アドリアモービルはスロベニアにある欧州を代表するコーチビルダーの一つで、フルコンバージョンからバンコンバージョンまで、多くのラインアップを揃えている。
ソニックはその中でフルコンバージョンのラインアップの名称で、中でもスプリームは最上級のグレードの位置付け。
当然内部は豪華そのもので、欧州車のインテリアセンスはもちろん、機能や装備は日本車では考えられないほど充実している。
もっとも、全長は7mを優に超えるので国内で扱いやすいとは言えず、価格もさることながら誰もが手を出せるものではない。
ソニックスプリームには全部で6種類のレイアウトがあるが、日本へはそのうちI710SC、I710SL、I810SCの3種類が輸入されている。
SCモデルが、両側に通路を設けたダブルベッドであるのに対し、SLはツインベッド仕様を意味する。
また、電動のプルダウンベッド(1,900x1,500mm)が装備されており、ここでも2名就寝できる。
欧州車では一般的にフルコンバージョンモデルはプルダウンベッドを持つものが多く、ファミリー向けのモデルとなっている。
ただし、このモデルに限らないが、プルダウンベッドを下ろしてしまうと、ダイネットは使えなくなる。
即ち、子供を先に寝させた後、大人がダイネットで寛ぐということができない。
もちろん、子供を後部のメインベッドで寝かせるなら問題はないが。
ダイネットは前部にあり、2列目の2人掛けのL字型シートを中心に、単座シートと、回転する運転席、助手席で、5名がテーブルを囲んで着座できる。
ギャレーは左側中央にあり、3口バーナーを持つコンロと深い大型のシンクがビルトインされている。
ギャレーコンソールには引き出しも用意されており、小さな食器も収納できる。
その向かいには175リッターの3Way冷蔵庫が置かれている。
また、オーブンも標準装備されているが、これは電子レンジの機能は持っていない。
電子レンジはオプションで用意されているが、オーブンを使う機会は少ないと思われるので、電子レンジを標準にして欲しいところだ。
トイレルームとシャワールームは独立しており、トイレルームにはカセットトイレと専用の手洗いが与えられている。
また、シャワールームは140リッターの給水タンクを持ち、べバストのウォーターヒーターで加熱する。
収納は、ベッドルームやダイネット上、ギャレー上に多くのオーバーヘッド収納が用意されており、十分な収納力がある。
また、後部ベッド下は大きな外部収納になっている
空調は床暖房を含め暖房系は装備されているが、冷房系はオプションで、ルーフエアコンかセパレートエアコンが選択できる。
なお、発電機がオプションで用意されているので、これを使えば外部電源が無いところでもエアコンを使うことができる。
電装系は100Ahのサブバッテリーが1個だけ標準装備される。
もちろんこれだけでは心もとないので、オプションで用意されているリチウムイオンバッテリーを装着することをお勧めする。
最低でも200Ahのものが良いだろう。
リチウムバッテリーがあれば家庭用エアコンなら数時間駆動できるので、発電機を回せない状況でもエアコンが使える。
また、インバーターもオプションになってしまうので、これも選択しないと家電品が使えない。
輸入モーターホームは、現地ではインフラが整備されているので、外部電源がある前提で設計されているため、日本で使用する場合は電装系の貧弱さが露呈する。
発電機、サブバッテリー、インバーターはオプションで装備しておいた方が良いだろう。
また、ガスは8Kgのプロパンガスボンベ2本が搭載できるが、出先での充填を断られる場合がある。
充填が必要になる長期旅の場合は、どこで充填ができるか調べておく必要があるだろう。