。
Y200NH:ティピーアウトドアデザイン
2列目に1000mm幅の2名掛けマルチモードシートを配置。後部は3名掛けの横座りロングソファと、対面するギャレーコンソールで構成される。前列3名、2列目2名、横座り3名で計8名が乗車でき実質的には4名が前向き乗車できる。
シートを全てフルフラットにし、上段ベッドをセットすると計4名が就寝できる。ギャレーは後部のギャレーコンソールにあり、シンクがビルトインされる。18Lのポータブル冷蔵庫が標準装備される。
まとめ
まず長期旅に対応できるモデルとして、ナロー銀河とプラスLV+1が挙げられる。どちらも就寝人数が3名だが、横開き式冷蔵庫、電子レンジ、ポータブルトイレ設置スペース、そしてエアコンを搭載できる。なお、ナロー銀河は個室を持つが、オーバーヘッド収納を持たない。プラスLV+1はその逆だがポータブルトイレの設置スペースはあるので、カーテンで仕切るといった方法で準個室になる。
また、ナロー銀河は常設2段ベッドを装備する一方、プラスLV+1は広いダイネットで3名がリクライニングして車内で寛げるのが特長だ。常設ベッドを取るか、広い室内を取るかは好みが分かれるところだ。
その他のモデルは、比較的短期の車中泊に向いている。例えば休日に行楽地やイベント、あるいはキャンプ場に出かけるといった用途だ。一般の乗用車と異なり就寝できるので、前の夜から出発することもできる。また2列目にマルチモードシートがあるので、日常はミニバン的な使い方もできる。冷蔵庫は上開き式でも良く、電子レンジはあまり必要ではないだろう。収納も多くなくて良い。
この中では、コンパスビッツ ハイルーフとちくらがエアコンを搭載できる。ただ、コンパスビッツ ハイルーフは大人2名+子供2名、ちくらは大人3名就寝に限られる。
ファミリーの人数が多い場合は、クッチェッタカナート(とファミーユ)、VR470h、ハイエース2Bが対応できる。前2モデルは上段ベッドで大人が就寝できるし、後者は跳ね上げ式上段ベッドを持ち、どれも大人が4~5名就寝できる。
トイズボックス470とVR470hは冷蔵庫も考慮されていないシンプル装備で、価格も安価だ。自転車を積んだまま就寝できるという意味ではトランポ的要素が強い。またクッチェッタカナートも、自転車を積んだまま就寝できる。
ウォークⅡType-Aとオレオは特に際立った特徴は無いが、汎用的に使えるだろう。ただウォークⅡType-Aは冷蔵庫の設置スペースの設定は欲しい。電源や走行時の固定など結構面倒だ。
なお、ここに書いた事項は展示車やビルダーのサイトを参照している。ビルダーによってはカスタマイズや装備の追加など柔軟に対応できるので、詳細は必要に応じて各ビルダーにお問い合わせいただきたい。
また、下の比較表の価格は公表されている最低価格。ベース車のグレードや装備は同じ条件ではないので、装備を同条件にすると価格が逆転する場合もある。