オプティマはドイツのホビー（Hobby）社が製作するフィアットデュカトベースの欧州キャブコン。日本へはトーザイアテオが輸入販売している。

ホビーはキャラバン（トラベルトレーラー）で有名なビルダーだが、数年前からモーターホームにも力を入れている 。
オプティマシリーズはホビーのモーターホームで中心になるラインナップだが、多くの欧州車がそうであるように、非常に多くのレイアウトが用意されている。

今回紹介するのはオプティマプレミアムT65HFLだが、その他にも多くのレイアウトが日本でもオーダーできる。ラインナップにはプレミアムとデラックスがあり、同じレイアウトでもデラックスの方が多少車長が短くなっている。デラックスの中には6mを切るレイアウトも存在する。

この中でオプティマプレミアムT65HFL は、後部に縦置きダブルベッドを持つプラン。
前部にはダイネット、後部にはベッドルームとギャレー、及びサニタリールームを配置する 。

　ダイネットから後部のレイアウトを見る

ダイネットは 欧州車で定番の運転席と助手席が180°回転して後ろ向きになる機構を備える。これにより2列目シートと対座ダイネットを形成する。 対座シートの横にはロングソファも用意されており、大勢でテーブルを囲むことができる。
運転席と助手席の上にはサンルーフが付いており、明るく開放的なリビングとなっている。

ダイネット上部には手動式のプルダウンベッドが標準装備されており、ここでも大人2名が就寝することができるので、後部のベッドと合わせて合計4名が就寝できる。すなわち、ファミリーでの使用が可能だ。なおプルダウンベッドのサイズは1,950x1,300mm（狭い部分の幅は1,200mm）で、家庭用ベッドのセミダブルとダブルの中間の大きさに匹敵する。

後部のベッドサイズは 2,000x1,400mm（幅の狭い部分の幅は1100mm）で、家庭用ベッドならダブルベッドの大きさにあたる。2名ならゆったり就寝できるだろう。

　後部ベッドルームのダブルベッド

ベッドルームの上部にはオーバーヘッド収納が並んでおり、奥行きも深く大きな収納力がある。
また、ここにも大きなサンルーフがついており、星を見ながら就寝することができる。

ギャレーは2列目シートのすぐ後ろにL字型に配置されており 、3口コンロと大きめのシンクがビルトインされている。
ギャレーコンソールの収納には、引き出し収納をはじめとする豊富な収納スペースが用意されており、食器や調理器具の収納に便利。

　ダイネット後部に設置されるギャレー

ギャレーの隣には、冷凍庫付きの150リッター冷蔵庫がビルトインされている。 ファミリーの人数分の食材を保存しておくにも十分な容量だ。
なおオプションでガスオーブンがオーダーできるが、おそらく多くのユーザーが必要なのは簡単な電子レンジだろう。電子レンジのオプションは設定されていないが、収納するスペースはあると思われるので、必要な場合は聞いてみると良いだろう。

サニタリールームは欧州車の例に違わず充実したものになっている。温水シャワーとカセットトイレ、及び専用の手洗いシンクが標準装備されている。給水タンクは100リッター、 排水タンクは96リッターで、温水は10リッターのトルマ6ガスボイラーで加熱し、水と混合して使用する。ただし、ファミリーで使用する場合は、何度か湯を沸かすために待つ必要があるだろう。

　カセットトイレ、専用手洗い、温水シャワーが装備されたサニタリールーム

収納は、ベッドルーム以外にもダイネットの上、ギャレーの上にオーバーヘッド収納が設置されている。
ギャレーの隣にはクローゼットが用意されており、高さが十分あるので長いコート類も収納できる。
またベッド下は車外からアクセスできる広い収納庫になっている。

空調は ボイラー兼用のFF ヒーターが標準で装備されているが、クーラーはルーフエアコンがオプションとなる。ただし、ルーフエアコンは外部電源でしか運転できないので、外部電源が取れる停泊場所を探す必要がある。
家庭用セパレートエアコンのオプション設定はないが、これも相談すると良いだろう。

電装系は92Ahのサブバッテリーが１個標準装備されているが、当然これでは心もとない。追加サブバッテリーやリチウムバッテリーのオプション設定はないので、やはりこれも相談して、できればリチウムイオンバッテリー200Ah程度を搭載すると安心だ。

オプティマプレミアムT65HFLは、7mをわずかに超える全長でフェリーなどに乗る場合効率が悪い。7m以下に抑えことが重要であれば、オプティマデラックスT65HFLにするという手もある。

電装系を始め、家庭用エアコンや電子レンジが設定されていないと言った、輸入車特有の短所はあるが、その豪華な室内はやはり魅力的だ。
価格も車両本体価格1010万円（税別）とこのクラスでは、標準的な設定となっている。
もちろんセカンドブランドのモデルに比べると高価ではあるが、ホビー特有の豪華で華のあるインテリアが手に入るなら、高い買い物ではないだろう。
デラックスバージョンでもインテリアはほとんど変わらないので、 6m以下の車長のモデルが目的の場合でも、デラックスバージョンを選択すると良いだろう。