Meril(メリル)はカトーモーターが製作する、トヨタライトエースベースのバン・コンバージョンキャンピングカー。
オプションでルーフ全体が持ち上がるエレベーションルーフを架装することができる。
なお、片側だけが持ち上がるポップアップルーフを標準装備したモデルも存在する。
それぞれ車高が異なり、ノーマルルーフは1900mm、エレベーションルーフは2100mm、ポップアップルーフは1935mmとなっている。
もっとも車高が高いエレベーションルーフでも、ほとんどの地下駐車場に入ることができる。
ポップアップルーフやエレベーションルーフも閉じてしまえばノーマルのボディとほとんど変わらないので、通勤や子供の送り迎えといった日常の用途にも使える。
また、ライトエース/タウンエースはコンパクトなボディで、ちょっとしたボンネットもあり、普通のミニバンのように比較的違和感なく運転できる。
レイアウトは2列目にマルチモードシートを採用、3列目の簡易シートとで対座ダイネットを形成する。
2列目シートを前向きにすると、運転席、助手席を含めて4名が前向き着座してドライブできる。
ノーマルルーフ仕様の対座ダイネット
更に全てのシートをフラットにすると、大人2名が就寝できるフロアベッドになる。
エレベーションルーフ装着車では、ルーフベッドでも2名が就寝できるので、ファミリーでの使用も可能だ。
なお、ポップアップルーフ装着車のレイアウトはロングシートタイプで、運転席、助手席以外では前向きに着座できない。従って、こちらは二人旅仕様と位置付けられる。
このロングソファは背もたれをスイングさせるだけでベッドに展開できる優れもので、ベッド展開は簡単かつ圧倒的に楽にできる。
ポップアップルーフ標準装備仕様のレイアウト
対座ダイネットのレイアウトはギャレーを持たないが、ポップアップルーフ仕様にはギャレーが装備されている。円形のシンクがビルトインされており、調理スペースも用意されているので、カセットコンロを置いてちょっとした料理が可能だ。
なお、18Lのスリムな冷蔵庫が3列目シート左側に収納されている。また、ポップアップルーフ仕様車では14L上蓋式冷蔵庫が収納される。
いずれも標準装備で、ポータブル冷蔵庫なので車外に持ち出すことも可能。
ポップアップルーフ標準装備仕様に搭載されるギャレー
収納は、後部ベッドボード下が収納スペースとなっており、中型のバッグなどの荷物を収納できる。しかしその他の収納スペースがないので、食器などの適当な収納スペースがない。
一方、ポップアップルーフ仕様車では、ギャレーコンソールをはじめ様々なところに小物収納が用意されており、食器などの収納に便利だ。
空調はFFヒーターがオプションで用意されているが、冷房の設備は無い。
また、電装系は100Ahのサブバッテリーが1個標準装備され、走行充電と外部電源入力が標準装備される。
メリルはノーマルルーフ、エレベーションルーフ、ポップアップルーフと様々なルーフ形態が選択でき、レイアウトも対座ダイネットタイプとロングソファタイプが選択できるので、使用形態に応じて最適なものを選ぶことができる。
ファミリーで使うなら、前向き着座でドライブでき、4名が就寝できるエレベーションルーフを選択する必要があるが、二人で使用するなら前後の移動が容易なポップアップルーフでロングソファタイプがお勧めだ。
価格はノーマルルーフ仕様で329万円~(2WD/4AT/GL 税別)。ポップアップルーフ仕様は379万円~(同)。
ノーマルルーフ仕様では、一般的に200万円台始めから300万円はじめくらいの価格帯なので、メリルは高価な部類に属する。
また、ポップアップルーフ仕様は、現在カトーモーターのメリルの他、キャンピングカー広島のピコ(2WD/4AT/GL:333万円~)、ステージ21のリゾート・デュオ ユーロ(同407万円~)、タコスのハナ イブ(同345万円~)の4モデルしかなく、メリルはこちらでも高価な方になる。しかし同社が誇る高品質な家具は上位モデル譲りで、特筆されるアドバンテージだ。