概要
グランドキャニオンSはハイマーカーが製作するメルセデスベンツ319CDIベースの輸入バンコンバージョンキャンピングカー。
ハイマーカーはハイマーの関連会社で、バンコンモデルを主に製作している。日本への輸入販売はアールブイランドが行っている。
グランドキャニオンに関してはフィアットデュカトベースのモデルを以前にもとりあげているが、今回紹介するのはメルセデスベースの”S"モデル。3.0L V6 コモンレール式ディーゼルターボエンジンを搭載し190PSを発生する。
デュカトには4WDが無いが、こちらは選ぶことができるのが特長。 今回の展示車には装備されていないが、ポップアップルーフをオプションで架装することもできる。
大きく見えるが、全長は6mを切っているので、国内でも比較的運転しやすいだろう。
なお、日本仕様は190PSエンジンと右ハンドルが標準装備される。
レイアウト
レイアウトは、欧州車のセオリー通り、フロントにダイネット、リアにベッドルーム、中央にギャレーとサニタリールームを配置する。 ベッドは後部のメインベッドのみなので、完全な二人旅仕様となっている。
グランドキャニオンSの室内
ダイネット
これも欧州車に一般的で、運転席、助手席が回転し、後ろ向きのダイネットチェアになる。2列目シートは前向き固定シートで、4名でテーブルを囲むことができる。なお、テーブルは半分に折り畳むことができる。
ベッド
ベッドルームにはハイマウントベッドが置かれ、大人2名が就寝できる。ベッドの大きさは1,950×1,400mmで家庭用ダブルベッドの大きさと同じ。
ギャレー
ギャレーコンソールには2口コンロが一体になったコンビネーションシンクがビルトインされている。ギャレーコンソールには引き出し収納が豊富に用意されており、小さな食器の収納にも便利。
なお日本仕様にはカセットガス2本が使用される。
冷蔵庫は90リッターの1Way冷蔵庫がビルトインされる。
電子レンジはオプション設定されていないが、スペース的には収納できると思われるので確認すると良いだろう。この場合、1500W以上のインバーターも必要になる。
サニタリールーム
サニタリールームにはカセットトイレと温水シャワーが標準装備される。 シャワー使用時はカーテンでカセットトイレと仕切ることができるので便器が濡れることはない。
日本仕様は軽油式ボイラーになっており、湯はこれで沸かす。なお給水タンクは100リッター、 排水タンクは85リッターとなっている。
空調
暖房は軽油FF ヒーターが標準装備されるが、冷房はルーフ式のセパレートエアコン がオプションで用意されている。しかしいずれにしても発電機が搭載できないので、長時間連続してエアコンを使うなら外部電源かリチウムイオンバッテリーの搭載が必要だ。
収納
オーバーヘッド収納がダイネットの上、ベッドルームの上に並んでおり、 高い収納力がある。また小さな食器の収納はギャレーコンソールの引き出しに収納できる。
更にベッドの下が大きな収納スペースになっているので、大きめの荷物はここに収納することができる。後部は観音開きにできるので、車外から取り出すことも可能。
電装系
95Ahのサブバッテリーが1個標準装備されるが、オプションでもう1個搭載可能。ただし、バッテリーでエアコンを使用する時間が長い場合は、リチウムイオンバッテリーなどの搭載を考えるのが良いかもしれない。リチウムイオンバッテリーのオプション設定はされてないが、必要な場合は確認すると良いだろう。
またインバーターは標準で搭載されておらず、オプションで1500Wのものが用意されている。
なお、バンコンの輸入車の場合は排気処理も含めた発電機の搭載が難しいため、自立型のシステムとすることは難しい。
まとめ
フィアットデュカトベースのグランドキャニオンは9,396,000円~(税込)、メルセデスベースのグランドキャニオンSは 10,972,800円~(同)なので、160万円程度の差があることになる。インテリアは同じなのでこの差はベース車の差になる。
メルセデスの場合は、エンジンと4WD、そしてブランドに選択価値があるが、2WDしか選択できないこと以外、フィアットデュカトベースでも大きく差はないだろう。
しかし、ハイマーブランドとあって、価格はいずれにしても高価だ。