Tramp-SLシリーズはハイマーのセミインテグレーテッド(キャブコン)ではフラグシップとなるモデル。
TrampラインアップにはSLと、CLシリーズが存在するが、SLシリーズは上級モデルにあたる。
国内へは、RVランドが輸入、販売を行っている。
SLシリーズには、更にレイアウトのバリエーションが用意されており、全長6,790mmの554から、全長7,790mmの708まで6モデルある。
554はシリーズ中、最も短いモデルとなる。
他のモデルがツインベッドや、両側からベッドに入ることができるセンター置きダブルベッドを採用しているのと比べると効率的で、多少余裕面に欠けるところはあるが、それでも全長は7m近くあり、車内は広々としている。
レイアウトは、欧州車に共通するフロントダイネット、リアベッドの構成で、運転席、助手席のフロントシートは回転してダイネットチェアになる。
ベッドは先に記した通り、後部に1930 x1360mm(狭いところは950mm)の縦置きダブルベッドが設置されており、これがメインベッドとなる。
また、展示車にはプルダウンベッドが装備されており、ここでも大人が3名就寝でき、計5名が就寝できる。
ギャレーは、3口バーナーを持つコンロと、独立したシンクがビルトインされており、本格的な調理も問題ない。
冷蔵庫は142リッターと大型で、容量的には全く問題ないだろう。
ただし、大きな冷蔵庫は電気を食うことも事実で、停泊地で外部電源が当たり前に入手できる欧州と異なり、日本ではバッテリーや発電機に頼る必要がある。
発電機はオプションで用意されているが、使う場所が限られるので、できればリチウムバッテリーの搭載が理想的だ。
リチウムバッテリーはオプション設定されていないが、相談するとよいだろう。
サニタリールームは、欧州車では一般的な、温水シャワーが標準装備される。
150リッターの給水タンクと130リッターの排水タンクを持つ。
収納は、ギャレー周りの小物入れから引き出し収納、豊富なオーバーヘッド収納など、収納スペースに問題は無い。
ベッドの下にも大きな収納があり、小型の自転車なども積載できる。
空調に関しては、暖房はCombi 6ヒーター/ボイラーで行い、2重構造のフロアから温風が出るが、冷房のオプションは設定されていない。
国産の家庭用エアコンの搭載についても、必要に応じて相談すると良いだろう。
電装系は、国内で100V使用に整備され、外部電源入力はもちろん100Vを入力可能。
サブバッテリーは95Ahが2本標準装備される。
搭載される家電品を考えると、このバッテリーでは少し不安かもしれない。
外部電源が取れるところでの停泊がメインなら問題ないが、そうでなければバッテリーの強化が望ましい。
ハイマーTramp SL554は、豪華な室内と余裕あるサイズで、モーターホームと言うに相応しいモデルと言える。
ただ、使用環境が異なる欧州に向けて設計されているため、日本での使用では不便なところもある。
それに関しては、日本のディーラーがどこまで柔軟に対応できるかがポイントになる。