ジャパンキャンピングカーショー2017で、FCA Japanがフィアット デュカトを参考展示した。
実際に展開するかどうかは不明としながらも、キャンピングカーショーへの展示は、キャンピングカーのベース車として日本のマーケットやビルダーへのアピールと思われる。
今回展示されたのは、Fiat Ducato Van(フィアット デュカト バン)のインタークーラー付きマルチジェットディーゼル2.3Lエンジン搭載車の130PSバージョン。
ボディサイズは5,998 x 2,050 x 2,524mm。
デュカトは本国では、ホイールベースで4種類、ルーフの高さで2種類あり、合わせて5種類のボディサイズが存在する。
今回展示されたのは、ロングホイールベースのミドルルーフで、大きさから言うと2番めに大きいサイズ。
展示はビデオの通り内装を外した状態で、キャンピングカーのベース車としての使用をイメージしている。
天井高は1930mmなので、フロアを2重構造にしても頭が天井につかえる心配はないし、室内幅は1870mmあるので、ハイエースのようにエクステンションウインドウを架装しなくても車幅方向にキャンピングカー仕様のベッドの長さ規定値をクリアできる。
欧州でもデュカトバンを使用したバンコンタイプのモデルが増えており、欧州モデルとしてはコンパクトな部類に入り、日本へも輸入されている。
もっとも全長6mに迫る車長は、ハイエーススーパーロングの5380mmよりも遥かに長く、決して日本国内で扱いやすいというものではない。
しかし、今回の展示車では特筆すべき事がある。
それは左側エントランスであること。
右ハンドルは今までにも存在していたが、左エントランスは従来輸入されているキャンピングカーでも一部を除いて存在していなかった。
もし日本のビルダーがこのベース車に架装すれば、デュカトベースの完全な日本仕様モデルができるだろう。
なお、今回はバンのみの展示だったが、やはりデュカトベースの日本仕様キャブコンも見てみたいところだ。
そのためには、フィアットが欧州のビルダーに提供しているキャブのみの輸入も実現する必要がある。
国産キャブコンのウイークポイントはどうしてもトラック臭さが残るところだが、デュカトベースなら欧州モデルと、少なくとも外観では対抗できるようになる。
フジカーズジャパンは既に左側エントランスのデュカトベースキャブコン、エースキャラバンズのエース565を輸入しているが、更に選択肢が増えることになる。
価格面やメンテナンス面でまだまだ懸案事項はあるが、今回の展示は国内のキャンピングカー業界にとってインパクトがあるものだったのではないだろうか。
日本のキャンピングカーマーケットが成長しているが、いち早くフィアットが目をつけたということかもしれない。