Tsubasa（ツバサ）はNTB（日本特殊ボディー）が製作する、いすゞBe-cam（ビーカム）ベースのスタンダードキャブコン。5m未満のTsubasa Shortと5mを超えるTsubasaが選択できる。

同社は、Tsubasaと同じベース車とシェルを使用したキャブコンのSakuraもラインアップしているが、これは各ユーザーの希望を重視して制作するため、どうしても価格的な面で不利になっていた。そのためBe-camに乗りたいが価格が高いという声があった。

Tsubasaはそのような声に応えるため標準化を進め、コストを削減したモデル。Be-camのアドバンテージをさらに低価格帯のモデルで実現しようとしたのがTsubasaなのだ。

ただし、そうはいってもBe-cam自体のコストはカムロードよりも高価なため、カムロードベースの普及価格帯まではまだ遠い。
しかし、Be-camの持つダブルタイヤや足回りの強化は大きなアドバンテージだ。

レイアウトは、Sakuraにも用意されているが、前部に対座ダイネット、最後部に2段ベッドの構成。中央左側にギャレー、右側中央にユーティリティールームを配置する。また、キャブ上部にはバンクベッドも用意される。

ダイネットは4名が対座できるが、これ以外にサブチェアのようなものは無いので、大人4名だと少し窮屈かもしれない。大人2名と子供2名ならゆったり座れるだろう。
なお、ダイネットを展開するとここでも大人2名が就寝できるので、合計6名が就寝できることになる。

メインベッドは、最後部の2段ベッド。大人2名が就寝できる。各段には読書灯が装備されているが、窓は下段だけで上段には無い。

バンクベッドも用意されているので、4名のファミリーなら、ダイネットをベッド展開しなくても、常設ベッドだけで就寝できる。
ただ、バンクベッドにはSakura のように窓がなく、また照明も装備されていない。

ギャレーには比較的大きいシンクがビルトインされており、鍋や大き目の皿も洗えるが、コンロはビルトインではなく、卓上型カセットコンロを置く方式となっている。
冷蔵庫は65リッターのものがビルトインできるが、オプション。冷蔵庫はほぼ必需品なので、これは標準装備して欲しいところだ。
逆に電子レンジは標準装備されている。ただ、これも大容量インバーターがオプションなのでバッテリーでは駆動できず、外部100V入力が確保できる場所でしか使えない。

ユーティリティールームにはオプションのポータブルトイレかカセットトイレを選択して設置することができる。トイレが不要なら収納スペースとして利用できる。

収納は、ダイネット上にオーバーヘッド収納が設置されている。奥行きは充分あるので収納力は大きい。また、ベッド下は大きな収納スペースになっているので、大きなバッグなどはここに収納することになる。
ふたり旅で使用するなら、バンクベッドを収納スペースとして利用できる。

空調はFFヒーターがオプション設定されている。また、エアコンはBe-cam専用のiCoolではなく、100V仕様の家庭用セパレートエアコンがオプション設定されている。

電装系は、100Ahのディープサイクルバッテリーが1個標準装備されるが、オプションで3個まで増設できる。冷蔵庫やFFヒーターを設置しない場合は1個でも良いが、そうでない場合は2個搭載するのが良いだろう。また、インバーターを設置して電子レンジをバッテリーで駆動したり、家庭用エアコンを設置してバッテリーで運転する場合は、3個あると実用性が高まる。
発電機のオプション設定は無いが、ソーラーシステムは480Wがオプション設定されており、大容量で実用性が高い。

Tsubasaは、価格重視のコンセプトなので、オプションを必要最小限にした場合、どの程度Sakuraよりも安価かが焦点となる。Tsubasaの車両本体価格は794万円（税別）で、外部電源での充電、サブバッテリー1個追加、1500Wインバーター、冷蔵庫、FFヒーターと言った必需品のオプションを入れると、ざっくり850万円程度になる。一方Sakuraは2段ベッドモデルが957万円（税別）で、必要な装備は全て含まれ、更にエアコンも標準装備されている。この100万円の差をどう見るかだが、条件が許せばSakuraを買っておいたほうが後悔はないだろう。