Garbo(ガルボ)は日産NV200バネットバンをベース車にしポップアップルーフを標準装備した、オートショップアズマのバン・コンバージョンキャンピングカー。
同社は軽キャブコンからライトエースベースのキャブコンまでラインアップする。
その中でガルボは、NV200バネットを使用した初めてのモデルで、かつ、同社の数少ないバンコンモデルでもある。
エクステリアはNV200バネットバンにポップアップルーフを架装しており、高い室内高を確保すると同時に、ルーフベッドで子供が就寝することができる。
ポップアップルーフなので、これを下げてしまうとノーマルのNV200と変わらない。通勤や買い物にも目立つことなく、また高さ制限のある駐車場にも入ることができるので、ファーストカー兼キャンピングカーとして使用できる。
2列目に2人掛けマルチモードシートを配置
インテリアはオフホワイトで統一されたシートと家具で構成されている。ただしバンベースのため、ドア部分はトリムされていないので車体色がむき出しになる。展示車は黒なので、室内ではアクセントになるが、原色系の色を選ぶ場合はインテリアに影響するので注意が必要だ。なお、後部両側の窓はトリムされている。
レイアウトは2列目にマルチモードシートを配置。前向きにすると運転席、助手席を合わせて5名が前向き着座してドライブできる。また後ろ向きにすると、最後部の簡易シートとでダイネットを形成する。後部両側には家具が配置され、右側はギャレー、左側はベッドボードの収納になっている。
ダイネットは、2列目シートを後ろ向きにして、最後部の簡易シートとでテーブルを挟んで対座するスタイル。大人2名+子供2名なら全員が着座できるが、最後部のシートは背後に奥行きが無いので、多少窮屈感がある。夏ならハッチを開けると快適だろう。
ベッドは、2列目シートをフラットにして、後部にベッドボードを敷くと大人2名が就寝できるフロアベッドになる。ただし両側に家具があるため、2名で就寝する場合は、足元が多少窮屈かもしれない。ベッド展開は、このモデルに限ったわけではないが、2列目のマルチモードシートをフラットにするのに多少手間がかかる。雨が降ると車外に出られないため尚更苦労する。
なお、ポップアップルーフを上げた状態では、ルーフベッドで子供2名が就寝できる。
広い調理台を持つギャレーコンソール
ギャレーは、右側の家具にシンクがビルトインされている。フォーセットも付いており、下に収納されたタンクから給水できる。各10Lの給排水タンクが収納されているが、サブバッテリーが横に設置されているため、タンクの出し入れがやり難い。水が入っていると骨の折れる作業になりそうだ。また冷蔵庫の設置場所も用意されていないので、ポータブル冷蔵庫を持ち込むと置き場所を占有される。電子レンジは置き場所も含め考慮されていない。
収納は、最後部のシート下に設けられており、バッグなどを収納しておくことができる。扉が前後に設けられており、ここから荷物を入れることが想定されているが、バッグなどは上から入れる方が楽。その意味でも、シート部が簡単に持ち上げられる工夫が必要だろう。
なお、これ以外収納スペースが無いため、食器など小物の収納に困りそうだ。車内で食事することはあまり想定されていないように見える。
車外からもアクセスできる後部収納スペース
空調はFFヒーターがオプション設定されているが、冷房系のソリューションは無い。またベンチレーターもオプション設定されていない。
電装系は、105Ahのサブバッテリーが1個標準装備される。バッテリー増設の可否については記述が無いが、スペース的にバッテリーの増設は厳しそうだ。また外部100V電源入力が標準装備されるが、外部電源によるサブバッテリーの充電機能はオプション。インバーターに関してもオプションリストに記述されていないが、小型のものなら設置できるだろう。
価格は355万円(税別)。ポップアップルーフを装備したNV200バネットベースバンコンは300万円台が中心なので、平均的な価格と言える。ただし、他車に比べて今一つこれといった特徴が無い。ベッドを広く取った車中泊車でもなく、ギャレー装備を充実させた長期旅使用でもないので、今一つコンセプトがはっきりしない。ギャレーはあるが、冷蔵庫や電子レンジの設置が考えられていないので長期旅には向かないが、ギャレーコンソールがそれなりに大きいのでベッドも広くない。日常に通勤や買い物に使用し、休日はファミリーで短期のドライブに使用するといった使い方が想定されているのかもしれない。