ミニチュアクルーズは、同社を代表する軽バンコンだが、今回紹介するのは、この”遍路エディション”。
同社が香川県高松市に本拠を置いていると聞くとなるほどと思うが、ネーミングだけ見ると実に狭いマーケットに特化したモデルと思ってしまう。
しかし、内容を見ると、それは定評あるミニチュアクルーズのレイアウトをベースに、和室ライクにモディファイしたモデルだということが分かる。
金剛杖が2本収納できるホルダーなど、お遍路にこだわった部分はあるが、もちろん、お遍路用途以外では使い勝手が悪いというものではない。
エクステリアはミニチュアクルーズと変わらない、というか、オリジナルのエブリイバン ハイルーフから何も変わっていない。
レイアウトは基本的にミニチュアクルーズSVがベースになっている。
SVの家具はミニチュアクルーズと多少異なっており、電子レンジ収納用のジャバラ扉の収納部が増設されたりしている。
遍路エディションも、SV同様、後部両側に天井まで立ち上がる立派なラックを持っているが、ギャレーがオプションになるなど、多少簡略化されている。
価格もその分多少安価になっている。
作りとしては、一般的な軽バンコンの構成で、エブリイの2列目純正シートを残し、折りたたんで上にマットを敷き、フラットフロアにする。
もちろん、シートを起こせば、4名が前向きに着座してドライブできるので、普通の軽自動車としても全く問題なく使用できる。
インテリアはマットと右側にラックにある大きな丸窓によって、和室的な雰囲気を出している。
マットは畳風のプリント、丸窓は障子風にアレンジされて間接照明をビルトインしている。
これに天井付近の間接照明や家具の扉の取っ手、メイン照明、そして家具の色調を変更を加えているが、全て大きな変更ではない。
しかし、これだけで和室の雰囲気が出ているのは見事。
おまけに、丸窓の間接照明は色と明るさをリモコンで変更可能。
ダメ押しは、ジャパニーズヒーターこたつというオプション。
両側の家具に渡した大きなテーブルの下に、ヒーターを布で囲ってこたつ風にしている。
もちろん一人用だし、FFヒーターを設置すればあまり必要ないかと思われるが、なかなか風情があって楽しいオプションである。
ギャレーは、小さなシンクとシャワーフォーセットがビルトインされているが、ちょっと手を洗ったり、小さな食器を洗ったりするのに便利。
シャワーフォーセットは車外に引き出して使えるので、ペットの足を洗ったりできる。
給水タンクは12リッターで、車外から取り出すことができる。
また排水タンクは、床下に設置されており、レバーで排水できる。
オプションの電子レンジは家庭用の100V対応のものではなく、12V用なのでインバーター無しで使える。
冷蔵庫のオプション設置はなく、置く場所も用意されていないので、ポータブルタイプを持ち込む場合は、置き場所の確保が必要。
収納は、軽バンコンなのであまり多くは期待できないが、2列目シートを畳んだ場合、マットの下、シートの前部に空間があり、大き目のバッグも収納できる。
その他、後部のベッドマットの下は、収納庫になっており、小さなものや厚さのないものが収納できる。
左右の家具にも収納スペースが用意されており、本屋や小物の収納ができる。
電装系は85Ahのサブバッテリーが1個標準装備され、走行充電が可能。
外部100V入力・充電はオプション。
また、220Wのソーラーシステムがオプションで用意されている。
インバーターは300Wのものがオプション設定されているので、小型の100V家電製品を使うなら、装備しておくと便利だろう。
ミニチュアクルーズはよく考えられたモデルなので、これをベースにした遍路エディションも安心して使用することができるだろう。
特に和室テイストに興味のある方は、要チェックである。