3-4. セミフルコン


セミ・フルコンバージョンの略ですが、この呼称は日本独自のものです。具体的には、マイクロバスのキャブ部分を残し、後部はボディカットしてシャシーだけにした土台にシェルを架装します。

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フルコンの項で述べましたが、国内にはフルコンのシャシーを提供する自動車メーカーがありませんので、フルコンを作るのは手間がかかります。そこで、トヨタカムロードやいすゞビーカムの上位プラットフォームに、マイクロバスを使用する方法が考案されました。

マイクロバスの内装を中心に架装する場合はバスコンに分類されますが、この場合は断熱性に限界がありますし、居住性も効率が最大限に引き出せるわけではありません。そこで、キャブのみを残しシェルを架装する方法となったわけです。

マイクロバスの後部をボディカットするのですから作業工程が増え、コスト的に不利になるというデメリットはあります。しかし、もとより人を乗せることを想定しているマイクロバスを使うことにより、乗り心地面では大きな優位性を得ることになりました。
もちろん断熱性の良いシェルを搭載していますので、車内環境は抜群です。セミフルコンは事実上、国産キャンピングカーの最高峰と言ってよいでしょう。

セミフルコンのキャンピングカーは多くはありませんが、幾つかのビルダーが手掛けており、決して珍しいものではありません。日本の道路やキャンピング事情に合わせ確立された、最高峰のキャンピングカーです。

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