パームはカーショップスリーセブンが製作する軽バンコン。
ダイハツハイゼットカーゴをベース車にしている。
ハイゼットカーゴは2017年11月にマイナーチェンジし、台形のフロントグリルが特徴的な外観になったが、スマートアシストIIIが新たに搭載されたのが大きな変化点。
カーショップスリーセブンは、従来より同社のオリジナルモデルとして軽バンコンキャンパーMOCシリーズを製作・販売しているが、ここにパームが加わった。
MOCシリーズは、後部両側に収納家具を持つ、いわば”よくある”レイアウトを持っているが、パームはこの形態から離れ、右側だけに家具を配置している。また、MOCシリーズが落ち着いた木目調のデザインに対し、パームは橙色を基調にした派手目のデザインとなっている。
さて、このモデルの最も大きな特徴は、リチウムイオンバッテリーを搭載していること。左後部に鎮座しているのが、1000Whのリチウムイオンバッテリーだ。
リチウムイオンバッテリーは、最近ようやく搭載するモデルが増えてきたが、それはハイエース以上のモデルでの話。軽キャンパーでは現在のところ軽キャブコンを含め搭載しているモデルは無い。
キャンピングカーにとって電気は重要で、バッテリーが無くなると何もできなくなる。もちろんメインバッテリーは生きているので、クルマは問題なく始動できるが、サブバッテリーが無くなると普通のクルマと変わらない。
軽キャンパーの場合はスペースの関係からサブバッテリーは1個しか積めず、しかもハイエースなどに使われる100Ahではなく、80Ahといった一回り小さいものを搭載している場合が多い。
これでは安心して電気を使うことはできず、ましてや家庭用の電子レンジを使うのは非現実的だった。
パームに積まれているリチウムイオンバッテリーは1000Whなので12Vで使う場合は計算上83Ahとなり、現在軽キャンパーに積まれているディープサイクルバッテリーとほぼ同じ容量になる。しかし、リチウムイオンバッテリーは効率面も考えるとディープサイクルバッテリーの1.5倍くらいの電気が使え、しかもディープサイクルバッテリーのような経年変化が少ない。
更に大出力にも耐えるので、電子レンジを駆動することもできる。
パームには電子レンジは搭載されていないし、そのすぺースを確保する問題も残されるが、そのような可能性があるのだ。
2月のジャパンキャンピングカーショーで展示されたパームに搭載されていたリチウムイオンバッテリーはかなり大きな箱だったが、形状を工夫してベッド下などに収納できれば、室内がすっきりするだろう。
軽キャンパーに初めて搭載されたのでまだまだ改良点はあるが、リチウムイオンバッテリーは効率がより求められる軽キャンパーにこそ有用だろう。
パームのWebサイトはこちら。