サンリビング(SunLiving)は欧州のコーチビルダー大手アドリアモービルのグループ会社で、フィアットデュカトベースのバン・コンバージョンやキャブ・コンバージョンを製作しているが、アドリアよりも比較的安価な価格付けをしている。
しかし、品質や装備はそれほど大きく違わず、欧州車らしいセンスの良さは、アドリアモデル同様健在だ。
サンリビングのラインアップは、バンクレスのキャブコンSシリーズ、バンクのあるキャブコンAシリーズと、バンコン(キャンパーバン)のVシリーズで構成されている。
Vシリーズは今回紹介するV65SLの他に、V60SPが存在する。
V65SLは全長6,363mm。V60SPが5,998mmで6mを切るのに対し、365mm長いボディとなっている。広い室内が得られる代わりに、国内では取り回しに多少苦労するかもしれない。
レイアウトは前部にダイネット、後部にベッドルーム、中央にギャレーとサニタリールームが配され、欧州車としては一般的なもの。
しかしインテリアは欧州車らしく、センスが良く高品質感がある。
ダイネットは、運転席、助手席が回転してダイネットの後ろ向きシートとして使えるようになっており、2列目シートと対座してテーブルを囲むことができる。
2列目シートは前向きに固定されており、シートベルトも用意されているので、2名が前向き着座してドライブすることができる。
ダイネットのルーフには、これも欧州車らしく大きなサンルーフが装着されており、室内を明るくしている。
ベッドルームは、最後部にツインベッドが置かれており、ここがV60SPと異なるところ。中央の通路を挟んで独立したシングルベッドが配置されているので、パートナーの睡眠を妨げることなくベッドに出入りできる。なお、通路部を埋めるマットも用意されているので、これをはめ込むと大きなダブルベッドになる。
ベッドサイズは左右で身長方向が微妙に違っており、1900x700mmと1800x700mm、通路部分マットが1800x400mmの大きさ。
家庭用シングルベッドの幅は900mm程度とされているので、700mmはかなり狭い感じではある。通路部分をベッドにすると1,800mmの幅のダブルベッドとなり、これなら家庭用キングサイズベッドと同じ幅だ。
ギャレーは2口ガスコンロとシンクが一体になったコンビネーションシンクがビルトインされている。コンロの左側に多少スペースがあるので、皿などを置くことができる。ただし、跳ね上げ式の調理台などは用意されていない。
ギャレーコンソールには多くの引き出し収納が用意されており、食器の収納に便利だ。
冷蔵庫は90リッターシングルドアで、もちろん冷凍も可能。電子レンジはオプションで用意されている。
サニタリールームはAシリーズのようなスライドウォール式ではなく、通常のドアで仕切られている。室内には欧州車らしくカセットトイレや温水シャワーが完備され、独立した手洗いシンクも設置されている。
なお、シャワー時はカーテンでトイレと仕切ることにより、便器が濡れないようになっている。
収納は、ダイネット上、ギャレー上、ベッドルームの左右両側にオーバーヘッド収納が設置されている。奥行きが深く、収納力は大きい。
また、前出のギャレーコンソールの引き出し収納や冷蔵庫下の収納なども用意されている。
空調は、TRUMA Combi 4ガスFFヒーターで暖房でき、フロアヒーターがオプションで用意されている。
冷房はディーラーオプションでセパレートエアコン(348,000円:税別)が選択できる。
電装系はディープサイクルサブバッテリーが標準装備されているが、ディーラーオプションでリチウムイオンバッテリーも選択することができる。200Ahのバッテリーと1500Wのインバーターとセット(509,000円:同)だが、セパレートエアコンを搭載するならこれは欲しいところだ。
V65SLとV65SL Eがあり、前者はエンジンが2.3L/150HP、後者は2.3L/130HPの違いのみ。車両本体価格が前者は736万円(税別)、後者は718万円(同)で18万円の差だ。
また、アドリアのモデルでは、TWIN640SLがサンリビングのV65SLにサイズ、レイアウト的に相当し、TWIN640SLは824万円(同)だ。その差88万円がインテリアの差となる。なお、TWIN640SLにはなぜかルーフエアコンのみでセパレートエアコンの設定がない。
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