NV ジャックはタコスが製造・販売する日産NV200バネットベースのバンコンキャンピングカー。
ルーフには FRPハイルーフを架装しており、高い室内高を確保している。

NV200バネットは、ボンネットがあり普通のミニバンのような感覚で運転できるので、 日常の通勤や買い物にも使いやすい。
ただし、ハイルーフを装備しているので高さには注意が必要だ。

高い室内高を実現する方法としてはNVジャックのようなハードハイルーフの他にポップアップルーフを架装する方法もある。
ポップアップルーフは折りたたむとノーマルと同じ車高になるため、高さに対する注意は必要ないが、ポップアップの上げ下ろしや 防雨、耐寒上の 性能ではハードハイルーフに劣る。
また、寝具をそのままにしておけるという点においても、ハードハイルーフは便利だ。

NVジャックのレイアウトは2列目にマルチモードシート を採用しており、前向きにセットすると2列目シートに3名、フロントシートに2名で計5名が前向きに着座してドライブできる。

また、2列目シートを後ろ向きにすると、 後部のシートと対座してダイネットを形成する。

このダイネットは、展開してフロアベッドにすることができ、大人2名が就寝できる。
また、ハイルーフにベッドボードをセットすると、子供2名が就寝できるベッドになる。
従って小さな子供がいるファミリーでも車中泊することができる。

NVジャックには後部右側にギャレーが装備されている。
このギャレーは跳ね上げ式になっており、就寝時に邪魔になることがない。
ギャレーにはシンクがビルトインされており、その右側に卓上式カセットコンロをおいて調理する。
シャワーフォーセットは固定されておらず、下に収納されているシャワーフォーセットをフックに引っ掛けて固定する。
給排水タンクは各10リッターで、 シンクの下に収納されている。
なお冷蔵庫や電子レンジのオプション設定はない。

収納はフロアベッドにした場合、その下が大きな収納スペースになるので、就寝時はバッグなどの大きな荷物はここに置けば良いだろう。
ただ、2列目シートを立ててダイエットの形態にした場合は、バックなどの大きな荷物は置くところに困るかもしれない。
なお、シート下も収納スペースになっており、長物を収納することもできる。

空調はFFヒーターがオプション設定されているが、家庭用エアコンなどの冷房設備のオプション設定はない。
ルーフベンチレーターもオプションで設置可能。

電装系はサブバッテリーが1個標準装備され、走行充電、外部100 V 入力充電が標準装備される。
ソーラーシステムについてはオプション設定されていないが、必要であれば相談すると良いだろう。

NVジャックはコンパクトなボディで取り回しが良く、小さな子供を持つファミリーが1～2泊の車中泊をするには手頃なモデルと言える。
ハイルーフを架装しているので室内高だけでなく、断熱効果にも優れているが、その分コスト高になるデメリットはある。
NV200のノーマルルーフ車が一般的に200万円台に対し、ハイルーフ架装車は300万円台になってしまう。
また、外見はノーマルルーフに比べると目立つので、日常使用に懸念を示すユーザーもいる。

ハイルーフの架装は、目立つからか日本ではあまり人気がないが、高ささえ注意すればコンパクトなベース車でも開放的な室内を得られる理想的な装備と言える。
現在のところNV200にハイルーフを架装したモデルはこのNVジャックしかなく、貴重な存在となる。