オークサイドはカトーモーターが製作する、ハイエーススーパーロングベースのバン・コンバージョンキャンピングカー。同社は多くのハイエースベースのモデルをラインアップするが、中でもオークサイドは同社を代表するロングセラーブランドだ。
「オークサイド」には、「オークサイドロイヤル」、「オークサイドロイヤルスポーツ」、「オークサイドスリーパー」といった派生モデルもあり、各種のレイアウトが選択できる。
今回紹介するオークサイドに限らず、同社のモデルの特徴は、職人が作る天然木をふんだんに使った高級感ある家具。クラシカルなインテリアだが、明るい配色で重い感じではない。細部に至るまで丁寧に作られた家具は、長年使っていてもきしみ音などの発生は少ない。
天然木を生かしたインテリア
オークサイドのレイアウトで特徴的なのが、2列目に配された豪華な2脚のリクライニングチェア。深くリクライニングでき、フットレストも付いているので、ゆったり寛ぐことができる。
2列目の豪華なリクライニングチェア
また、オプションで運転席、助手席のシートバックを利用した後ろ向きシートを形作ることができ、2列目チェアと対座ダイネットとすることもできる。ただ、食事をする場合は、大きなテーブルが欲しいところだ。
後部は右側にギャレー、左側にロングソファが配置されている。このソファを展開すると2名が就寝できるベッドになるが、上段ベッドも用意されており、計3名が就寝できる。通路上のベッドボードをセットしなければ、常設縦置き2段ベッドとしても使用できるので、2名で使うならむしろこの形のほうが就寝前にベッド展開する必要がない。
ベッド展すると3名が就寝できる(同社のHPより)
ギャレーは、右サイド後方全てがそのスペースに割かれているので、広いキッチンスペースになっている。2口コンロが一体になったコンビネーションシンクがビルトインされており、その下には電子レンジもすっきり収納されている。ギャレーコンソールには引出し収納が用意されており、食器の収納と出し入れがしやすい。
ギャレーコンソールの中央部は凹んでおり、ここに40リッターの冷蔵庫が標準装備される。一見、変則的な位置のように見えるが、これはベッド展開しても冷蔵庫が開けられるように考えられているため。
しかし、このスペースはいかにも非効率的に思えてしまう。
常に2名で使用するユーザーなら、冷蔵庫の向きを正面にして、ギャレーコンソールの中央部は収納にするとよいだろう。あるいは、上開き冷蔵庫にするプランもあるようだ。
中央が凹んだギャレーコンソール
収納は、後部ロングシートの下と、ギャレーコンソール上のオーバーヘッドキャビネットが設置されている。
ロングシート下は、バッグ類などを収納することができるだろう。また、後部から長物の収納もできるようになっている。
オーバーヘッド収納は、奥行きも確保されており、収納力は高い。しかし、ダイネット上や後部ロングソファ上にもスペースがあるので、ここにも欲しいところだ。
空調は、FFヒーターがオプション設定されているが、家庭用エアコンのソリューションはない。このモデルに限らず、同社のモデルで家庭用エアコンが搭載されるモデルはないが、やはり家庭用エアコンのソリューションは欲しい。いくらインテリアが高級でも、暑い室内では寛げない。
電装系は、105Ahのサブバッテリーが1個標準装備される。また走行充電や外部100V入力/充電も標準装備される。インバーターはオプションだが、車内で100Vの家電品を使うのであれば搭載する必要がある。電子レンジをバッテリーで使用する場合は、1500W以上のものが必要だ。
オークサイドは、豪華な室内でゆったりクルマ旅をするのに最適の1台といえる。3名まで就寝できるが、先に書いたように、常設2段ベッドにして二人で使うのが適している。
よくある対座ダイネットは長時間座っていると疲れるが、オークサイドの豪華なキャプテンシートなら真に寛げる居場所となるだろう。願わくば、このシートに座って観られる大きめのテレビの設置など、もうひとひねりのコンセプトとソリューションがあればよかったのだが。
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