デリカD:3 P-CanⅢPlusは西尾張三菱自動車販売のミニバンキャンピングカー。
ベース車は三菱デリカD:3で、これは日産NV200バネットのOEMモデル。
ただし、デリカD:3は商用車ではなくミニバンとして販売されている。
しかし、元が商用車ベースだけあってその室内空間は大きく、ミニバンベースのキャンピングカーとしては、理想的なベースカーと言える。
同社は社名の通り、三菱自動車の正規販売店のため、乗用車を購入するのと同じ感覚でキャンピングカーを購入できる。
また、メンテナンスも三菱の販売店で可能なため、これが大きなアドバンテージとなる。
もちろん、ポップアプルーフの架装も同社の管理のもとに行っているので、メンテナンス上の心配はない。
なお、ポップアップルーフなしのモデルも存在する。
ポップアップルーフでは大人2名が就寝できるので、二人で使用するならシートをベッド展開する手間が無い。
また、シートを畳んでボードを敷くと、フルフラットのベッドになり、ここでも2名が就寝でき、ポップアップルーフベッドと合わせれば、ファミリーでの車中泊も可能だ。
また、もう一つの特徴は回転するフロントシート。
運転席と助手席のシートは180°回転でき、2列目シートと対座してダイネットを形成する。
回転作業は車外に出て行うほうがやり易いので、雨の日などは多少苦労するが、ミニバンベースで対座ダイネットが実現できるのは希少価値だ。
ただし、ゆったり寛げるというレベルではなく、向き合った膝があったてしまうくらいの間隔しかない。
なお、この状態でも、後部のベッドスペースが確保できるので、小さな子供が寝てから大人がダイネットで寛ぐことも可能。
更に、後部には収納ラックを取り付けることもでき、電子レンジがビルトインできる。
電子レンジは実に嬉しい装備で、ちょっとした温めものや、軽い食事ができてしまう。
冷蔵庫はポータブル冷蔵庫を持ち込むわけだが、電源は12Vが後部ラック左側に用意されているので、これを使用できる。
後部のベッド下は荷物スペースになっており、バッグなどの大きな荷物も収納できる。
オリジナルの収納ポケットを生かした小物収納も用意されているので便利だ。
普通のミニバンで車中泊をする場合は、フラットベッドではないこともさることながら、収納が極めて少ないことがネックになるが、P-CanⅢ+Plusなら収納の問題はないだろう。
デリカD:3P-CanⅢ+Plusは見た目はミニバンなので、日常の通勤や買い物、子供の送り迎えなどのシチュエーションでも違和感なく使える上、停泊時はポップアップルーフで広い室内を確保できる。
また、ステップワゴンなどのミニバンベースの同様のモデルは他にもあるが、NV200バネットがベースのミニバンであるデリカD:3がベース車なので、室内空間は最大限に取られている。
ステップワゴンなど、乗用車ベースのミニバンをベース車にしているモデルに比べてマイナス点は、ダッシュボード周りの作りに豪華さが無いことが上げられる。
エクステリアを含め、やはり商用車臭さは残っている。
フロントシートを回転して2列目シートと対座ダイネットが形成でき、後部には電子レンジまでビルトインされた家具を装備できるなど、充実した機能は特筆される。
価格的には標準的なレベルだが、後部の家具はオプションなうえ、サブバッテリーや外部電源入力もオプションなので、写真のような形にするには、更に出費が必要。
また、対座ダイネットはかなり狭くなってしまっているのは残念なところ。
実際に4名が着座するのは、かなり厳しいだろう。
二人で使用するなら、ロングソファタイプを選択する方が良いだろう。
使用する人数や使用方法がフィットすれば、選択する価値があるモデルと言える。